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FPD/PCB NEWS〜7月31日
 

産総研 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターを設立

 産業技術総合研究所(産総研)は、量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(略称:G-QuAT)を設立したと発表した。

 研究センターでは情報処理技術に適した量子コンピューティング技術とAI等の古典コンピューティング技術の相互補完的な利用による高度な融合計算技術を確立し、この新たな融合計算技術の社会実装を目指して量子コンピューターを活用したユースケースを創出する。これにはさまざまな融合方法があるが、例えば量子コンピューターが得意とする組合せ最適化計算と、予測を得意とする機械学習を組み合わせることで、交通渋滞予測緩和や電力のデマンドレスポンスなどの予測最適化が可能となる。また、高品質な部素材の安定供給を目指した評価方法の開発や、その標準化をけん引する。

FPD/PCB NEWS〜7月26日
 

NOK 精密樹脂製品メーカーのエストーの株式を取得

 NOKは、精密樹脂製品を製造販売するエストーの株式100%を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。株式取得完了後、エストーはNOKの連結子会社となる。

 NOKが強みを持つゴムを使用したシール製品、車載バッテリー向けFPCといった製品群にエストーの樹脂製品が加わることにより、より幅広いニーズに対応した製品群の拡充を目指す。

FPD/PCB NEWS〜7月25日
 

東大と日東電工 熱の流出入を高精度に計測可能なフレキシブルセンサーを開発

 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻の肥後友也特任准教授と中辻知教授らによる研究グループは、日東電工と共同で実使用環境で高精度な面直熱流の計測が可能な薄膜型フレキシブル熱流センサ-を開発した。

 今回の研究では、ノイズの原因となる測定体表面の温度ムラに由来したオフセット信号を打ち消せる素子構造を導入し、任意の方向に熱が流れる測定対象でも高感度に面直熱流が測定可能な薄膜型センサ-を開発。このセンサーは量産プロセスで用いられるRoll-to-Rollスパッタリング法でPET基板上に作製可能。今後、このフレキシブル熱流センサーを用いた熱流測定による高効率な熱マネジメント技術や内部温度評価などの新たな計測技術の開発が進むことが期待される。

FPD/PCB NEWS〜7月24日
 

東大、宮城大、Nature Architects、エレファンテック インクジェット印刷でパターン印刷し加熱で多面体を自動的に折る技術を開発



▲湯につけるだけで平面から立体に自動変形した様子
 東京大学大学院工学系研究科の鳴海紘也特任講師、川原圭博教授、大学院総合文化研究科の舘知宏教授、大学院情報理工学系研究科の五十嵐健夫教授、宮城大学事業構想学群の佐藤宏樹准教授、Nature Architects、エレファンテックらの研究グループは、熱収縮性のシートに折紙のパターンを印刷し、そのシートを加熱することによって与えられた多面体を自動的に折る技術を開発した。

 折紙構造を自動で折る自己折り技術は複数提案されてきたが、自動で折れる折り線や面の数は最大で100程度しかなく、作れる形状に大きな制約があった。今回の研究では、インクジェット印刷の解像度を活用することにより従来の1200倍以上の解像度を実現し、最大で10万本以上の折り目と数万個の面を持つ折紙を自己折りすることに成功した。

FPD/PCB NEWS〜7月20日
 

日東電工 循環型グリーン工場構想を掲げる滋賀事業所で排水利用率90%を達成

 日東電工は、「循環型グリーン工場」構想を掲げる滋賀事業所で排水利用率90%を達成したと発表した。

 3月時点で当初目標である排水利用率90%を達成し、過去5年間で計56万トンの取水量を削減。さらに、水溶性廃液を1/6の体積にまで減容化することにより、廃液の蒸留再生におけるエネルギー使用量を大幅に低減した。

FPD/PCB NEWS〜7月19日
 

東北大 ワシントン大との共同研究でCNTとCNFから高強度導電性複合繊維を開発

 東北大学流体科学研究所の高奈秀匡教授は、米ワシントン大学のAnthony B. Dichiara准教授との国際共同研究により、セルロースナノファイバー(CNF)に高導電性を有する単層カーボンナノチューブ(CNT)を混合することで新たな導電性複合セルロース繊維を開発した。

 従来技術はCNTの含有によりCNF間の結合が阻害され、複合繊維強度が低下。今回の研究では、電場と流れ場による繊維配向制御法により50%という高いCNT含有量でも材料強度を低下させることなく、導電性セルロース複合繊維を創製することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜7月18日
 

東大 ポリマーが丸まるエネルギーを電気に変換することに成功

 東京大学大学院理学系研究科の周泓遙特任助教と山田鉄兵教授らによる研究グループは、熱を電気に変換する熱電変換を行うため、新たな高分子を用いることで小さな温度差で大きな電圧を発生させることに成功した。

 研究グループは、PNIPAM(ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド))にビオロゲンを修飾した高分子に注目。この高分子は低温では伸びて水に溶ける一方、高温では丸まって水に溶けなくなるコイル・グロビュール転移を示す。さらに、ビオロゲンが酸化還元すると、相転移温度が約25℃から約45℃へ変化する。このポリマーを熱化学電池に利用し、25℃以上では高温で丸まるエネルギーを利用することで電圧を発生させることに成功した。この方法を使うと、原理的にはほんのわずかな温度差からも電気エネルギーを取り出すことが可能になり、熱電変換を利用できる場面が大幅に増加し、センサーの駆動などに利用することが期待される。

FPD/PCB NEWS〜7月13日
 

UBE 窒化珪素製造設備を増設

 UBEは、宇部ケミカル工場内の窒化珪素製造設備を増設すると発表した。2025年度下期に稼働予定で、生産能力は現行比約1.5倍にアップする。

FPD/PCB NEWS〜7月12日
 

ローム ソーラーフロンティアの旧国富工場の資産を取得

 ロームは、ソーラーフロンティアと同社の旧国富工場(宮崎県東諸県郡国富町)の資産取得で基本合意したと発表した。

 旧国富工場は敷地面積約40万m2で、建物延床面積は約23万m2。取得時期は10月の予定で、今後、ロームグループの主力生産拠点として活用する一方、一部敷地・建物についてはソーラーフロンティアが事業所として継続利用する予定。

FPD/PCB NEWS〜7月7日
 

旭化成 プリンテッドエレクトロニクスを利用したディスプレイ用次世代非接触ユーザーインターフェイスを実証

 旭化成は、蘭ホルストセンターとともに、プリンテッドエレクトロニクスを利用したディスプレイ用次世代非接触ユーザーインターフェイスを実証したと発表した。

 今回の共同研究では、旭化成のCuインクと高精細印刷技術を活用した透明導電性フィルムに、ホルストセンターが開発した有機透明イメージセンサーアレイを組み合わせることにより、透明でありながら近赤外線を検知できるパネルを実証した。既存のディスプレイと組み合わせると、ペンライトや指の動き(ジェスチャー)を検知する非接触ユーザーインターフェイスが実現する。

FPD/PCB NEWS〜7月6日
 

大日本印刷 エンコーダディスクの開発・製造に参入


 大日本印刷は、産業用ロボットなどの位置や移動方向、回転角度などを検出する電子部品(エンコーダ)で使用するエンコーダディスクの開発・製造に参入すると発表した。

 エンコーダディスクは微細な目盛り(スリット)が刻まれた円板。エンコーダの内部に搭載し、ディスクに反射または透過した光を各種センサーが感知して電気信号に変換することで正しく移動・回転しているかどうかを検出・制御する。

 同社はディスプレイ製品で培った技術を活用して、エンコーダの小型化を可能とする金属反射型ディスクを提供。また、強い反射強度となる高反射材やクリーンルーム、自社開発の検査機を活用することにより、高品質なエンコーダディスクを供給する。

FPD/PCB NEWS〜7月4日
 

東大、分子科学研 室温以上で金属化する高伝導オリゴマー型有機伝導体を開発

 東京大学と分子科学研究所の研究グループは、導電性高分子をモデルとした室温以上で金属状態を示すオリゴマー型有機伝導体の開発に成功した。

 核酸やペプチドなどに代表されるオリゴマー材料は、構成ユニットの種類や配列情報によって立体空間を制御して機能を発現する。今回の研究では、オリゴマーの配列を使って集合体の立体空間と電子機能を制御するという新たなコンセプトを実証し、室温以上で金属状態を示す高伝導性材料を実現した。物質設計度が高く、レアメタルフリーで安価な原料から合成できるため、有機伝導体材料や有機電子デバイスにおける技術革新がもたらされることが期待される。