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FPD/PCB NEWS〜6月30日
 

マクセル NEDOの「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」へ再委託先として参画

 マクセルは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のムーンショット型研究開発プロジェクト「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」に再委託先として参画すると発表した。

 プロジェクトは東京大学、大阪大学、理化学研究所、UBE、清水建設、千代田化工建設、古河電気工業と共同で実施。マクセルは、CO2電解還元時に使用する電解リアクターを大阪大学と共同で開発する。

FPD/PCB NEWS〜6月28日
 

東京大学 しなやかで強いジルコニアセラミックスを開発

 東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構次世代ジルコニア創出社会連携講座の松井光二特任上席研究員、馮斌特任准教授、吉田英弘特任教授および幾原雄一特任教授のグループと東ソーの細井浩平主任研究員の研究グループは、しなやかで割れにくく、金属に匹敵する高い靭性を発現する高強度ジルコニアセラミックスの開発に成功した。

 ジルコニアの強化機構を基にセラミックスの弱点である脆さを克服する微細組織仮説を立案し、それを具現化する原料粉末を合成し、成形、焼結により得られるジルコニアセラミックスの微構造解析と力学特性評価を行い微細組織仮説を検証するとともに、金属に匹敵する高い靭性を発現する世界最高性能の高強度ジルコニアを開発した。高度な信頼性が要求される工具、筐体、生体・医用材料などの広範な分野での利用、さらには微細組織制御に立脚した次世代の高機能ジルコニア創出に向けた展開が期待される。

FPD/PCB NEWS〜6月27日
 

AGC アンモニアを燃料に利用したガラス製造の実証試験に成功

 AGCは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業「燃料アンモニア利用・生産技術開発」において実生産炉でアンモニアを燃料に利用したガラス製造の実証試験に成功した。

 AGC横浜テクニカルセンターの建築用ガラス溶解炉(実生産炉)に大陽日酸の多段燃焼により火炎温度の上昇を防ぐバーナーを1対導入し、アンモニアを燃料とした実証試験を6月18日から19日にかけて実施。さまざまな条件で従来の重油を燃料に用いた燃焼方法と比較し、ガラスの品質や炉材への影響、火炎温度、炉内温度、NOx排出量の抑制効果などを検証した。この結果、ガラス溶解炉の必要温度を維持しつつ、排ガスに含まれるNOx濃度が環境基準値を下回る結果が得られた。

 今後、さまざまな条件下で実証試験を行うとともに、よりスケールアップしたバーナー試験と他拠点での実証試験を計画している。

FPD/PCB NEWS〜6月26日
 

産業革新投資機構 JSRを株式公開で買収

 産業革新投資機構の完全子会社であるJICキャピタル(JICC)は、JSRの株券等をJICCの完全子会社であるJICC-02を通じて公開買付けで取得すると発表した。12月下旬に公開買付けを開始する予定。

FPD/PCB NEWS〜6月21日
 

大王製紙 東北大・東大・産総研と共同でセルロースナノファイバーの新用途として半導体材料を開発

 大王製紙は、セルロースナノファイバー(CNF)の新たな用途開発として東北大学、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)と共同で半導体材料を開発すると発表した。

 同社はNEDO、環境省の事業成果の一部として水分散液(150トン/年)、乾燥体(63トン/年)、複合樹脂(100トン/年)の3つのパイロットプラントを三島工場(愛媛県四国中央市)に設置し、CNFのコスト低減製造プロセスを開発中。今回はこれまでの製造・用途開発とは異なる半導体材料の開発に取り組み、CNFの新たな可能性を産学官連携による共同研究で模索する。

FPD/PCB NEWS〜6月19日
 

信州大 劣化なくリサイクル可能な高分子微粒子から亀裂が進みにくいゴム材料を開発

 信州大学学術研究院(繊維学系)の鈴木大介准教授らの研究グループは、マイクロスケールより小さな高分子の粒(高分子微粒子)の集合体である微粒子フィルム(高分子材料)において切れ目(傷)から亀裂が進展しにくいゴム材料を開発した。

 このゴム材料は高分子微粒子と水のみからなる微粒子分散液から水を蒸発させるだけで作製でき、微粒子フィルムの成形性を高めるために不可欠とされていた添加剤や有機溶媒などが不要で、亀裂に対し高い耐久性を有する。得られた微粒子フィルムは、水とエタノールの混合溶媒に浸すだけで微粒子個々に分解する。さらに、揮発性の高いエタノールを蒸発させると元の高分子微粒子と水のみからなる微粒子分散液の状態になり、再度フィルム形成できる。

FPD/PCB NEWS〜6月14日
 

NIMS 再生可能な接着剤を開発

 物質・材料研究機構(NIMS)は、接着と剥離を何度でも繰り返すことができ、かつ必要な時には基材と接着剤を元の状態にリセットできる再生可能接着剤を開発した。

 研究チームは、波長の異なる紫外線を照射することで架橋・脱架橋反応を可逆的に引き起こすカフェ酸に注目。カフェ酸を組み込んだ高分子を基材に塗布した後、波長365nmの紫外線を当てると、架橋反応によって不溶化した塗膜となる。この塗膜は室温で保存している状態では接着性を示さないが、加熱すると接着と剥離を何度でも繰り返すことができる。さらに、使用期間が終わった際には波長254nmの紫外線を照射することで架橋した部分が開裂し、塗布前と同じ状態にリセットされる。つまり、接着剤と基板の両方を回収・再利用できる。

FPD/PCB NEWS〜6月13日
 

大日本印刷 高機能光学フィルムの広幅コーティング装置を増設


 大日本印刷は、大型テレビ向けの光学機能性フィルムの製造向けとして最大2,500mm幅に対応可能なコーティング装置を三原工場(広島県)に導入したと発表した。

 2台目のラインとして2,500mm幅対応のコーティング装置を導入。この結果、生産能力は面積ベースで15%以上アップする。

 増設した広幅コーティング装置は同時に2層が塗工可能。このため、多層コーティングが必要なAG-LR(Anti-glare-LR)フィルムや反射防止(Low Reflection)フィルムなどの需要にも対応する。

FPD/PCB NEWS〜6月9日
 

東大、都立大、リガク 露出した金属表面を持つハイブリッド分子触媒を開発

 東京大学大学院工学系研究科の鈴木康介准教授、米里健太郎特任助教、屋内大輝大学院生、山口和也教授らによる研究グループは、同大学大学院総合文化研究科の横川大輔准教授、東京都立大学大学院理学研究科の山添誠司教授、リガクと共同で露出した銀表面を持つ金属ナノクラスターとリング状の金属酸化物を組み合わせたハイブリッド分子触媒を開発した。

 リング状の金属酸化物の内側に存在する1nm径の空間を利用し、30個の銀原子で構成される銀ナノクラスターを合成した。開発したハイブリッド分子触媒は露出した銀表面を持ちながら、固体状態や溶液中で安定であることがわかった。また、銀ナノクラスターと周囲のリング状金属酸化物が協奏的に働くことにより、水素分子を電子とプロトンに解離することができ、水素分子を用いてさまざまな有機分子を変換する触媒材料として機能する。

FPD/PCB NEWS〜6月7日
 

SCREEN SPEサービス 熊本にグローバルトレーニングセンターを設置

 SCREEN SPEサービス(SESV)は、保守・サービス体制強化の一環として熊本事業所(熊本県上益城郡益城町)内にグローバルトレーニングセンター「匠-TAKUMI-」を設置した。

 SESVは半導体製造装置の新規セットアップ・メンテナンスをはじめ、オリジナル周辺機器の開発、安全ツールの提供などを行うサービス会社。今回、保守・サービス体制強化の一環として熊本事業所内に最先端機器のグローバルトレーニングセンター「匠-TAKUMI-」を設置。半導体製造装置の新規セットアップやメンテナンス、装置改造の技術・知見を活用し、ユーザーへの製品メンテナンス研修を行うほか、製品の搬入・セットアップ、各種サポートを担うフィールドサービスエンジニアの育成を行う。

FPD/PCB NEWS〜6月6日
 

九大とJST 透過電子顕微鏡によるナノ粒子焼結を4次元で計測

 九州大学先導物質化学研究所の井原史朗助教、斉藤光准教授、村山光宏教授、同大学大学院総合理工学府の義永瑞雲氏、和田皓太氏、同大学院総合理工学研究院の波多聰教授、メルビルの宮崎裕也氏らの研究グループは、試料を大気にさらすことなく透過電子顕微鏡(TEM)に輸送可能な加熱その場観察用TEM試料ホルダーを開発し、平均粒径150nmのCuナノ粒子が焼結する過程を3次元で捉えることに成功した。

 ナノ粒子は体積に対して表面積が大きく、いわば表面に相当する領域が粒子の大部分を占めるため、通常では問題にならないような大気中の塵や水分の付着などでも焼結挙動が変化する。TEMでは電子線を試料に照射して観察を行うが、この電子線照射によって試料や装置表面のわずかな付着物が試料上に凝集し、汚染となって焼結を妨げる。また、TEM観察によって3次元可視化を行うにはX線CT検査のようにいろいろな角度から多数の画像を撮影する必要があるため、電子線による試料汚染が生じやすく、さらに時系列データの取得を加えようとすると問題が深刻化する。したがって、従来は工業的に用いられるナノ粒子の焼結を3次元直視観察することは困難と考えられてきた。

 今回、研究グループは新たな試料ホルダーの開発を基に大気にさらすことなくTEMへ試料を輸送し観察するシステムを構築。さらに、観察中に照射する電子線量をこれまでに報告されている3次元観察のなかでも最低レベルまで落とすことで電子線照射による汚染を回避した。電子線量を低下させると画像に含まれるノイズが顕著となるが、ノイズフィルターの適用から3次元可視化まで一連の画像処理を独自に組み合わせることにより、Cuナノ粒子の焼結による経時形態変化の3次元可視化、すなわち3次元空間に時間変化も加えた4次元計測を実現した。

FPD/PCB NEWS〜6月2日
 

DIC カナダの半導体フォトレジストポリマーメーカーPCAS Canada社を買収

 DICは、カナダの半導体フォトレジストポリマーメーカー「PCAS Canada」の全株式を仏PCAS S.A.社から取得したと発表した。

 買収後、PCAS Canada社は社名を「Innovation DIC Chimitroniques」に変更。最先端プロセスに対応した製品開発の加速、設備投資による供給体制の強化、北米とアジアの顧客ニーズに応える組織体制の構築を進めることにより、半導体の成長と普及を材料供給の面から支える。