STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜11月25日
 

三井化学ファイン 超微細スクリーン印刷技術を共同開発


 三井化学ファインは、大阪ケミカルらと共同で超微細スクリーン印刷技術を開発したと発表した。

 ウレタンスキージを販売する三井化学ファイン、高硬度2層ウレタンスキージを製造する大阪ケミカル、製版メーカーのムラカミ、ペーストメーカーのアサヒ化学研究所、印刷機メーカーのセリアコーポレーションの5社で、L/S=20μm/20μmを可能とする超微細印刷技術を開発した。この技術は既存のスクリーン印刷ラインに導入可能。2020年度末よりユーザーへ紹介し、2021年度中の実用化を目指す。

FPD/PCB NEWS〜11月24日
 

JNC 有機EL材料子会社を設立するとともに韓国に合弁会社を設立


 JNCは、有機EL材料を開発・販売する子会社を設立するとともに、同事業に関して韓国SK Materials(SKM)と合弁会社を設立すると発表した。

 まず100%出資子会社「SK JNC JAPAN(SJJ)」を12月に設立。JNCが保有する有機EL材料事業(製造機能を除く)を譲渡する。SJJは青色発光材料をはじめとする有機EL材料の研究、開発、日本国内顧客への販売を行う。SKMとの合併会社設立後、SJJは合弁会社の傘下に入る。出資比率はJNCが49%、SKMが51%。これにともない、JNCは合弁会社に有機EL材料事業に関する保有特許・商権を譲渡する。

FPD/PCB NEWS〜11月18日
 

カネカ 5G高速高周波対応の超耐熱ポリイミドフィルムを開発


 カネカは、5G高速高周波対応の超耐熱ポリイミドフィルム「ピクシオIB」を開発したと発表した。10月からサンプル出荷中で、2021年からの本格販売を予定している。

 ピクシオIBは、高周波帯における誘電正接を世界最高レベルの0.0025まで低減。これにより、高速通信を実現する5Gのミリ波帯へ対応できるようになった。

FPD/PCB NEWS〜11月17日
 

東大、産総研、NIMS、筑波大 印刷できる高性能n型有機半導体単結晶を開発


 東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、物質・材料研究機構(NIMS)、筑波大学の共同研究グループは、印刷可能でかつバンド伝導性を示すn型有機半導体単結晶薄膜を用いて、4.3MHzで動作する高速トランジスタを開発することに成功した。

 最近開発したn型有機半導体材料が印刷した単結晶薄膜においてバンド伝導性を示すことを確認。この単結晶薄膜は微細加工しても高移動度を示し、大気下、4.3MHzで動作する高速n型有機トランジスタへ応用した。印刷法・単結晶薄膜を特長とするn型有機半導体で初めての高速トランジスタで、バンド伝導由来の高移動度により達成されたとしている。

FPD/PCB NEWS〜11月16日
 

キヤノン 解像力1.2μmの中小型FPD用露光装置をリリース


 キヤノンは、第6世代ガラス基板サイズに対応した中小型FPD用露光装置"MPAsp-E903T"を発売すると発表した。

 FPD露光装置として初めてDUV(深紫外)波長を発光する新光源を搭載。波長が変化しても色収差の影響が少ないミラー光学系特有の利点を生かし、これまで使われている紫外光よりも短い波長の新光源と新開発した投影光学系により、解像力1.2μmを実現した。位相シフトマスクなどの超解像技術を利用すれば、解像力1μmの露光も可能。

 また、装置内レイアウトと温度調節システムの改良により、±0.25μmの高い重ね合わせ精度を実現した。

FPD/PCB NEWS〜11月13日
 

大日本印刷 斜めから見た時の有機ELDの青みを改善する光学フィルムを開発


 大日本印刷は、有機ELディスプレイを斜めから見た際に画面が青みがかって見える現象"ブルーシフト"を改善するブルーシフト改善フィルムを開発したと発表した。ディスプレイに内蔵することにより、どの角度から画面を見ても青みを抑制することができる。

 長年培ってきた微細賦型技術を活かし、端末をどの角度から見ても青みを帯びることがないブルーシフト改善フィルムを開発した。このフィルムをディスプレイに内蔵すると、パネルの構造を高度に調整する必要がなくなるため、低コストで斜めから見た時の青みを改善できる。

FPD/PCB NEWS〜11月12日
 

SCREENファインテックソリューションズ フォルダブル・ローラブル有機ELD用塗布現像装置を開発


 SCREENファインテックソリューションズは、画面を折り畳んだり(フォルダブル)、巻いたり(ローラブル)することが可能なフレキシブル有機ELディスプレイに対応した塗布現像装置「SK-F1500H」を開発したと発表した。

 発光層が形成された基板に反射防止機能を持つカラーフィルター(CF)膜形成向け装置で、CF膜の塗布から現像までの一貫ラインによる効率的な処理を実現。塗布部には浮上搬送方式を採用したスリット式塗布装置「レビコータ」を搭載。さらに、独自の基板搬送技術により第6世代のハーフサイズ基板の2枚連続処理が可能となっている。

FPD/PCB NEWS〜11月9日
 

東北大、岡山理科大学、筑波大学 立体的な曲面構造を持つグラフェンデバイスを作製


 東北大学、岡山理科大学、筑波大学の研究グループは、炭素1個分の厚さしかない原子層物質である2次元グラフェンシートをモチーフとする3次元構造体を作製し、立体的な曲面構造を持つグラフェンが2次元グラフェンの特性を大きく上回る優れた物質であることを解明することに成功した。

 研究グループは周期的立体構造を持つグラフェンを作製しデバイス特性を評価してきたが、幾何学構造と物性の結び付けは非常に難しく、物質が持つ3次元的な曲面や疑似的な周期構造がグラフェン本来の物性をどのように変調するのかは実験的に明らかにできていなかった。

 今回、こうした課題に対し、意図的にグラフェンの曲がり具合を示す曲率半径を変えることによって、3次元集積化(曲面の詰め込み具合)がグラフェンの物性をどのように変えるのか、一定体積当たりどこまでの集積効率ならばグラフェンとしての特性を保持できるのかなどを検討。3次元の立体構造を持つグラフェンデバイスの設計指針を得ることに成功した。

FPD/PCB NEWS〜11月6日
 

昭和電工 中国四川省に電子材料用高純度ガスの合弁会社を設立


 昭和電工は電子材料用高純度ガス事業を強化するため、中国の成都科美特特種気体有限公司と合弁で「成都科美特昭和電子材料有限公司」を四川省成都市に設立すると発表した。

 合弁会社の資本金は400万人民元で、昭和電工が40%、成都科美特特種気体が60%出資する。おもに半導体製造工程で使われる高純度FC-14(テトラフルオロメタン、CF4)の最終製造工程を担い、来年1月から営業を開始する。

 なお、昭和電工のCF4事業は稼働中の川崎事業所(神奈川県川崎市)に合弁会社を加えた2拠点体制となる。

FPD/PCB NEWS〜11月5日
 

Kyulux 次世代有機ELの高効率化・長寿命化に成功


  九州大学発のベンチャー企業「Kyulux」は、JSTの研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)企業主導フェーズNexTEP-Bタイプの開発課題「高効率・高純度発色を実現する有機EL発光材料」において目指していた成果が得られたと発表した。開発課題は、九州大学・安達千波矢教授らの研究成果をもとにKyuluxが事業化開発を進めていたもの。

 量子化学計算と機械学習を組み合わせたマテリアルズ・インフォマティクスを用いて、独自の有機EL「Hyperfluorescence」による発光技術の高効率化と長寿命化に成功した。材料設計では、用いる新規TADF(熱活性化遅延蛍光)材料の選別にマテリアルズ・インフォマティクスを使い、研究者の知識と量子化学計算を組み合わせる従来の材料開発手法に比べ10倍以上のスピードで有望な材料を見出した。

 さらに、電荷バランスの観点から発光層を最適化し、RGBすべての色で目標寿命を達成。とくに赤色では目標の4倍の寿命、長寿命化が難しいとされる青色もプログラム開始時に比べ100倍以上の寿命を実現した。

FPD/PCB NEWS〜11月4日
 

東北大 プラスチック表面への多孔質材料コーティングに成功


 東北大学は岩手大学、高輝度光科学研究センターと共同でアクリル樹脂などの高分子材料の表面に金属有機構造体(MOF)薄膜を作製する手法を開発した。

 規則正しいナノサイズの空孔を持つ材料であるMOFは、空孔への物質の吸脱着などその多孔性に特徴がある。しかし、一般的な作製手法では粉末試料を得ることはできるものの、薄膜にすることが困難だった。

 今回開発した手法は基材となる高分子の板を2種類のMOF原料溶液に交互に浸すだけというシンプルなもので、大がかりな製造装置が不要。今後、多孔性を活かした機能材料開発の応用研究につながることが期待される。