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FPD/PCB NEWS〜2月28日
 

東大 高移動度を有する二次元正孔伝導を酸化物で初めて実現


 東京大学の研究グループは、酸化物半導体の表面上に高移動度を有する二次元正孔伝導を実現したと発表した。

 汎用性が高いチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)基板上に超高真空下で0.25nm以下という薄膜のFe膜を室温蒸着し、大気にさらして酸化鉄(III)を形成した。SrTiO3と酸化鉄(III)はともに絶縁体だが、これらの界面で非常に高い移動度(10Kにおいて約2万4,000cm2/Vs)を持つ二次元正孔伝導(p型伝導)が起こることが確認された。SrTiO3と他の酸化物の界面では高移動度の二次元電子伝導(n型伝導)が起こることが広く知られているが、このような高移動度を持った正孔伝導が観測されたのは今回が初めて。

 また、Feの膜厚が0.25nmよりわずかに厚いと伝導の二次元性が保たれたままp型伝導がn型伝導に変わること、つまり伝導型を膜厚で制御できることも明らかになった。この結果、酸化物を用いて高移動度を持つp型半導体とn型半導体からなるダイオードやトランジスタなどの高性能デバイスが実現でき、それらにより構成される集積回路を酸化物基板上に安価で実現できることが期待される。

FPD/PCB NEWS〜2月27日
 

積水化学と住友化学 ごみを原料にしてポリオレフィンを製造する技術で協力


 積水化学工業と住友化学は、"ごみ"を原料としてポリオレフィンを製造する技術の社会実装に向け協力関係を構築することで合意した。

 ごみをまるごとエタノールに変換する生産技術を開発した積水化学と、ポリオレフィンの製造技術・ノウハウを有する住友化学が協力することにより、ごみをポリオレフィンにケミカルリサイクルするサーキュラーエコノミーの取り組みを推進する。積水化学はごみから得たエタノールを、住友化学はそのエタノールを原料としたポリオレフィンを2022年度から試験生産し、25年度に製品化を目指す。

FPD/PCB NEWS〜2月25日
 

三菱ケミカル 国内グループ会社を統合


 三菱ケミカルは、Mitsubishi Chemical Advanced Materials AG傘下の三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(MCAMJ)と三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズコンポジット(MCAMCJ)を4月1日付でMCAMJがMCAMCJを吸収する形で統合すると発表した。

 MCAMJはMCナイロンをはじめとする各種エンジニアリングプラスチックを製造し、食品包装装置、半導体製造装置など幅広い分野へ販売。一方、MCAMCJは自動車分野を中心に熱可塑性ガラス繊維複合材料を展開している。統合により互いに保有する人材、情報、技術などのリソースを融合させ、さらなる競争力強化に努める。

FPD/PCB NEWS〜2月20日
 

ジャパンディスプレイ 第28回3D&バーチャルリアリティ展にVRヘッドマウントディスプレイを出展


 ジャパンディスプレイは、2月26〜28日に幕張メッセで開催される日本ものづくりワールド2020内の専門技術展「第28回3D&バーチャルリアリティ展」にVRヘッドマウントディスプレイ(製品名:VRM-100)を用いたフリーローム型VR体験システムを展示すると発表した。

 フリーローム型VRは、複数のユーザーが同じ空間内を動き回ることができる多人数参加型のVR体験。単独でしか参加できなかった従来のVRに比べ、チームワークが求められる作業などに対応しており、高度な訓練が可能。同社は地震などの天災・テロ対策の特殊な状況をVR空間で再現し、多人数で体験可能なシステムと組み合わせることでハイクオリティな訓練ソリューションを提供する。

FPD/PCB NEWS〜2月19日
 

三菱電機 産業用10.4型XGA TFT-LCDをサンプル出荷


 三菱電機は、厳しい環境で使用される建設機械、農業機械、工作機械など向けとして10.4型XGA対応TFT-LCDをサンプル出荷すると発表した。

 加速度6.8Gの耐振動性能を実現し、建設機械、農業機械、工作機械に対応できるようにした。また、機構設計の最適化や部材仕様の見直しにより、使用温度範囲を−40℃〜+80℃と従来製品よりさらに広げた。さらに、従来比1.4倍の超高輝度(1300cd/m2)・高コントラスト(1000:1)により、明るい場所での視認性を確保したほか、広い調光範囲(1〜100%)で屋内外のさまざまな照度環境に対応できるようにした。

FPD/PCB NEWS〜2月18日
 

筑波大、コンフレックス、豊橋技術科学大、東大 有機半導体の開発を効率化するシミュレーション法を開発


 筑波大学、コンフレックス、豊橋技術科学大学、東京大学の共同研究グループは、有機半導体の移動度予測で必須とされる単結晶構造の測定データを使わずに移動度を予測するシミュレーションに成功したと発表した。

 共同研究グループは分子の化学構造式と粉末X線回折パターンから単結晶構造と材料特性を短期間で予測するシミュレーション法を開発。このシミュレーション法を高性能な有機半導体分子に適用し、その有用性を実証した。この方法は有機半導体の移動度予測だけでなく、熱電物性などの機能予測にも拡張可能だという。

FPD/PCB NEWS〜2月12日
 

村田製作所 マレーシアのMurata Electronicsの新生産棟が完成


 村田製作所は、生産子会社Murata Electronics (Malaysia)が建設していた新生産棟が完成し竣工式を行ったと発表した。

 新生産棟は地上3階建て延床面積2万3,007m2。投資額は40億円(建物のみ)。チップインダクタ、ノイズ対策フィルタ、コモンモードチョークコイルを生産する。

FPD/PCB NEWS〜2月6日
 

東大、産総研、NIMS 超短波帯で動作する有機トランジスタを開発


 東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、物質・材料研究機構(NIMS)の共同研究グループは、有機半導体単結晶薄膜上でチャネル長1μmの微細加工法を開発した。

 この結果、10cm2/V・sの高移動度と短チャネル化を同時に達成したことにより、世界記録を2倍程度更新し、世界最速となる38MHzの遮断周波数を達成した。また、この有機トランジスタは交流信号を直流信号に変換する整流性を有しており、100MHzでもその整流性が失われないことを実証した。

FPD/PCB NEWS〜2月5日
 

信越化学工業 マイクロLED用材料をリリース


 信越化学工業は、マイクロLEDディスプレイ用材料をリリースすると発表した。

 具体的には、@超平坦基板上に粘着剤フリーでドライ接着層を形成したマイクロLED移送用スタンプ、A基板を保持したまま洗浄工程や移送などのプロセスを可能にする仮支持基板、を製品化する。