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FPD/PCB NEWS〜4月27日


SCREEN FTとFUK ディスプレイ用後半工程装置で包括提携

 SCREENファインテックソリューションズ(SCREEN FT)とFUKは、フィルム・ガラス貼り合わせ装置や研磨洗浄装置の製造・販売事業に関し将来的な資本提携も視野に入れた包括的業務提携契約を締結したと発表した。

 SCREEN FTの塗布・表面処理技術・自動化技術とFUKの洗浄・貼り合わせ技術を融合した新しいソリューションビジネスを目指す。今後、FUKのビジネス領域である後半工程を中心に顧客ニーズに的確に対応する新しい製造装置を提案する体制を整える。


FPD/PCB NEWS〜4月26日


東京エレデバイス デバイス開発などワンストップで提供するTED Real IoTを提供

 東京エレクトロンデバイス株は、企業がIoT(Internet of Things)を活用したサービス開発を検討する際に必要となるデバイス開発、アプリケーション開発、データ解析、分析までをワンストップで提供するサービス「TED Real IoT」の提供を開始すると発表した。

  TED Real IoTは、データ収集から分析・活用に至るまでに必要となるデバイス開発、アプリケーション開発、データ解析・分析作業をユーザーに代わってワンストップで提供するサービス。従来よりも迅速で効率的なIoTサービス開発を実現し、企業のIoTを活用したサービス開発を支援する。具体的には、ユーザーの企画検討フェーズでは有効な製品技術・事例情報を提供することでIoT設計支援を行い、実現性の確認フェーズではPoC・プロトタイプ開発サービスを提供。そして、最終的なビジネスフェーズに向けたプロダクション開発までサポートする。


FPD/PCB NEWS〜4月22日


三菱化学とNIMS 中国特許復審委員会が赤色蛍光体特許の有効性を確認

 三菱化学と物質・材料研究機構(NIMS)は、LED用として広く用いられる赤色蛍光体の中国特許3件(中国特許第ZL200480040967.7号、第ZL200710199440.4号および第ZL201110066517.7号)について中国の煙台希爾徳新材料有限公司(Yantai Shield Advanced Materials Co.,Ltd.)が2015年7月に特許復審委員会に請求していた無効審判においてShield社の主張を全面的に退けて特許の有効性を認めたと発表した。

  この特許は通称CASN、SCASNまたは1113蛍光体と呼ばれる窒化物系赤色蛍光体およびそれを用いたLED、照明器具やLCDバックライトなどを広くカバーする。CASNおよびSCASN蛍光体はLED用として最も広く使用されている赤色蛍光体。


FPD/PCB NEWS〜4月19日


産総研、東大、田中貴金属、山形大学 超微細回路を簡便・高速で印刷できる新たな印刷技術を開発

 産業技術総合研究所(産総研)、東京大学、山形大学、田中貴金属工業は、紫外光照射でパターニングし、Agナノインクを表面コーティングするだけで超高精細配線パターンが形成できる印刷技術「スーパーナップ(SuPR−NaP;表面光反応性ナノメタル印刷)法」を共同開発したと発表した。紫外光照射によって形成した活性の高い基板表面上にAgナノ粒子を選択的に化学吸着させ、粒子と粒子の自己融着によって低抵抗配線を形成する仕組みで、最小線幅0.8μmの微細金属配線が得られる。


図1 スーパーナップ法による金属配線印刷プロセス

 図1にスーパーナップ法による金属配線印刷プロセスを示す。まず、基板表面上に形成した非晶性フッ素系ポリマー上に波長172nmの紫外光をフォトマスクを介して照射し、パターニングする(図1(1))。これにより、Agナノ粒子を化学吸着する活性の高い表面(反応性表面)パターンの潜像を形成する(図1(2))。次に、基板全面をAgナノインクで濡らしたブレードによって掃引すると、反応性表面上にのみAgノ粒子が選択的に吸着し(図1(3))、Agナノ粒子同士の自己融着によりAg配線パターンが得られる(図1(4))。


図2 Ag配線の厚み分布


写真1 Ag配線の顕微鏡写真

 写真1はAg配線の顕微鏡写真で、ミニマム0.8μm幅のAg配線が得られた。また、インクの濃度を変えることにより、30〜100nmの範囲で厚みが制御できた。さらに、図2のようにAg線の厚みは線幅によらず一定で、コーヒーリング現象がみられなかった。電子顕微鏡による観察から、反応性表面上ではAgナノ粒子同士の溶融により球状の形状が消失し、Ag薄層を形成していることがわかった。また、Ag配線は基板表面上に5MPa以上(大気圧の50倍以上の力)で強く固着していた。気になる導電性も80℃以下という低温熱処理でも10万S/cmが得られた。

 今回用いたAgナノインクには、アルキルアミン保護層で被覆されたAgナノ粒子が40〜60wt%の高濃度で含まれる。このAgナノインクを乾燥させると、結合力の弱いアルキルアミンが徐々に脱離し、ほぼ常温でAgナノ粒子同士の凝集と融着が進む。このような特異な性質を示すAgナノインクを用いることでスーパーナップ法が開発できた。

 基板の表面層として用いたフッ素系ポリマーに紫外光を照射すると、ポリマー内の化学結合の切断によってカルボキシル基が生成される。Agナノ粒子がこの表面に接すると、保護層のアルキルアミンに代わって結合力の強いカルボキシル基と結合する。これにより表面に多数のAgナノ粒子が吸着し、接触し合ったAgナノ粒子同士の融着が始まる。表面増強ラマン散乱法により、Ag薄層と反応性表面の界面にはカルボキシル基層が形成されていることがわかった。Agナノ粒子の融着にともなってAg表面の温度が高くなるため、アルキルアミンのさらなる脱離とAgナノ粒子の融着が雪崩的に進行し、結果として空隙のない固体銀薄層が形成されると考えられる。


図3 各種透明導電膜のシート抵抗と透過率


写真2 試作したタッチパネルセンサー

 今回の技術を用いて、可視光の回折限界に近い線幅(2μm程度)のAg配線をプラスチック基板上に形成し、フレキシブルなタッチパネルセンサーを試作した(写真2)。このタッチパネルセンサーは高い曲げ耐性を示し、ITO、Agナノワイヤー、グラフェンなどを用いた他の透明導電膜に比べ光透過率やシート抵抗も優れる(図3)。


FPD/PCB NEWS〜4月15日


東大 超柔軟有機ELDの大気安定動作に成功

 JST戦略的創造研究推進事業の一環として、東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授と横田知之講師らの研究グループは、柔軟かつ極薄有機ELを作製し、大気中で安定動作させることに成功した。貼るだけで簡単に運動中の血中酸素濃度や脈拍数をモニターして皮膚のディスプレイに表示できるため、ヘルスケア、医療、福祉、スポーツ、ファッションなど多方面への応用が期待できるという。

 サブストレートに厚さ1μmのパリレン高分子フィルムを使用。保護膜を含むディスプレイ全体の厚みを3μmに薄型化した。この厚みは人間の皮膚表皮の約1/10に相当する。

 外部量子効率はRが12.4%、Gが13.9%、Bが6.3%と高分子有機ELではトップクラスで、10V印加時の輝度は1万cd/m2を確保。つまり、ガラス製デバイスとほぼ同等で、これまでに報告されている柔軟性有機LEDの効率に比べ10倍程度改善された。

 この超柔軟有機ELは超薄型であるため人間の皮膚の表面のように複雑な形状をした自由曲面にぴったりと貼り付けることができ、ディスプレイやインディケーターとして使用することができる。実際、赤色デバイスで7セグメントディスプレイを作製し、人の手の甲に直接貼り付けて0から9までの数字を表示させることに成功。さらに、1色もしくは2色のデバイスを用いて実効発光面積約10cm2のインディケーターを作製し、人の頬に貼り付けて明るさを変化させる実験も行った。これらのディスプレイは、ヘルスモニタリングセンサーと連動させ、例えば血中酸素濃度を表示させることができる。

 もちろん、曲率半径100μmまで曲げても特性が損なわれることはない。さらに、折り曲げ特性を活かすことによって、ゴムシートと貼り合わせた伸縮自在なデバイスも得られる。具体的には、まずあらかじめ伸ばしたゴムシートと超柔軟有機ELを貼り合わせた後、ゴムシートを元の長さに戻すことによってゴムシートの表面に超柔軟有機ELの皺構造を意図的につくると伸縮性が発現する。この結果、1000回繰り返して60%伸張させてもデバイス特性が10%しか変化しないことが確認できた。


FPD/PCB NEWS〜4月6日

LG Display ベトナムにディスプレイモジュール組立工場を建設

  LG Displayは、ベトナム・ハノイ近郊のハイフォン(Haiphong)市とディスプレイモジュール組立工場建設に関する投資覚書を締結したと発表した。

 2016年上期中に資本金1億ドル規模で現地法人を設立し、新工場の建設に着工。2017年から量産を開始する。新工場ではTFT-LCDモジュールのほか、有機ELディスプレイモジュールも生産する予定。


FPD/PCB NEWS〜4月5日


東大 指で曲げるだけで電流が2倍になる有機物半導体を開発

 東京大学の竹谷純一教授らは、指の力を加えるだけで電気伝導率が約2倍になる有機半導体材料を開発した。心拍センサーなどのヘルスケアデバイス、介護用ロボットの入力に必要な人体動作センシング、橋や道路などの構造物の劣化診断に用いる歪センサーなどへの応用が期待できるという。

 周知のように、通常の有機半導体トランジスタは結晶軸方向がランダムな結晶粒の集合である多結晶であるため、応力による歪みの効果が結晶粒間の電流に影響し、応答の大きさを制御することができない。今回開発したデバイスは単結晶の有機半導体を用いるため、応力に対する電流の応答が物理的に対応するセンサー機能を有する。さらに、独自開発した高移動度有機半導体C10-DNBDTを50nm以下の厚さに薄膜結晶化する塗布成膜方法を用いることにより高い感度を実現した。

 実際にプラスティックフィルム上に作製した単結晶有機半導体トランジスタに指でも可能な程度の小さい応力を加えたところ、3%の歪みが得られる柔軟性を示し、かつ伝導度が約2倍にもなる巨大な応力歪み応答を見出した。これは、従来の金属薄膜歪みセンサーより15倍も高い歪み感度が実現していることを意味する。

 また、歪み効果によって大幅な性能向上が実現できることを確認。実際、キャリアモビリティは10cm2/V・sから17cm2/V・sに向上し、これに比例して電流応答スピードも1.7倍に向上した。 


FPD/PCB NEWS〜4月4日


東大 超薄板ガラスとキャリアガラスの常温接合・剥離技術を開発

 東京大学の須賀唯知教授、竹内魁大学院生らの研究グループとランテクニカルサービスは、接着剤を用いずに超薄型ガラスとキャリアガラス基板を常温接合し、さらに高温加熱処理後も常温で超薄型ガラスを剥離する技術を共同開発した。

 プロセスフローは、@ガラス表面の片面にイオンビームによってSi薄膜を数nm厚で形成する、Aガラス表面を水を含む窒素雰囲気中に露出させる、Bガラスを真空中ないしはドライ窒素雰囲気中に戻し、その中で両者を押し付けることにより常温接合させる、C接合面に亀裂を入れることにより機械的に破断させて剥離する、という仕組み。

 500℃×90分という加熱処理を経ても接合強度が増加することなく、高温加熱処理後も機械的な剥離が可能なのが特徴。これは、ガラス表面のSi薄膜が窒素中の水分を反応して水酸基を形成し接着剤の役割を果たすとともに、高温加熱処理によって水酸基が分解して水素が発生し、接合界面に微細なボイド(泡状の空隙)を多数形成するため、接合界面が弱くなり機械的に剥離できるというメカニズムによる。


FPD/PCB NEWS〜4月1日


ローツェ Samsung Displayから総額28億円のディスプレイ製造装置を受注

 ローツェは、韓国子会社のRORZE SYSTEMS CORPORATIONがSamsung Displayからディスプレイ製造装置を受注したと発表した。受注総額は約287億ウォン(約28億円)。製造装置の種類や内訳については公表していない。