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FPD/PCB NEWS〜11月30日


東京工科大 天然色素のみを用いたフォトクロミック材料を開発

 東京工科大学・柴田雅史教授らの研究チームは、植物色素と化粧品や食品で使用される原料のみを用いて天然系のフォトクロミック材料を開発することに成功した。化粧品、食品、玩具、文具など従来難しかった高い安全性が求められる産業分野への応用が期待できる。

 フォトクロミック材料は可視光や紫外線の照射に起因して色が可逆的に変化する物質で、リライタブルペーパー、紫外線検知材料、意匠性の塗料などに応用されている。しかしながら、食品に用いたり人体に直接塗布できる色素とは分子構造が大きく異なる有機色素が用いられており、安全性や環境負荷の観点から使用できる産業分野が限られていた。

 研究グループはイネ科の植物であるコウリャンから3-デオキシアントシアニジン色素のみを効率的に抽出するととももに、同色素と化粧品や食品での使用が可能なポリオールなどを組み合わせることにより、紫外線の照射によって赤色に着色し遮光状態では無色に変化するフォトクロミック溶液を作製。この溶液をメソ細孔粉体に吸着させると、光の照射で色が変わるゲルや粉体にすることもできるという。



FPD/PCB NEWS〜11月25日


三菱電機 高い耐振動性能を備えた産業用TFT-LCDをリリース

 三菱電機は、高い耐振動性能を備えた産業機器用10.4型SVGA TFT-LCDをリリースすると発表した。サンプル価格は15万円で、12月1日からサンプル出荷する。

 液晶パネル、機構設計、構成部品の最適化により、従来製品の加速度1Gに比べ約7倍に当たる6.8Gに対応可能など高い耐振動性能を実現した。また、動作保証温度も−40〜+85℃と業界トップクラスを確保。さらに、高輝度(1500cd/m2)と高コントラスト(700:1)を実現し、明るい場所での視認性を高めた。

FPD/PCB NEWS〜11月20日


アサカ理研 台湾社と金属ターゲット材料販売の合弁会社を設立

 アサカ理研は、台湾のSOLAR APPLIED MATERIALS TECHNOLOGY(SOLAR)と日本国内でSOLAR社の金属ターゲット材料をはじめとする製品を販売する合弁会社を設立すると発表した。

  合弁会社は2016年1月、福島県郡山市に設立する。社名は未定。資本金は1000万円で、アサカ理研が51%、SOLAR社が49%出資する。合弁会社は日本国内での市場開拓とSOLAR社製品の販売を行う。また、アサカ理研の洗浄・回収事業基盤とSOLAR社の金属材料開発力を活用し、日本国内をはじめグローバルに事業展開している電子部品製造業者に対し新たな金属材料の提案・販売から、ドライメッキ装置・部品の洗浄、有価物の回収までのトータルソリューションを提供する。


FPD/PCB NEWS〜11月12日


Innolux 10月の売上高は前年比22%減

 Innoluxは、10月の売上高が前年同月比22.7%減、前月比5.5%減295億8300万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCD出荷枚数は大型パネルが前年同月比9.6%減、前月比7.2%減の1022万3000枚、中小型パネルが前年同月比16.5%減、前月比2.1%減の2165万5000枚。


FPD/PCB NEWS〜11月11日


AUO 10月の売上高は前年比21%減に

 AU Optronics(AUO)は10月の売上高が前年同月比21.1%減、前月比7.1%減の291億9300万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCD出荷枚数は大型パネルが前月比6.9%減の887万枚、中小型パネルが前月比25.8%減の1070万枚。


FPD/PCB NEWS〜11月10日


CPT 第4世代TFT-LCD工場を台湾Giantplusに売却

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、Giantplus Technology(台湾)に第4世代TFT-LCD工場を売却すると発表した。譲渡額は約18億台湾ドルで、2016年1月までに手続きを完了する予定。

 工場は台中・桃園にあり、680×880mm基板に対応。マザーガラス投入能力は6万枚/月。Giantplusではニッチ市場向けの中小型パネルを生産する。


FPD/PCB NEWS〜11月9日


出光興産と韓国Doosan 有機EL材料分野での特許相互活用に関する覚書を締結

 出光興産とDoosan Corporation(韓国)は、有機EL材料関連分野で両社の特許を相互活用するという内容の覚書を締結した。12月末までに正式契約する予定。

 両社は一方の保有する有機EL材料関連特許を用いて他方が特定の条件下で材料の開発、製造、販売を行う協力関係の構築で合意。これにより、両社の材料開発の加速が見込まれる。

 また、静岡県御前崎市および韓国京畿道パジュ市にある出光の製造拠点と、韓国全羅北道イクサン市にあるDoosanの製造拠点における製造設備を相互に活用するなど、製造面でも協力する。


FPD/PCB NEWS〜11月5日


東北大 発光層のみの単層で高効率発光が実現可能な有機EL材料を開発

 東北大学 磯部寛之教授の共同研究グループは、有機ELの新しい構築法を開拓する分子材料を開発した。「さっと一吹き」するだけの短工程でほぼ理論限界となる高い発光効率を実現する有機ELができあがる「夢の多機能分子材料」だという。

 炭素と水素という2種の元素のみからなるトルエンを環状に連ねた新しい大環状分子材料5Me-[5]CMPを開発した。すなわち、ベンゼンの周辺にメチル(CH3)基を持つトルエンを使うことにより、単一層という最もシンプルなデバイス構造でありながら、ほぼ理論限界となる高い効率で発光する有機ELが実現する。この成果はこれまでの発光ダイオードの構造・材料設計の常識を覆し、有機EL材料の新しい設計指針を見い出したものといえる。

 また、この新しい炭化水素材料がRGB3原色すべての燐光発光材料に適用できることを実証。写真のように白色発光デバイスを試作することにも成功した。


FPD/PCB NEWS〜11月4日


産総研、日本ゼオンのスーパーグロースCNT工場が稼働

 産業技術総合研究所(産総研)は、スーパーグロース(SG)法を用いたカーボンナノチューブ(CNT)の量産工場を日本ゼオンが完成させたと発表した。日本ゼオンが今月中に徳山工場でSGCNTの量産を開始する。