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FPD/PCB NEWS〜8月27日


三菱化学とパイオニア の塗布型有機EL調光・調色型パネルを開発


▲青色表示時

 三菱化学とパイオニアは、製造コストを従来比約1/3以下に低減した塗布型有機EL照明調光・調色型パネルを開発したと発表した。開発したのは92×92mm、69×66mm、55×50mmの3サイズで、2016年初めから量産出荷を開始する予定。

 両社は2012年から蒸着型有機EL照明モジュールを出荷。2014年から発光層塗布型有機EL照明モジュールを量産中。今回、シーンに合わせてさまざまな光が表現可能な調色タイプのコスト低減モデルを追加ラインアップすることにした。


FPD/PCB NEWS〜8月26日


東レ・ダウコーニング カーエレクトロニクスの設計選択肢を接着剤を発売

 東レ・ダウコーニングは、カーエレクトロニクスにおける設計選択肢を広げるシリコーン接着剤「Dow Corning EA-7100接着剤」を発売すると発表した。この1液加熱硬化型接着剤は、低温かつ短時間で内部から外側に向けて硬化が進行するため、製造プロセスの効率化、エネルギー使用量低減、材料費削減が期待できる。

 ポリエチレン、ポリカーボネート、アセタールなど従来のシリコーンでは接着が難しかったプラスチックに加え、金属、セラミックス、ガラス、積層板に対しても強固な接着が得られる。用途によっては、前処理や精密洗浄を必要とせずにこれらの基材に接着することも可能。また、ラジカル反応で硬化するため、従来の付加反応で硬化するシリコーン接着剤に比べ硬化時間を最大50%短縮。例えば一般的なリッド・シールの場合、標準的な1液型の付加硬化タイプ接着剤は通常125℃×60分で硬化するが、EA-7100接着剤は100℃×15分で完全硬化する。


FPD/PCB NEWS〜8月21日


理研と東京都市大 凹みと平坦部を周期的に持つ金属表面を形成する加工法を開発

 理化学研究所(理研)と東京都市大学工の共同研究チームは、微粒子を投射して金属表面を改質する微粒子ピーニング(FPP)と精密研削を組み合わせた独自の機械的手法により、凹みと平坦部を周期的に持つ金属表面を形成する加工法を開発した。これまで機械的な加工法だけでは調整することが難しかった凹みの周期性、深さ、平坦部の面積なども一定の範囲内で調整可能になる。

 新たな微細構造形成法として微粒子ピーニングと精密研削を組み合わせた加工法を開発した。その結果、微粒子を材料表面に対し斜めから投射し、その後、精密研削を行うことにより凹みと平坦部が周期的に配列された微細構造を形成することに成功した。低摩擦化が要求される電動アクチュエーターのスライド部品、医療用インプラント表面加工、再生医療用の細胞培養プレート、高効率な熱交換器など多様な用途への適用が期待できるとしている。


FPD/PCB NEWS〜8月18日


トクヤマ 旭化成ケミカルズの工業用洗浄剤事業を新会社に移管

 トクヤマと旭化成ケミカルズは、旭化成ケミカルズの工業用洗浄剤事業をトクヤマが設立した洗浄剤事業会社に移管することで合意した。

 トクヤマが新設した子会社「潟gクヤマMETEL(神奈川県川崎市川崎区)」に10月1日付けで移管する。新会社はフッ素系工業用洗浄剤「エルノバ」、準水系・水系工業用洗浄剤「エリーズ」を生産する。


FPD/PCB NEWS〜8月12日


産総研 衣類のように柔らかく負荷をかけても壊れないトランジスタを開発


▲開発したトランジスタ

 産業技術総合研究所(産総研)は、衣類のように柔らかくさまざまな負荷をかけても壊れないトランジスタを開発したと発表した。生体センシングシステムや介護ロボットの皮膚など、医療用ヒューマンモニタリングエレクトロニクスへの応用が期待できるという。

 開発したのはソース、ドレイン、ゲートに用いる電極に導電性単層CNT(カーボンナノチューブ)ゴム複合材料、チャネルに単層CNT、絶縁層にイオンゲル、基板にシリコンゴムを用いたサイドゲート型トランジスタ(図1)。硬い金属や酸化物を一切使わず、すべての部材が衣類に近い柔軟性を有する。トランジスタ特性はON電流が−50μA、ON/OFF電流レシオが104で、既存のフレキシブルトランジスタと同等である。

 図2に、柔らかさと丈夫さの指標としてトランジスタ構成材料と各種金属、プラスチック、衣類素材それぞれのヤング率と許容弾性ひずみ量を示す。ヤング率は材料に加わる力と変形の比で柔らかさの指標、許容弾性ひずみ量は材料が壊れずに許容できるひずみの大きさで丈夫さの指標となる。今回用いた導電性単層CNTゴム複合材料、イオンゲル、シリコンゴムは衣類に近い柔らかさと丈夫さを示す。

 図3にハイヒールで踏まれる(圧力:約2.5MPa)前後のトランジスタ特性を示す。開発したトランジスタはすべての部材が一体化して変形することにより界面での応力やひずみの集中が抑制されるため、ON電流、ON/OFFレシオなどのトランジスタ特性ほとんど変化しない。このため、ハイヒールで踏まれるという大きな圧力に対しても壊れずに特性を維持している。


図1 トランジスタの構造と特性

図2 トランジスタ構成材料と各種材料のヤング率と許容ひずみ量

図3 ハイヒールで踏まれたトランジスタとその前後の特性