STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜7月31日


産総研 プリンテッドエレクトロニクス向け液滴形状シミュレーションソフトを開発

 産業技術総合研究所(産総研)は、表面濡れ性(親水性/撥水性)の違いによってパターニングした基板表面上にインクを印刷・塗布したときのインク液滴の形状を高速・高精度で予測するシミュレーションソフトウェア「HyDro」を開発した。7月31日からHyDroをWEB上で一般公開する。

 親水性領域と撥水性領域の境界を含む基板表面上でのインク液滴の形状予測はこれまで容易でなかったが、開発したプログラムによりパソコンを用いて数値シミュレーションを素早く行うことが可能になった。このソフトウェアにより、印刷技術を用いてデバイスを製造するプリンテッドエレクトロニクスの研究開発が加速するとともに、表面を介したさまざまな液体プロセスの解析技術への応用が期待される。


FPD/PCB NEWS〜7月29日


東大 折り曲げても動作するフレキシブル有機ELを開発

 東京大学の染谷隆夫教授、関谷毅准教授らの研究グループは、折り曲げても動作する超薄膜有機ELを開発したと発表した。あらゆる曲面に張りつけられる有機EL照明、有機ELディスプレイ、装着感のないヘルスケア・センサー用途の光源など多方面への応用が期待できる。

 厚さ1.4μmの極薄PETフィルムに有機材料を積層し、重さ3g/m2、厚さ2μmと世界最薄最軽量化に成功した。発光素子部を折り曲げた際にかかる歪みをミニマム化するように構造を最適化し、折り曲げ半径10μmを実現。くしゃくしゃに折り曲げても、電気的な性能が劣化せずに動作するようにした。

 具体的には、アノード電極としてITOに代わってPEDOT/PSSを使用。さらに、伸縮可能なゴムの上に有機ELフィルムを張り付けることにより、アコーディオンのような波型形状を実現。ゴムのように100%伸縮できるようにした。


FPD/PCB NEWS〜7月26日


産業革新機構 特許の有効活用をサポートする新会社を設立し出資

 産業革新機構(INCJ)は日本企業が保有する特許などの知財を有効活用するための新会社「蟹P Bridge」を設立、9000万円を出資したと発表した。また、IP Bridgeが組成・運営する知財ファンドに対して当初27億5000万円を投資。この知財ファンドに対して、今後の成長にともない投資額を順次拡大する予定。

 IP Bridgeは日本企業が保有する未活用特許を集約し、@オープンイノベーションによる新規事業化支援、事業化に必要な特許・ノウハウをまとめて提供するワンストップライセンス、標準化支援などを行うプロイノベーションサービス事業、A調達した特許に関するライセンスプログラムの設定・運用を行うプロパテントライセンス事業、B企業が訴訟を受けた場合の支援を行う防衛支援事業、の三つを柱に事業を展開する。

 調達対象特許は事業化していない技術に関する特許、撤退した事業に関する特許、ライセンスの可能性があるものの自社では十分に活用できない特許などを想定。当面は電機産業を中心に手掛け、順次、他の産業分野にも拡げる予定。

 日本企業は多額の技術開発投資を行い膨大な特許資産を蓄積しているものの、自社で使用していない休眠特許の占める割合が大きく、必ずしも有効活用されているとは言えないのが実情。また、事業廃止や統合により不要になった特許の海外への売却が増加している。特許の海外流出を防ぐとともに、こうした休眠特許を企業外部に切り出し・集約して国内のベンチャー企業支援や適正な収益確保などに活用することは、日本企業の産業競争力を高めていくうえ重要な課題といえる。IP Bridgeはこのような特許の受け皿となり、知財の有効活用を図る。


FPD/PCB NEWS〜7月25日


三菱電機 手袋をはめたまま操作できる産業用TFT-LCDを発売

 三菱電機は、手袋をはめたまま指先で操作できる投影型静電容量方式タッチパネルを搭載した産業機器用15型XGA/19型SXGA TFT-LCDをリリースすると発表した。

 独自の検出制御処理技術により、保護ガラス越しに手袋をつけたまま指先によるピンチイン・ピンチアウト・フリック動作など直感的な操作を実現。また、独自の微細配線技術によるセンサー微細化によって高い視認性を確保した。


FPD/PCB NEWS〜7月24日


6月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比2%減

 NPD DisplaySearchは、年6月のTFT-LCD出荷金額が前月比6%減、前年同月比2%減の69億8900万ドルになったと発表した。大型パネルは前月比5%減、前年同月比4%減の60億7300万ドル、中小型パネルは前月比8%減、前年同月比17%増の9億1600万ドル。

 メーカー別では、1位のLG Displayが前月比9%減、前年同月比5%減の17億8100万ドル、2位のSamsung Displayが前月比3%減、前年同月比17%減の13億7200万ドル、3位の台湾AU Optronicsが前月比5%減、前年同月比10%増の12億1400万ドルを出荷した。


FPD/PCB NEWS〜7月23日


テレビメーカーのテレビ用TFT-LCD在庫が増加

 調査会社のIHSは、テレビメーカーのテレビ用TFT-LCD在庫が6月に4.8週分となり、7月も4.9週分、8月も5週分と増加するという予測を発表した。在庫増加は、中国内需市場の不確実性拡大や世界景気の回復遅れによるという。

 上記の過剰なパネル購入による中国ローカルテレビメーカーの在庫増加や中国政府のテレビ購入補助金政策終了が、第3四半期のパネル需要に消極的な影響を及ぼす見通し。また、北米や欧州などの先進市場だけでなく、新興国市場も予想を下回る需要により、グローバルテレビメーカーの在庫負担が増えたことも第3四半期のパネル需要に悪影響を与える。

 世界最大のテレビ市場である中国における中国ローカルテレビブランドの市場シェアは80%以上に達する。そのなかで、チャンホン、ハイアール、ハイセンス、コンカ、スカイワース、TCLといった中国6大メーカーの月別パネル購入実績と計画をみてみると、購入は春節連休が長かった2月を除き毎月、前年同月比で増加したが、7月、8月は前年同月に比べ24〜25%減少する見通し。このため、下期のテレビ用パネル価格にも消極的な影響を与え、第2四半期に1〜2%下がったパネル価格が第3四半期には3〜6%下落する可能性が高いと予想している。


FPD/PCB NEWS〜7月19日


LG Display 第2四半期売上高は前年比5%減

  LG Displayは、第2四半期(4〜6月)の売上高が前年同期比4.9%減、第1四半期比3.4%減の6兆5720万ウォンになったと発表したた。

 TFT-LCDの出荷面積は889万m2。アプリケーション別比率はテレビ用パネルが51%、モニタモニター用パネルが21%、ノートPC用パネルが11%、タブレット用パネルが7%、その他モバイル用パネルが10%となっている。


FPD/PCB NEWS〜7月12日


Innolux 6月の売上高は前年比10%減

 Innoluxは、6月の売上高が前月比11.6%減、前年同月比10%減の331億3900万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前年同月比3.7%増の1238万枚、中小型パネルが25.2%増の3772万枚。

 この結果、第2四半期(4〜6月)の売上高は第1四半期比4.5%減、前年同期比0.9%減の1115億1800万台湾ドルとなった。


FPD/PCB NEWS〜7月11日


ジャパンディスプレイ 車載用TFT-LCDの生産を鳥取工場に集約

 日立製作所、ソニー、東芝の中小型液晶パネル事業を統合して発足したジャパンディスプレイは、カーナビゲーションシステムなどの車載機器用TFT-LCD事業を鳥取工場(鳥取市)に集約する。

 埼玉県と石川県に分散している車載機器用TFT-LCDの開発・設計、製造、販売機能を集約する。約39億円を投じて鳥取工場に関連設備を導入。2016年3月に稼働を開始する予定だ。


FPD/PCB NEWS〜7月10日


AUO 6月の売上高は前年同月比10.8%増

 AU Optronics(AUO)は、6月の売上高が前月比3.3%減、前年同月比10.8%増の370億3100万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比0.2%増の1053万枚、中小型パネルが8%増の1272万枚となった。


FPD/PCB NEWS〜7月8日


京大 CNTを効率良く光らせる新たなメカニズムを発見
希少元素を使わずに常温で動作するナノサイズ量子光素子の実現に期待

 京都大学の宮内雄平エネルギー理工学研究所特任准教授、松田一成教授、東京大学からなる研究チームは、カーボンナノチューブ(CNT)を従来に比べ桁違いに効率良く光らせる新たなメカニズムを発見したと発表した。

 極限的に細い量子細線であるCNTは光を当てたり電流を流してエネルギーを与えると近赤外光を発する(発光する)ことが知られており、ナノサイズの光ファイバー通信用省エネルギー光源や高感度な光検出器などへの応用が期待されている。しかし、その発光効率は約1%ときわめて低いのが実用化への課題だった。

 研究グループは、長さ数百nmのCNT「量子細線」上に約1個という非常に希薄な割合で電子を局所的に閉じ込める役割を担う特異点(量子ドット)を作ることに成功。その発光効率を調べたところ、常温において量子ドット部分はCNT固有の細線部分と比べ約20倍以上に当たる約18%に向上することがわかった。

 CNTはありふれた元素である炭素でできているため、将来的には光ファイバー通信用の高効率光源などをこれまで必須だったレアメタルやレアアースなどの希少元素を一切用いることなく作れるようになることが期待される。さらに、量子ドットのユニークな性質を利用することにより、これまで液体ヘリウム温度(−269℃)のような極低温の世界でしか実現できなかった電子の波としての性質を利用した新しい量子光機能や素子を冷却装置を使わずに常温で実現することも期待される。


FPD/PCB NEWS〜7月3日


AMAT 中国BOE Technologyから成膜装置を受注

  米Applied Materials(AMAT)は、中国最大のFPDメーカーであるBOE Technology Groupから第8.5世代ラインおよび第5.5世代ライン対応のスパッタリング装置、プラズマCVD装置を受注したと発表した。BOE Technologyはおもに低温Poly-Si TFT-LCDのSi膜や金属酸化膜の成膜に利用する。


FPD/PCB NEWS〜7月2日


大日本印刷 薄型ディスプレイ対応のタッチパネル用電極フィルムを開発

 大日本印刷は、ノートパソコンやデジタルサイネージなどの薄型ディスプレイに対応した静電容量式タッチパネル用電極フィルムを開発した。2013年内に量産を開始する予定で、大画面タッチパネルを中心に2014年度で50億円の売上げを見込んでいる。

 銅を成膜したPETフィルムにエッチング加工処理を施すことによりメッシュ状のセンサーを形成した静電容量式タッチパネル用電極フィルムで、線幅3μmというファイン電極が形成できるため、銅メッシュの電極パターンが目立つことがない。また、従来のエッチング方式で形成された電極フィルムは電極の金属の側面が露出しているため、メッシュ部の金属反射が画像の視認性を損なうことがあったが、金属の側面を黒化処理することでこうした問題を解消するとともに、コントラストを改善した。

 シート抵抗値は0.3Ω/□以下とITOやAgを用いた電極フィルムに比べきわめて低く、良好な操作性を実現。また、取り出し配線部分も銅を使用するため、85型までの大画面に対応できる。さらに、フィルムの表裏にセンサーを形成することも可能なため、薄型化にも対応できるという。