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FPD/PCB NEWS〜6月29日


ソニー ケミカルプロダクツ関連事業譲渡で正式契約

 ソニーと日本政策投資銀行(DBJ)は、ソニーの100%子会社であるソニーケミカル&インフォメーションデバイス(SCID)をはじめとするケミカルプロダクツ関連事業をDBJに譲渡することで正式契約を締結した。譲渡額は約580億円。

 SCIDは異方性導電膜や光学弾性樹脂をはじめとする接合材料・光学材料、磁気デバイスなどのケミカルプロダクツ関連の製造・販売事業(CP関連事業)と、ソニーグループで販売している光ディスクメディア、磁気テープ、ラミネート基板、フェリカカード・医療用プリントメディアなどの製造事業(非CP関連事業)を展開。今回の譲渡対象はSCIDをはじめソニーグループが行っているCP関連事業。

 まず、ソニーのCP関連事業をSCIDに移管するとともに、SCIDの非CP関連事業・一部資産をソニーグループに移管。その後、DBJが全額出資する持株会社がSCIDおよびCP関連事業に係るソニーの一部子会社の全株式を譲り受け、CP関連事業に関する特許ライセンスを取得する予定。


FPD/PCB NEWS〜6月28日


5月のTFT-LCD出荷金額は前年比1%増

 NPD DisplaySearchの発表によると、5月のTFT-LCDの出荷金額が前年同月比1%増、前月比3%増の73億4900万ドルになった。内訳は中小型パネルが8億6200万ドル、大型パネルが64億8700万ドル。

 メーカーシェアはLG Displayが20億4600万ドルを出荷してトップ。2位はSamsung Electronicsで17億300万ドル、3位はChimei Innoluxで11億6400万ドルとなっている。


FPD/PCB NEWS〜6月25日


ソニーとパナソニック テレビ用有機ELDの共同開発で合意

 ソニーとパナソニックは、テレビ/大型ディスプレイ用次世代有機ELディスプレイを共同開発することで合意した。

 共同開発するのは印刷をベースとする有機EL技術で、大型・高精細パネルを低コストで量産する技術を2013年内に開発する。また、両社は共同開発と並行して、量産フェーズでの協業可能性についても検討していく。


FPD/PCB NEWS〜6月21日


OKI 田中貴金属のPCB事業を買収

 OKIは、田中貴金属工業のPCB事業を買収すると発表した。田中貴金属が新たに設立する新会社「OKI田中サーキット(山形県鶴岡市)」にPCB事業を譲渡したうえで、OKIが新会社の株式の80%相当を10月1日付けで取得する予定。

 OKI田中サーキッは資本金3億5000万円で9月から事業をスタート。高密度多層PCBの開発、設計、製造、販売を行う。

 OKIは買収によりハイエンド製品向けPCB事業の国内シェアを拡大するとともに、PCBから最終製品組立までの一貫受託生産を拡大。EMS事業で2015年度に500億円の売り上げを目指す。


FPD/PCB NEWS〜6月20日


大日本印刷とDNPファインケミカル 高硬度と透明性を兼ね備えた機能性フィルム用コーティング原料を開発

 大日本印刷と100%子会社のDNPファインケミカルは、フィルムが丸まってしまう現象(カール)を防ぐとともに、高硬度と透明性を兼ね備えたコーティング原料「FCNSシリーズ」を開発した。DNPファインケミカルが10月からDNPの光学フィルム製造向けに加え、他社にも販売する。

 フィルムに塗布するハードコート剤の原料となるシリカ分散液で、径15〜30nmと微細なシリカ粒子を使用し、化学反応によってある物質と別の原子団などを結合させる“化学修飾”をシリカ粒子の表面に施した。これにより、基材フィルムのカールを抑制するとともに、高い全光線透過性と低いヘイズ性を実現した。また、鉛筆硬度4Hと高い硬度も確保した。


帝人デュポンフィルム 韓国に現地法人を設立

 帝人デュポンフィルムは、7月1日付けで韓国・ソウル市に現地法人「Teijin DuPont Films Korea」を設立する。

 資本金は9億9900万ウォンで、帝人デュポンフィルムが全額を出資。韓国におけるフィルム製品販売の総代理店として販売活動支援、新規市場開拓や情報収集などを行う。


FPD/PCB NEWS〜6月15日


東北大とベルギーIMEC 戦略的連携協定を締結

 東北大学とベルギーのIMEC(Interuniversitair Micro-Electronica Centrum)は、戦略的連携協定を締結した。IMECは半導体、マイクロ・ナノデバイス分野で豊富な実績を有する東北大学を戦略的連携大学に選定。5年前から構築してきた協力関係をより強化することにした。


FPD/PCB NEWS〜6月12日


凸版印刷とTNCSi 偽造防止効果の高いセキュアプリント配線板を開発

 凸版印刷とトッパンNECサーキットソリューションズ(TNCSi)は、偽造防止効果が高いセキュアプリント配線板を開発した。

 プリント配線板の本体に目視では認識できない不可視インキを印刷とレーザー刻印によって個別IDを刻印した。個別IDは専用の検証機器によって個体識別と真贋判定をするため、偽造が困難になる。

 今回の偽造防止加工は、従来行われていた梱包材にセキュリティシールを貼るなどの間接的な対策とは異なり、プリント配線板上に直接偽造防止加工を施すことからプリント配線板そのものの偽造・贋造を防ぐことができる。


CMI 5月の売上高は前月比9%増

 Chimei Innolux(CMI)は、5月の売上高が前年同月比2.1%減、前月比9.3%増の395億1700万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比9.6%増の1222万1000枚、中小型パネルが前月比4.9%増の3298万5000枚。


FPD/PCB NEWS〜6月11日


AUO 5月の売上高は前年比6.6%減

 AU Optronics(AUO)は、5月の売上高が前月比3.4%増、前年同月比6.6%減の314億200万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比1.9%増の1022万枚、中小型パネルが17.1%増の1278万枚。


FPD/PCB NEWS〜6月7日


Corning 超薄板フレキシブルガラスを開発

 米Corningは、極薄フレキシブルガラス「Corning Willow Glass」を開発したと発表した。

 厚さは100μmで、コピー用紙1枚程度に相当する。500℃という耐熱性があり、ディスプレイの製造プロセス温度にもコンパチブル性がある。また、Roll to Roll方式にも対応可能だという。


三菱化学 調光・調色型有機EL照明パネルを五洋建設のオフィスビルに納入


▲エントランスホール(白色常灯)

 三菱化学は、5月31日に竣工した五洋建設本社ビル別館の1階エントランスホールに調光・調色型有機EL照明パネル「VELVE」91枚を納入したと発表した。

 五洋建設は環境に配慮した次世代照明を導入するに当たって有機EL照明の面発光性を評価。有機EL照明の効果検証の場として多くの人々が行き交う「エントランスホール」を選び、天井面に140×140oのVELVEを横13×縦7列の計91枚設置した。

 通常時は白色で光るが、来客時は玄関の自動ドアと連動し白色常灯中の照明がいったん消灯。客を迎えたり、送ったりするような形で順々に点灯するなど調光・調色型の機能を活かした空間演出を展開する。


FPD/PCB NEWS〜6月6日


凸版印刷とシチズンTIC マルチカラーの大型電子ペーパーサイネージを開発

 凸版印刷とシチズン時計の子会社であるシチズンTICは、白黒に加え赤色とシアン(青緑色)が表示できるマルチカラー版大型電子ペーパーサイネージを開発した。タイル化した電子ペーパーディスプレイのマルチカラー化は世界で初めて。

 片側0.5mmに狭額縁化することによりタイリング化して72型サイズに大型化した。また、カラーフィルタを適用し、白黒表示に加え、赤色とシアンを静止画表示できるようにした。白反射率は30%、黒反射率は3%、コントラストは10:1。消費電力も13Wに抑制した。

  このため、防災用途にも適する。具体的には、毎日放送のホワイトスペース特区実験に協力し、阪急茶屋町ビルディング(大阪市)の屋外に面したショーウィンドウ内で放送波によるデータ通信によって情報を更新するサイネージとして提供中。放送波連携用の受信機との合計消費電力は40W以下と少ないため、一般的なデータ通信が途絶した停電時でも蓄電池で72時間以上、放送波を介して最新情報を受信して表示できる。凸版印刷は今後も超低消費電力特性を活かせる防災用途の大型電子ペーパーサイネージとして自治体や商業施設向けに提案していく。


FPD/PCB NEWS〜6月5日


ジャパンディスプレイ 世界最高解像度の2.3型ワイドXGA低温Poly-Si TFT-LCDを開発

 ジャパンディスプレイは、直視型では世界最高レベルの精細度651ppiを誇る低温Poly-Si TFT-LCDを開発した。2.3型サイズで一般的なノートPCと同等の1280×800画素(ワイドXGA)表示を実現した。

 その解像度はスマートフォン用高精細TFT-LCDの2倍に当たり、ドットによるジャギーのない活字印刷並みの滑らかな文字表示や、グラビア写真と同等の臨場感に優れた表示が可能となっている。


大日本印刷 フレキシブルガラスを用いたCF製造プロセスを開発

  大日本印刷は、フレキシブルなガラスを用いたLCD用カラーフィルター(CF)製造技術を開発した。Roll to Rollプロセスにより連続生産可能で、2014年度の量産開始を目指す。

  既存のガラス基板の1/10に当たる厚さ0.05〜0.07oのフレキシブルガラスを使用。Roll to Rollプロセスにより、生産効率が高いフレキシブルディスプレイの実現が期待できる。CFパターンはコンベンショナルなフォトリソグラフィで形成。製作したCFは直径3cm以下に曲げられる柔軟性を備える。


FPD/PCB NEWS〜6月4日


三菱化学とパイオニア 塗布成膜プロセスによる長寿命・高効率有機ELを開発

 三菱化学とパイオニアは、発光層を塗布プロセスで成膜した有機EL素子を開発したと発表した。これにともない、量産技術の確立に向けた検証設備を導入する。

 開発した有機EL素子(白色型、フルカラー調色型)は三菱化学の塗布型発光材料を用いたもので、白色型で輝度1000cd/m2における輝度70%寿命5.7万時間を確保。発光効率もフルカラー調色型で56lm/W(@2000cd/m2)という高効率化を実現した。

 これらの成果を踏まえ、両社は塗布成膜プロセスによるシングルユニット構造有機EL照明パネルの量産技術を確立するため、東北パイオニアの米沢事業所(山形県米沢市)に300×400oマザーガラス対応の検証設備を設置することにした。稼働は今夏の予定で、早期の量産技術確立を目指す。


FPD/PCB NEWS〜6月1日


シャープと半導体エネルギー研究所 結晶構造のIGZO酸化物半導体成膜技術を開発

 シャープと半導体エネルギー研究所は、結晶構造のIGZO酸化物半導体を共同開発した。コンベンショナルなアモルファスIGZOに比べ光照射時のVth変動が小さく、より安定動作が可能になるという。

 CAAC(C-Axis Aligned Crystal)と名づけた結晶構造を見い出した。既存のa-IGZO-TFTではゲートバイアスストレスに対する変動、とくに光照射時のバイアスストレスが問題になっているが、CAAC-IGZOでは光照射バイアスストレスによる影響を低く抑え、信頼性を改善することができる。