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FPD/PCB NEWS〜2月29日


産総研 微細な溝に閉じ込めた液晶が作り出す新たな配向構造を発見

 産業技術総合研究所(産総研)は、しわ状の微細な溝(マイクロリンクル)に液晶を閉じ込めると、これまでにない周期的な液晶配向構造が自律的に形成されることを発見した。

 マイクロリンクルの溝に液晶を閉じ込めると、溝の方向に周期的な液晶配向構造が形成される。この構造の形成には、液晶を閉じ込めた効果と液晶弾性異方性が重要であることを理論的に解明した。この液晶配向構造は内部にジグザグ状の線欠陥を含むが、線欠陥が折れ曲がる特異点にシリカ微粒子を捕捉することができる。液晶の自己組織化に基づいたシリカ微粒子など微小物体の簡便なパターニング、捕捉操作、光学素子などへの応用展開が期待される。


FPD/PCB NEWS〜2月23日


2011年の大型TFT-LCD出荷枚数は前年比6%増

 DisplaySearchは、2011年の大型TFT-LCD(9型以上)の出荷台数が前年比6%増の7億280万枚、出荷金額が12%減の755億ドルになったと発表した。

 アプリケーション別出荷枚数はテレビ用パネルが2億1020万枚、モニター用パネルが1億9690万枚、ノートPC用パネルが1億9240万枚、タブレットPC用パネルが5970万枚、パブリックディスプレイ用パネルが260万枚。


FPD/PCB NEWS〜2月21日


Samsung Electronics TFT-LCD事業を分社化

 Samsung Electronicsは、TFT-LCD事業を分社化すると発表した。4月1日付けで新会社「Samsung Display(仮称)」を設立する予定だ。


FPD/PCB NEWS〜2月17日


パナソニック 台湾の高機能携帯端末向け樹脂多層基板工場が完成

 パナソニックは、台湾桃園県に建設していた高機能端末向け樹脂多層基板(ALIVH)工場が完成したと発表した。

 新工場の月産能力は300万台(スマートフォン台数換算)で、新北市にある既存工場と合わせた月産能力は2010年比4倍の600万台となる。


JSR 台湾のLCD用材料研究開発センターが稼働

 JSRは、JSRマイクロ台湾(雲林県中部科学工業園区)の研究開発棟が完成し稼働を開始したと発表した。総投資額は約12億円。
 
  建屋は地上2階建て延床面積約3400m2。クリーンルーム内に製品評価装置を導入することにより、製品開発を現地で一貫して行う。


FPD/PCB NEWS〜2月15日


CMI 1月の売上高は前月比33.4%減

 Chimei Innolux(CMI)は、1月の売上高が前月比33.4%減の311億8500万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比37.9%減の807万6000枚、中小型パネルが24.3%減の2649万6000枚。


大阪大をはじめとするNEDOプロジェクト 塗布型有機TFT駆動LCDを試作


▲塗布型有機TFT駆動LCD

 NEDOのナノテク先端部材・部材実用化研究開発プロジェクトの一環として大阪大学の竹谷純一教授をリーダーとする研究グループは、塗布型有機TFTでLCDを駆動することに成功した。

 研究グループは2011年、溶液から有機半導体膜を形成する際に有機半導体分子が規則正しく配列した結晶構造を実現する成膜プロセス“塗布結晶化法”を開発。溶液から有機半導体分子を析出する際に配列しやすい有機半導体材料「アルキルDNTT」を用いることにより、10cm2/V・sというハイモビリティを実現。今回、2.3型30×23画素のLCDをドライブすることに成功した。

 今後、研究グループはパネルを高精細化するとともに有機ELディスプレイの駆動にもトライ。また、有機材料からパネル部材、装置、デバイスの開発を行う企業とのコンソーシアム「ハイエンド有機半導体研究開発・研修センター」を大阪大学内に組織し、有機エレクトロニクスデバイスの実用化研究を加速する予定。


FPD/PCB NEWS〜2月14日


ソニーセミコンダクタ ソニーモバイルディスプレイの有機ELD事業を継承

 ソニーセミコンダクタ(SCK)は、3月30日付でソニーモバイルディスプレイ(SMD)の有機ELディスプレイデバイス事業の一部を継承すると発表した。

 2011年11月に産業革新機構、東芝、日立製作所、ソニーが発表した中小型ディスプレイ事業統合の対象外である有機ELD事業の一部を承継する。つまり、ソニーグループで有機ELDの企画、開発、販売、生産までを一貫して行う。


三菱電機 超広視野角の産業用8.4型/10.4型/12.1型TFT-LCDを発売

 三菱電機は、上下左右170度という超広視野角を誇る産業用8.4型/10.4型/12.1型SVGA TFT-LCDを発売する。

 輝度は600cd/m2、コントラストは1000:1とハイスペックをマーク。色再現性もNTSC比72%を確保した。また、バックライトに白色LEDを用いることにより10万時間というロングライフを実現した。


HannStar 1月の売上高は前年比28.8%減

 HannStar Displayは、1月の売上高が前月比8.9%増、前年同月比28.8%減の27億3600万台湾ドルになったと発表した。出荷枚数は大型パネルが18万3000枚、中小型パネルが2604万6000枚。


日立化成 極細長尺CNTの大量合成プロセスと分散技術を開発

 日立化成工業は、カーボンナノチューブ(CNT)の大量合成プロセスを開発した。近くこのプロセスで合成した極細長尺CNTとCNT分散液をサンプル出荷する。


▲耐熱ビーズ上に成長した極細長尺CNT

 東京大学の野田優准教授と共同で流動層法を改良し、極細長尺CNTを連続合成するプロセスを確立した。具体的には、表面に金属触媒を付着させた耐熱ビーズ上にCNTを成長させた後、耐熱ビーズから分離・回収し、さらにこの工程を繰り返して連続的にCNTを生産する。耐熱ビーズ上の触媒を小さくすることにより、平均直径を10nm以下に制御。また、反応時間を自由に制御できるため、長さを数百μm以上に長尺化することができる。さらに、反応容積あたりの生産効率も高く、得られたCNTは触媒残渣や非晶質炭素をほとんど含まず高純度であるため精製処理工程が不要だという。

 一方、CNT分散技術については北海道大学の古月文志教授との共同研究により、CNTへのダメージを低減しつつ高い安定性を有する分散液を開発。この分散液を用いた透明導電フィルムも作製することに成功した。


FPD/PCB NEWS〜2月13日


CPT 1月の売上高は前年比40.8%減

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、1月の売上高が前月比12%減、前年同月比40.8%減の32億7400万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが38万4000枚、中小型パネルが3197万2000枚。


NICT 有機デバイスやナノ配線が簡単に作れるナノワイヤ作製キットを開発

 情報通信研究機構(NICTは、ナノスケールの単結晶であるナノワイヤを電極間に簡単に作製できるナノワイヤ作製キットを開発した。手のひらサイズの超コンパクト装置で基板上にナノワイヤを簡単に作製でき、ディスプレイ用TFTを開発・試作するのに適している。


▲ナノワイヤ作製キット

 NICTはこれまで原子や分子を自ら集合させる自己組織化により、溶液中でナノスケールの有機デバイスが作製できるナノ電解法を開発。今回、ナノ電解法を用いて実験室レベルでナノワイヤが作製できるナノワイヤ作製キットを開発したもの。

 キットはナノ電解セル、電極基板、電源から構成。ナノワイヤによる架橋を構築させたい電極基板をキットに接続し、ナノワイヤ原料溶液を入れたナノ電解セルに浸し、電源から交流または直流を通電させることにより、簡単かつ選択的に単結晶ナノワイヤが作製できる。このため、ナノワイヤの原料として導電性材料を用いるとナノ配線が、半導体材料を用いるとトランジスタなどのナノデバイスが作製できる。最小十数nmの微細ラインが形成可能なほか、分子が規則正しく配列するため、作製されたデバイスの特性向上も期待できる。


AUO 1月の売上高は前年比28.1%減

 AU Optronics(AUO)は、1月の売上高が前月比21.7%減、前年同月比28.1%減の217億600万台湾ドルになったと発表した。出荷枚数は大型パネルが731万枚、中小型パネルが1033万枚となった。


FPD/PCB NEWS〜2月10日


東レ 2層CNT透明導電フィルムの量産化技術を開発

 東レは、2層カーボンナノチューブ(2層CNT)を用いた透明導電フィルムの量産化技術を確立したと発表した。径1.5〜2nmの2層CNTをフィルム上に均一に塗布する技術を開発し、体積抵抗値4.4×10-4Ω・cmと世界最高レベルの導電性を達成した。

 フィルムに導電性を付与するには、CNTを液体中に分散させた後、フィルム表面に塗布するが、2層CNTのような細いCNTは溶液中でCNT同士が束になって凝集するという問題がある。そこで、2層のうち外層に極性を持たせる処理を施して互いに反発させ束をほぐすことにより、凝集のない均一な分散液が製造できるようになった。

 このCNT透明導電フィルムは、90%以上という高透過率と実用的な導電性を両立。折り曲げたり、引き伸ばしたりしても断線しない柔軟性があり、耐湿熱性や耐衝撃性にも優れる。さらに、コンベンショナルなITOフィルムが若干黄色がかった色目であるのに対し、無彩色であることからディスプレイの色再現性を阻害せず、とくに電子ペーパー向けに最適だという。まずは光透過率90%、表面抵抗値500Ω/□の標準グレードと、光透過率92%、表面抵抗値2500Ω/□の高透明グレードの2種類を製品化する。


FPD/PCB NEWS〜2月9日



▲配線パターンサンプル

日立化成 プリンテッドエレクトロニクスに適したCu膜形成技術を開発

 日立化成工業は、プリンテッドエレクトロニクスに適したCu膜形成技術を開発した。

 インクジェット印刷法やスクリーン印刷法に対応した技術で、180℃以下で低温焼成できる。体積抵抗率も3〜5μΩ・cmと従来のCuめっき膜と同等を実現。すでに印刷用インク・ペーストをサンプル出荷中で、数年内の実用化を目指している。


FPD/PCB NEWS〜2月6日


CorningとSamsung Mobile 有機ELD用ガラス基板製造会社を設立

 米CorningとSamsung Mobile Display(SMD)は、有機ELディスプレイ専用ガラス基板を製造する合弁会社を設立すると発表した。合弁会社はSMDをはじめ韓国市場で有機ELD用ガラス基板を供給する。


FPD/PCB NEWS〜2月3日


出光興産とAUO 有機EL事業で戦略提携

 出光興産とAU Optronics(AUO)は、有機ELディスプレイ事業で戦略的提携関係を構築することで基本合意した。

 出光はAUOに有機EL材料を提供するとともに、デバイス構成などを提案。出光が保有する有機EL関連特許のうちディスプレイ分野における取り扱いについても協議する。


FPD/PCB NEWS〜2月2日


京セラ オプトレックスの株式取得手続きを完了し会社名を変更


  京セラは、FPDメーカーのオプトレックスの株式を取得し完全子会社化したと発表した。

 これにともない、4月1日付けで会社名を「京セラディスプレイ梶vに変更。代表取締役社長兼社長執行役員には池田昭彦氏が就任した。


FPD/PCB NEWS〜2月1日


住友金属鉱山 タイでのリードフレーム生産、台湾でのサブトラクティブCOF生産から撤退


  住友金属鉱山はタイでのリードフレーム生産事業、並びに台湾でのサブトラクティブCOF(Chip On Film)生産事業から撤退すると発表した。

 タイでのリードフレーム事業は、昨年10月に発生した大規模洪水によりSumiko Leadframe(Thailand)が操業を停止。同年11月末に水没が解消した後、生産再開に向けて復旧を検討してきたが、冠水期間が1か月を超え、生産再開には長期日数を要するとともに、生産していたリードフレーム製品がグループ内の他の生産拠点で代替できる見通しが立ったため、同社の復旧・生産再開は行わずに生産を停止することにした。

 一方、台湾では子会社の台湾住鉱電子がCOFを生産しているが、サブトラクティブプロセスで生産されるCOFは高精細化ニーズに対応できなくなりつつある。このため、6月で生産を終了し撤退することにした。今後のCOF事業は、セミアディティブプロセスで生産する超高精細品に特化する方針。