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FPD/PCB NEWS〜11月30日


三菱電機 車内デザインと視認性・操作性を両立したディスプレイシステムを開発


▲タッチパネル付き湾曲TFT-LCD

 三菱電機は、車内デザインと視認性・操作性を両立した先進的な車を支援する新しいディスプレイシステムを開発した。12月3日から開催される「第42回東京モーターショー2011」に出展するコンセプトカー「EMIRAI」に搭載する。

 開発したのは、リアプロジェクション方式ディスプレイとタッチパネル付き湾曲TFT-LCD。前者は運転席のデザインと一体化したインストルメントパネルを実現。運転状況に応じて必要な情報を簡単に切り替えてインパネに表示する。他方、後者は同乗者が手元で簡単にカーオーディオなどを操作できる後部アームレストと一体化したコントロール画面を実現した。


FPD/PCB NEWS〜11月29日


京大 カニ殻からフレキシブルで熱膨張の小さい透明材料を製造することに成功

 京都大学の矢野浩之生存圏研究所生物機能材料分野教授、Md.Iftekhar Shams日本学術振興会外国人特別研究員らの研究グループは、カニ殻からフレキシブルで熱膨張の小さい透明材料を作製することに成功した。カニ殻のナノ構造を利用したもので、Roll to Roll対応プロセスで製造されるフレキシブルディスプレイや太陽電池の透明基板への応用が期待できる。


写真1


写真2

 研究グループは、カニ殻から酸で炭酸カルシウムを、アルカリでタンパク質を取り除き(写真1中央)、できた空隙に透明樹脂を染みこませると、カニ殻が透明になることを発見(写真1右)。これは、可視光波長(400〜800nm)より十分細い構造体(ここではキチンナノファイバー)は光散乱を生じないため、透明樹脂と複合してもその透明性を損なわないためである。

 この透明なカニの着想から、カニ殻粉末(写真2左)から同様の処理でタンパク質、炭酸カルシウムを取り除き、水中で撹拌した後、濾紙でろ過してカニ殻粉末のシートを作製した(写真2中央)。この時点ではシートはmm単位の粉末が分散した不均一な紙のようだが、透明樹脂を注入するとナノ構造体のカニ殻粉末は完全に見えなくなり、不均一なシートが透明になる(写真2右)。

 この透明シートは高弾性、低熱膨張のキチンナノファイバーを約20%含んでいるため、ガラスの30倍近くある透明樹脂の線熱膨張が3倍程度にまで減少。キチンナノファイバーの量を増やせばガラス相当にまで線熱膨張を下げることが可能で、温度が変化しても透明性が変化しないという。


大日本スクリーン製造 半導体後工程向けマスクレス直接描画露光装置をリリース


 大日本スクリーン製造は次世代半導体パッケージング技術に対応する直接描画露光装置「DW-3000」を開発、半導体後工程向け露光装置市場に参入すると発表した。

 DW-3000はレーザー制御技術とGLVデバイスにより高出力のレーザー光を超高精度でコントロール、高解像度パターンを自在に描画できる。また、ウェハーの反りやゆがみを画像技術で認識することにより、露光情報に補正を加えながらの修正露光も可能となっている。


FPD/PCB NEWS〜11月28日


東北大 耐熱性に優れる高屈折率透明ナノコンポジット薄膜を作製

 東北大学の今野幹男教授、長尾大輔准教授らの研究グループは、400℃の高温下でもほとんど熱分解しない高屈折率ナノコンポジット透明膜を作製することに成功した。耐熱性に優れるポリイミド(PI)中に高屈折率材料として知られるチタン酸バリウム(BT)をナノ粒子状態で均一に分散させることによりナノコンポジット透明薄膜を作製した。

 具体的には、屈折率の高い結晶性BTナノ粒子をPI中に分散する手法を開発。高屈折粒子として知られるチタニアナノ粒子には光触媒作用があるが、今回のBTナノ粒子には触媒作用がほとんどなく、ナノ粒子共存下での光照射によるポリマー劣化を懸念する必要がない。BTナノ粒子をPI中に均一分散するため、分散前のBTナノ粒子表面をPI骨格に類似の構造を有する有機分子で表面処理し、高濃度充填によるナノ粒子の凝集を抑制した。


JSR 北京と深センに営業拠点を設立

  JSRの中国現地法人であるJSR(上海)は、華北・華南地区におけるディスプレイ材料事業のカスタマー対応拠点として北京市と深セン市に分公司を開設した。

 両市は今年度から大型TFT-LCD製造ラインが稼働するなど大きな成長の見込める地域で、JSR(上海)とのネットワークを活用して顧客ニーズに即応したサービスを展開する。


FPD/PCB NEWS〜11月24日


10月のTFT-LCD出荷額は前年比横バイ

 DisplaySearchは、10月のTFT-LCD出荷金額が前月比2%減、前年同月比横バイの73億4700万ドルになったと発表した。

 メーカーシェアは、Samsung Electronicsが前月比9%増、前年同月比17%増の20億500万ドルでトップ。2位はLG Displayで19億9800万ドルを出荷。3位はChimei Innolux、4位はAU Optronicsとなっている。


FPD/PCB NEWS〜11月21日


三菱電機 デジタルサイネージ端末や船舶搭載機器用7型/10.6型TFT-LCDを発売


 三菱電機は、屋外で使用されるデジタルサイネージ端末や船舶搭載機器向けとして7型WVGA/10.6型WXGA TFT-LCDを発売する。

 どちらも輝度1000cd/m2、コントラスト1000:1と業界トップクラスのスペックをマーク。視野角も上下左右170度を確保した。さらに、動作温度範囲も−30〜80℃と広く、屋内外のさまざまな環境で使用可能。バックライトには白色LEDを採用し、10万時間というロングライフを実現した。サンプル価格は7型が7万円、10.6型が8万円で、12月からサンプル出荷する。



シャープ カタール国際会議場に業務用108V型TFT-LCDを大量納入

 シャープは、カタール国際会議場(Qatar National Convention Center)に世界最大の業務用108V型TFT-LCDを大量納入したと発表した。

 国際会議場内の全会議室(57室)に1台づつ設置され、会議室内でのプレゼンテーションやテレビ会議システムなどを中心に活用される予定。


FPD/PCB NEWS〜11月16日


第3四半期の大型TFT-LCD出荷枚数は前年比12%増

 DisplaySearchは、第3四半期の大型TFT-LCD出荷枚数が前年同期比12%増の1億8230万枚になったと発表した。出荷金額は第2四半期比2%減、前年同期比11%減の191億ドルだった。

 アプリケーション別では、モニター用パネルが4840万枚、ノートPC用パネルが5040万枚、ミニノートPC用パネルが660万枚、タブレット用パネルが2070万枚、テレビ用パネルが5280万枚。


FPD/PCB NEWS〜11月15日


ソニー、東芝、日立 中小型ディスプレイ事業統合で正式契約

 産業革新機構(INCJ)、ソニー、東芝、日立製作所は、中小型ディスプレイ事業の統合で正式契約を締結した。

 契約にもとづき、INCJ、ソニー、東芝、日立の4社が出資する新会社「ジャパンディスプレイ(予定)」に、中小型ディスプレイ事業を行っているソニー、東芝、日立それぞれの子会社(ソニーモバイルディスプレイ、東芝モバイルディスプレイ、日立ディスプレイズ)の全発行済株式が譲渡される。新会社にはINCJを割当先とする第三者割当増資により2000億円が投入され、出資比率はINCJが70%、ソニー、東芝、日立がそれぞれ10%となる。なお、事業開始は2012年春を予定している。


パナソニック 子会社の茂原工場を中小型ディスプレイ事業新会社に譲渡

 産業革新機構(INCJ)とパナソニックは、パナソニックの子会社である「パナソニック液晶ディスプレイ」の茂原工場をINCJが中心となって設立する中小型ディスプレイ事業新会社「ジャパンディスプレイ(予定)」に譲渡することで合意した。

 12月末をメドに正式契約を締結し、2012年4月中に譲渡を完了する予定。なお、ジャパンディスプレイは茂原工場に中小型ディスプレイの新ラインを設置することになっている。


キヤノン 日立ディスプレイズの株式を日立に譲渡

 キヤノンは、日立ディスプレイズの全株式を日立製作所に売却すると発表した。

 産業革新機構、日立製作所、東芝、ソニーが設立する中小型ディスプレイ合弁会社(ジャパンディスプレイ)の設立に関連し日立製作所から日立ディスプレイズの全株式(発行済株式の24.9%)を買い取りたいとの申し入れがあったため。


FPD/PCB NEWS〜11月14日


大日本印刷 三原工場に反射防止フィルムの高性能品向け製造ラインを増設


 大日本印刷は、三原工場(広島県三原市)敷地内に新棟を増築し反射防止フィルムの製造ラインを新設すると発表した。投資額は約50億円で、11月より稼働を開始する。

 新棟は地上2階建て延床面積約6600m2。より低反射で明るい映像の表示を可能とする高性能品や3Dディスプレイ用部材、タッチパネル用部材など高機能光学フィルムを中心に製造する。


FPD/PCB NEWS〜11月7日


Wintek 10月の売上高は前年比31.6%減

 台湾のパッシブマトリクスFPDメーカー、Wintekは10月の売上高が前月比23.3%減、前年同月比31.6%減の56億3993万台湾ドルになったと発表した。この結果、2011年10か月の売上高は前年同期比52.6%増の733億8405万台湾ドルとなった。


FPD/PCB NEWS〜11月2日


CPT 第3四半期の売上高は前年比24.4%減

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、第3四半期の売上高が前年同期比24.4%減の147億9300万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが第2四半期比28.3%減の342万9000枚、中小型パネルが22.8%増の1億3667万9000枚。タッチパネルの出荷枚数は1734万9000枚で、全体の12.4%を占めた。


FPD/PCB NEWS〜11月1日


大日本スクリーン 業界最高スループットのPCB用直描装置をリリース


 大日本スクリーン製造は、業界最高スループットのPCB用直接描画装置「Ledia 5」をリリースすると発表した。価格は1億4000万円で、初年度は100台の販売を見込んでいる。

 複数波長の光を照射できる高輝度紫外線LED方式を採用した露光ヘッドと新開発の自動搬送機構により、スループットを従来に比べ最大5割高めた。また、350〜420nmという広い波長域で露光できることから一括露光装置で使用されている汎用フォトレジストをそのまま使用できるため、既存の生産ラインへの置き換えも容易である。さらに、最小線幅は30μm、描画位置精度は10μm以下とファインラインにも対応可能となっている。