STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜8月31日


ソニー、東芝、日立製作所 中小型ディスプレイ事業を統合
産業革新機構の出資を受け新会社を設立

 ソニー、東芝、日立製作所は中小型ディスプレイ事業を統合し、産業革新機構(INCJ)の出資を受けて新会社「潟Wャパンディスプレイ」を設立すると発表した。今秋に正式契約を結び、2012年春に事業統合を完了する予定。

 新会社には3社の子会社であるソニーモバイルディスプレイ、東芝モバイルディスプレイ、日立ディスプレイズの全株式が譲渡され、INCJを割当先とする第三者割当増資により2000億円が投入される。株式の保有比率はINCJが70%、ソニー、東芝、日立がそれぞれ10%。新会社はスマートフォンやタブレット端末向けといった中小型TFT-LCDを量産するほか、有機ELディスプレイの研究開発も推進する。


パナソニック出光OLED照明 高演色性の有機EL照明パネルを出荷

 パナソニック電工と出光興産の合弁会社であるパナソニック出光OLED照明(PIOL)は、9月1日より国内外に世界最高水準の演色性を持つ有機EL照明パネルの出荷を開始する。また、パナソニック電工は12月より制御回路を内蔵した機器に組み込みやすい有機EL照明モジュールを発売する。

 PIOLが出荷する有機EL照明パネルは世界最高水準の演色性(Ra90以上)、世界最高水準の輝度(3000cd/m2)を実現。効率は30lm/W、寿命は1万時間(光束維持率70%)、色温度は3000K(電球色)で、厚さも約2mmに薄型化した。

 一方、有機EL照明モジュールはパナソニック電工が国内外の照明器具メーカーなどに発売する。厚さは約9mmで、最大枠幅約11mmと狭枠設計にした。もちろん、パネルの交換も容易となっている。


パナソニック 来年1月にパナソニック電工を吸収合併

 パナソニックは、2012年1月1日付けで100%子会社のパナソニック電工を吸収合併すると発表した。

 グループの重点事業である「まるごと事業」の強化を図るため、販売プラットフォームをパナソニックに一本化し、販売基盤・営業力を強化する。また、照明、電器、デバイス事業を統合することにより、一元的・効率的な経営管理を行う。


FPD/PCB NEWS〜8月30日


産総研、住友精化、東京理大 粘土とポリイミドを原料にした耐熱フィルムを共同開発

 産業技術総合研究所(産総研)、住友精化、東京理科大学は粘土とポリイミドを原料とする耐熱性フィルムを共同開発した。従来のプラスチックフィルムに比べ熱的寸法安定性、耐熱性、水蒸気バリア性が高く、プリンタブルエレクトロニクス用基板材料や太陽電池バックシートなどに応用できるとしている。


写真1 開発した耐熱フィルム(右はロール品)

 産総研は2004年に粘土膜「クレースト」を独自開発。以後、実用化を目指し住友精化と共同開発を進めてきた。今回、多種多様な粘土とプラスチックの組み合わせのなかから従来の粘土膜に比べ飛躍的に取り扱い性を高めた耐熱性フィルムを発掘。東京理大の山下准教授のポリイミド技術をミックスし、工業用シート材料として必須とされるロール品の連続生産のメドをつけた。

 今回の共同開発では、数多くの粘土とプラスチックを組み合わせて実験を繰り返した。その結果、特殊加工した非膨潤性粘土とポリイミドを最適比率で混合すると、脆さが改善された強い膜になるとともに、加熱処理前後で寸法がほとんど変化せず、さらに水蒸気バリア性も大幅に向上することがわかった。一般的に、粘土とプラスチックのナノコンポジット材料は厚さ約1nmの板状粘土結晶がばらばらな状態でプラスチックと混合しているのが理想とされ、粘土結晶とプラスチックの極性が近いことが求められる。今回用いた非膨潤性粘土は非極性の粘土であり、極性プラスチックであるポリイミドとの相性がいいとはいえないが、混合方法の改良によって粘土の優れた特性とポリイミドの取り扱い性の良さを合わせ持つ膜材料が得られた。 


写真2 印刷法による電子回路の描画例

 この膜材料はポリイミドを溶解させた溶剤に特殊加工した非膨潤粘土を分散させた原料ペーストを流延し、溶剤乾燥後、加熱処理を行うことにより製造する。これまでは均一な原料ペーストにするのに必要な溶剤量が多く、乾燥工程に時間がかかり連続製造が難しかったが、特殊加工した非膨潤粘土を用いることにより溶剤量を低減。さらに、350℃までの高温加熱装置での試作を繰り返し、厚みは30〜120μm、幅は500mmまでのロール品の製造方法・製造条件を確立した。 

 その耐熱性は450℃ときわめて高く、室温〜350℃の収縮率が0.04%と非常に小さい。このため、膜上に印刷法などで微細な電子回路を作製することができる(写真2)。また、線膨張係数も約10ppm/℃と低く、プラスチック材料としては最高レベルの難燃性、ポリイミド並みの電気絶縁性、ポリイミドよりも低い吸湿性といった特性を合わせ持つ。さらに、結晶シリコン太陽電池バックシートとして用いるのに十分なレベルの水蒸気バリア性を持つだけでなく、膜材料を作製する際に粘土結晶を膜表面に対し平行に配列させることにより水蒸気バリア性をさらに高めることができる。 

 今後、製品の大量生産体制を確立するとともに、住友精化がテストサンプルの提供を開始し、6か月以内の製品化を目指す。気になる用途はプリンタブルエレクトロニクス用基板材料、センサー用基板材料、蓄電池、パワーエレクトロニクス用材料などを見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜8月29日


アルバック 有機EL製造装置/大型真空装置用大型振り子バルブを製品化

 アルバックは、有機EL製造装置や大型真空装置向けの大型振り子真空バルブ「VFR-400/VFR-500」をリリースすると発表した。

 VFR-400は口径16インチ、VFR-500は口径20インチで、メカニカルロックを使用せず、独自のシール機構を採用し、振動の少ない開閉動作を実現。また、バルブケーシングを装置から外すことなく、弁体ユニットが容易に着脱できるなどメンテナンス性を高めた。価格はVFR-400が138万円、VFR-500が188万円で、国内外の大型装置ユーザーや真空装置メーカー向けに販売。両製品合わせ初年度は1000台の出荷を見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜8月25日


大日本印刷 塗布プロセス装置内部の“流れ”を解析する技術を開発
高速・高精度なシミュレーションにより装置・製品開発のリードタイムを短縮

 大日本印刷は、フィルムやガラスなどの基材上に液状材料を塗布する塗布プロセスにおいて液状材料が装置内部でどのような動きをするのかについて高速かつ高精度にシミュレーションできる技術を開発した。この技術を用いると、塗布装置や塗布装置を使用した製品の開発期間が半分以下に短縮できるという。

 液体材料の流動現象を予測するには、計算方法が複雑で算出までに時間を要する3次元数値解析手法である有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いるのが一般的である。しかし、その解析結果は精度が不十分なばかりか、塗布装置を使用した実験を繰り返し行うことで精度を高める必要があり、その都度塗布装置に取り付ける金型を製作するため、塗布装置や製品の開発コストが上昇し開発期間も長期化するという問題があった。

 そこで、同社は数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)理論を用いた独自の高速演算手法を開発するとともに、解析精度や安定性を高める先端解析手法を導入し、複雑な流動現象を高速かつ高精度に解析する手法を開発した。これにより、流動現象のシミュレーションにかかる計算時間を短縮するとともに、実験回数を減らせるため、装置や製品の開発期間を従来の半分以下に短縮可能となる。

 今後、同社は包装フィルム、光学フィルム、LCDカラーフィルターなど自社製品の薄膜形成プロセスにこの解析技術を導入する考えだ。


FPD/PCB NEWS〜8月24日


2012年のアクティブ有機ELD生産能力は2010年の3倍に

 DisplaySearchは、2012年にアクティブマトリクス駆動有機ELディスプレイの生産能力が2010年の約3倍に当たる260万m2になるとの予想を発表した。Samsung Mobile Displayが第5.5世代基板対応工場の生産能力を増強中で、2012年第1四半期までにマザーガラス投入能力は最大8万枚/月に達する見込みだという。


FPD/PCB NEWS〜8月22日


7月のTFT-LCD出荷金額は前年比13%減

 DisplaySearchは、7月のTFT-LCD出荷金額が前年同月比13%減の68億9600万ドルになったと発表した。

 メーカーシェアはLG Displayが前月比3%減、前年同月比3%減の17億9900万ドルでトップ。2位はSamsung Electronicsで14億4000万ドル、3位はChimei Innoluxで12億1000万ドル、4位はAU Optronicsで11億2800万ドルとなっている。


FPD/PCB NEWS〜8月18日


第2四半期の大型TFT-LCD出荷枚数は前年比6.2%増

 DisplaySearchは、第2四半期の大型TFT-LCD出荷枚数が第1四半期比10.9%増、前年同期比6.2%増の1億8080万枚になったと発表した。出荷金額は第1四半期比10.9%増、前年同期比15.7%減の193億ドル。

 用途別ではモニター用パネルが5100万枚、ノートPC用パネルが4890万枚、ミニノートPC用パネルが920万枚、タブレットPC用パネルが1560万枚、インフォメーションディスプレイ用パネルが70万枚となった。


FPD/PCB NEWS〜8月15日


CMI 第2四半期売上高は第1四半期比2.1%減

 Chi Mei innolux(CMI)は、第2四半期の売上高が第1四半期比2.1%減の1216億9600万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが第1四半期比9.9%増の3550万枚、中小型パネルが6.2%減の9510万枚。


FPD/PCB NEWS〜8月11日


保土谷化学 Samsung Mobile Displayと有機EL材料分野で業務提携
韓国に有機EL事業などの研究所を開設

 保土谷化学は、Samsung Mobile Display(SMD)と有機EL材料分野で業務提携すると発表した。

 提携内容は、まず両社で有機EL材料を共同開発する。また、Samsungグループのベンチャー投資会社「SVIC」が保土谷化学の連結会社「SFC」に出資し第2位株主となる。提携によりSMDは有機EL材料を安定調達できる一方、保土谷化学グループはSMDへの材料販売増加を通して有機EL材料事業を拡大する。

 さらに、上記に関連し、保土谷化学の韓国子会社「HODOGAYA CHEMICAL KOREA(HCK)」は韓国忠清北道清原郡梧倉(オチャン)に研究所を開設する。HCKは今年5月に設立された韓国現地法人で、常時、ユーザーと直接アクセスができるよう研究所を開設することにした。研究所は「HODOGAYA CHEMICAL KOREA Ochang Laboratory(仮称)」で、11月に稼働を開始する予定。


FPD/PCB NEWS〜8月10日


ソニー RGBW方式のデジカメ用3型低温Poly-Si TFT-LCDを製品化


 ソニーは、デジタルカメラ向けとしてW(白)サブピクセルを追加したRGBW方式の3型低温Poly-Si TFT-LCD“WhiteMagic”をリリースする。画素数は640×480で、10月からサンプル価格5000円でサンプル出荷する。

 RGBW画素方式により輝度を向上。バックライトの消費電力を約50%削減する低消費電力モードと、屋外視認性向上のため輝度を約2倍に上げる屋外モードを搭載した。前者では機器の長時間使用が可能になる一方、後者では日差しの強い環境下でもフォーカス合わせや撮影画像の確認が容易になる。一般的に、Wサブピクセルを加えると画質が劣化する傾向があるが、WhiteMagicは入力画像を解析し適切な信号処理(新アルゴリズム)を行うことにより画質を劣化させずに表示することができる。

 なお、WhiteMagicはスマートフォンなどのモバイル機器にも使用できる。


FPD/PCB NEWS〜8月9日


AUO 7月の売上高は前年比16%減

 AU Optronicsは、7月の売上高が前年同月比15.8%減、前月比4.7%増の327億3900万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比6.6%増の981万枚、中小型パネルが5.8%減の1558万枚。


FPD/PCB NEWS〜8月8日


パナソニック電工 FPC基板材料の生産能力を倍増


 パナソニック電工は、電子材料部門の南四日市事業所(三重県四日市市)にフレキシブル基板材料「FELIOS」の製造ラインを導入する。

 年産能力は100万m2で、10月に稼働を開始する。この結果、トータルの年産能力は200万m2と倍増する。


FPD/PCB NEWS〜8月2日


CPT 第2四半期の売上高は前年比3%減

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、第2四半期の売上高は前年度同期比32.4%減、第1四半期比6%減の159億2900万台湾ドルになったと発表した。

 TFT-LCDの売上高は151億1100万NTドルで、前年比2.8%減、第1四半期比30.4%減。出荷枚数は大型パネルが前年比9%減の478万3000枚、中小型パネルが13.4%増の1億1127万枚。また、タッチパネルの出荷枚数は1435万4000枚だった。