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FPD/PCB NEWS〜2月28日


三菱電機 超寿命の産業用8.4型SVGA/XGA TFT-LCDを発売

 三菱電機は、産業機器用TFT-LCD「DIAFINE」の新製品として明るい屋外や厳しい温度環境でも使用可能な8.4型SVGA/XGA TFT-LCDモジュールをリリースする。

 輝度は1000cd/m2以上と業界トップクラスで、屋外など明るい場所でも高い視認性を確保した。動作温度範囲も−30〜80℃と広く、白色LEDバックライトの採用により10万時間というロングライフを実現。もちろん、従来製品と外形寸法、取り付けネジ穴位置、信号入力コネクタの位置を統一し互換性を確保した。


NEC 中国の天馬微電子とTFT-LCD事業で資本提携

 NECおよびNEC液晶テクノロジーと天馬微電子股有限公司(中国広東省深セン)および親会社グループの中国航空技術国際控股有限公司(北京市)は、中小型TFT-LCD事業で資本提携することで合意した。

 NECは、100%子会社のNEC液晶テクノロジーの株式70%を7月をメドに中航国際グループ会社(天馬微電子に経営を委託)に譲渡する。NEC液晶テクノロジーは従来通り産業用中小型TFT-LCDを生産。多品種少量生産品は従来通り秋田工場で生産する一方、大量生産品や大型パネルは天馬微電子の生産ラインで生産する。また、天馬微電子と部材購入でも協業し、コスト競争力を強化する。


FPD/PCB NEWS〜2月25日


2010年第3四半期の携帯電話用ディスプレイ出荷金額は前年比13%増

 DisplaySearchは、2010年第3四半期の携帯電話用ディスプレイの出荷金額が第2四半期比13%増の33億8000万ドル、出荷枚数が6%増の4億1320万枚になったと発表した。平均価格は6%高の8.19ドル。

 第3四半期の傾向としてアクティブマトリクス駆動有機ELディスプレイの採用が進んでいることで、その比率は金額ベースで10%以上に達した。


FPD/PCB NEWS〜2月24日


古河電工 台湾子会社の電解銅箔製造能力を増強

 古河電工は、台湾の回路用電解銅箔子会社「台日古河銅箔(FCFT)」の製造能力を増強すると発表した。投資額は59億円。

 2012年7月から立ち上げ、2013年1月には現行能力(800t/月)の5割増となる1200t/月体制へ移行。アジア地区への回路用銅箔の供給体制を強化する。


FPD/PCB NEWS〜2月23日


1月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比10%減

 DisplaySearchの発表によると、1月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比10%減の65億ドルとなった。

 メーカーシェアは、LG Displayが前月比16%減、前年同月比13%減の15億3400万ドルでトップ。Samsung Electronicsが前年同月比10%減の15億2900万ドルで2位、AU Optronicsが前年同月比5%減の10億7000万ドルで3位、Chimei Innoluxが9億9900万ドルで4位と続く。


FPD/PCB NEWS〜2月22日


日本ゼオン 韓国にゼオンコリアを設立

 日本ゼオンは、韓国ソウル市において100%子会社「ゼオンコリア(ZEON KOREA)」を設立した。韓国における事業全体を統括する会社で、4月1日から営業を開始する。

 ZEON KOREAはまずディスプレイ用光学フィルム事業からスタート。その後、段階的にその他の製品にも事業展開する。

 なお、1997年に新和貿易と合弁で設立した「済新」は今後もゼオンコリアと連携し販売活動に取り組んでいく。


FPD/PCB NEWS〜2月21日


パナソニック電工 電子回路基板材料を値上げ

 パナソニック電工は、電子回路基板材料の価格を値上げすると発表した。3月1日出荷分より銅張積層板価格を10%、多層基板用プリプレグ(接着絶縁シート)価格を5%、内層回路入り多層基板材料(プレマルチ)価格を8%引き上げる。


FPD/PCB NEWS〜2月17日


産総研 ITO/微細Au透明電極を用いてエレクトロクロミック素子の特性を向上

 産業技術総合研究所(産総研)は、ITO上に微細メタル配線を印刷した透明電極とプルシアンブルー型錯体ナノ粒子インクを用いたエレクトロクロミック素子を開発した。応答速度を低下させずに透過率・反射率を高めるとともに、レアメタルであるInの使用量も削減した。


図1 素子構造と色変化の様子

 産総研は、07年にプルシアンブルーナノ粒子インクを用いた透過型エレクトロクロミック型調光ガラスを開発。この調光ガラス素子の色変化にはメモリー性があり、色を変える際にだけ電力を消費し、変化後は電力を消費せずにその色状態を維持する。さらに、2010年にはゲル状の電解質を使用することにより塗布法で電解質を成膜することに成功。この結果、印刷・塗布法で大半の工程が可能になるとともに、白色電解質ゲルを用いることにより反射型電子ペーパーも実用可能になった。

 ところで、エレクトロクロミック素子の透過率・反射率を向上するには透明電極の可視光透過率を高くしなけれならない。その一方、大面積素子で速い応答速度を得るには透明電極の電気抵抗を小さくする必要がある。透明電極として用いられるITOはメタルに比べ抵抗率が高いため、通常は厚膜化する。しかし、厚膜化によって可視光透過率が下がるため、電気抵抗と透過率はトレードオフの関係となっている。また、ITOはレアメタルであるInを含むため、コストや資源確保面でも懸念がある。


図2 素子の特性

 今回開発したエレクトロクロミック素子は、薄膜ITO膜上に微細メタル配線を印刷した透明電極を使用。メタル配線は産総研技術移転ベンチャーであるSIJテクノロジがAuナノ粒子インクをスーパーインクジェット法で印刷した。周知のように、スーパーインクジェット法は通常のインクジェット法に比べファインラインが印刷できる。今回印刷した配線は線幅20〜50μm、膜厚数百nm〜数μmである。ITO膜の膜厚は20nm程度で、シート抵抗値は約300Ω/□だが、線幅50μmのAu配線を1mmピッチで印刷することによりシート抵抗値を50Ω/□まで低減させた。一般的にITO膜のシート抵抗値を50Ω/□にするには膜厚を50nm程度にする必要があり、メタル配線を積層することでITOの使用量を半分以下に減らせたわけである。

 透明電極にITO/微細メタル配線、EC層1にニッケル置換プルシアンブルー型錯体(Ni[Fe(CN)6]x)ナノ粒子、EC層2にプルシアンブルー(Fe[Fe(CN)6]x)ナノ粒子を用いて素子を作製。電解質層には白色顔料を混合したゲル電解質を用いた。この結果、電極間に1.5V以下の電圧を印加すると図1のように黄色-白色と色変化が観察された。

 図2に可視光領域の反射スペクトルを示す。白色表示時の反射率は最大60%以上、波長500〜600nmの領域でも55%に達した。また、配線レス素子に比べ、色変化が終了するまでの応答速度も約1/8になった。さらに、1000回の動作後も大きな速度低下はみられなかった。


FPD/PCB NEWS〜2月16日


2010年の大型TFT-LCD出荷枚数は6億6500万枚

 DisplaySearchの発表によると、2010年の大型TFT-LCD出荷枚数は前年比26%増の6億6500万枚となった。

 アプリケーション別ではテレビ用パネルが36%増の2億2100万枚、モニター用パネルが12%増の1億9900万枚、ノートPC用パネルが26%増の1億7800万枚、ミニノートPC用パネルが64%増の5400万枚、パブリックディスプレイ用パネルが55%増の170万枚。メーカーシェアは、LG Displayがシェア25.9%でトップ。2位はSamsung Electronicsでシェア22.9%。以下、AU Optronics、Chimei Innolux、シャープと続く。


カネカ 今春から有機EL照明デバイスを発売

 カネカは、今春から有機EL照明デバイスを国内および欧州で発売すると発表した。

 色は白(温暖色)、赤、橙、青、緑の5色で、40×40mm、77×77mm、17×170mm、32×170mmサイズをラインアップ。レストラン、ホテルなどの店舗照明、高級住宅用のデザイン照明、有機EL照明機能を付加した家具や建材など高級品分野をターゲットに照明器具、建材、住宅設備メーカーなどへ販売する。


FPD/PCB NEWS〜2月15日


産総研 SWCNTが日産数百gオーダーで生産可能なことを実証

 産業技術総合研究所(産総研)は、日本ゼオンの協力を得てスーパーグロース法で高純度単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を600g/日で生産できる能力を実証したと発表した。

 スーパーグロース法にもとづく大量生産装置は金属シート上に触媒層をコーティング、これをCVD炉に送り込むことで基板上にSWCNTを連続的に成長させる。合成条件を最適化することにより、幅50cmの金属シート全面にSWCNTが均一かつ緻密に成長する。成長したSWCNTは、剥離装置により自動で根元から切断することで基板から分離・回収する。冒頭のように生産能力は600g/日以上と本格的な工業生産に目途をつけた。

 一般的にCVD法で作製される材料の形状は製造装置の規模や形状に依存するため、小規模の実験用設備と大規模な生産用設備で製造した試料の特性が一致するとは限らない。今回の大量生産装置で生産したSWCNTの形状は研究開発設備で生産した試料とほぼ同等だという。


FPD/PCB NEWS〜2月14日


日立ディスプレイズ スマートフォン用高輝度・高精細4.5型IPS-TFT-LCDを開発

  日立ディスプレイズは、スマートフォン向けとして高輝度・高精細の4.5型ワイドIPSモードTFT-LCDを開発した。

 720×1280画素のハイビジョン対応により人間の目で識別できる限界に近い解像度(329ppi)を実現する一方、パネルの高開口率化などにより高精細化・高色再現化に伴う輝度の低下を防いだ。輝度は500cd/m2、コントラストは1100:1、色再現性はNTSC比70%、視野角は上下左右160度(CR>10)となっている。


FPD/PCB NEWS〜2月10日


2011年の低温Poly-Si TFT-LCD&アクティブ有機ELDの設備投資額は240億ドルに

 DisplaySearchは、2011年の低温Poly-Si TFT-LCDとアクティブマトリクス駆動有機ELディスプレイの設備投資予測を発表した。Samsung Electronicsの「Galaxy S」や米Apple Computerの「iPhone 4」などスマートフォンが需要を後押しし、投資額は240億ドルに達するとしている。

 これに対し、FPDメーカーは早急に新ラインを立ち上げようとしているが間に合わず、2011年の供給はタイトになる見込み。また、今回の投資では低温Poly-Si TFT-LCDでは初めて第5.5世代ラインが立ち上がることになる。


FPD/PCB NEWS〜2月9日


三菱化学メディア 調色/調光型有機EL照明パネルを量産

 三菱化学メディアは、子会社の英Verbatimを通じて4月12〜17日にイタリアのミラノで開催される展示会「フオーリサローネ」に調色/調光型有機EL照明パネル「VELVE(ヴェルヴ)」を展示すると発表した。サイズは140×140oと世界最大で、両社から新ブランドとしてリリースする。

 VELVEはデバイス面内をパッシブマトリクスディスプレイのようにパターニングすることにより調色/調光(明度、彩度)機能を装備。季節や時間などに合わせた調節、例えば、一日の始まりには白く爽やかな明るい光、一日の終わりに近づくにつれ、落ち着いたリラックスできる暖かみのある光というように、時間や気分に合わせ光を簡単に演出できるます。また、ホール注入層をウェットコート法で成膜することにより大面積、低コスト化に対応できるようにした。 


FPD/PCB NEWS〜2月7日


2010年第4四半期のPDP出荷枚数は前年比9%増

 DisplaySearchの発表によると、2010年第4四半期のテレビ用PDP出荷台数が同年第3四半期比1%増、前年同期比9%増の520万枚となった。

 2010年暦年のメーカーシェア(数量ベース)はパナソニックがシェア40.7%とトップ。2位がSamsung SDIでシェア33.7%、3位がLG Electronicsでシェア23.3%となった。なお、新たに参入した中国Changhong-Orion PDP-Chaihongは2010年第4四半期から42型パネルの量産を開始した。


田中貴金属 フルヤ金属と資本業務提携し出資

 田中貴金属工業は、フルヤ金属と資本業務提携契約を締結したと発表した。これにともない、田中貴金属はフルヤ金属が実施する第三者割当増資70億000万円を引き受け19.49%の株式を取得する予定。

 業務提携では、田中貴金属がフルヤ金属に対し安定的にイリジウム地金を供給。これ以外の提携についても協議する。また、田中貴金属はフルヤ金属に1名の非常勤取締役を派遣する。


FPD/PCB NEWS〜2月3日


ソニー エプソンの中国TFT-LCD後工程メーカーを買収

  ソニーはセイコーエプソンから中国の中小型TFT-LCD事業を取得し、エプソンの100%子会社「Suzhou Epson(SZE)」の全持株をソニーの100%子会社であるSony(China)Limitedに移行させると発表した。買収額は7億7500万人民元で、2011年度上期中に譲渡を完了する予定。

 エプソンは2010年4月に100%子会社であるエプソンイメージングデバイスの生産関連資産の一部(前工程)をソニーグループに譲渡。今回の譲渡はこれに続くもので、後工程・タッチパネル工程を担うSZEをソニーグループに移管する。ソニーグループは、ソニーモバイルディスプレイ鳥取事業所などにおける前工程にSZEの後工程・タッチパネル工程を加えた一貫オペレーション体制を構築する。


FPD/PCB NEWS〜2月1日


産業革新機構 核磁気共鳴装置事業の新会社へ出資

 産業革新機構(INCJ)は、日本電子が核磁気共鳴装置(NMR)事業を会社分割方式により切り出して設立する新会社「JEOL RESONANCE(ジオル・レゾナンス)」に対して開発資金として15億円を出資すると発表した。

 NMRは物質の分子構造を原子レベルで解析する装置。INCJは投資を通じて新製品の開発など必要な資金を供給するとともに、社外取締役の派遣により経営上のサポートを行う。新会社は超伝導磁石メーカーや政府の研究開発プロジェクト参画企業の関連技術を結集。世界トップ3のNMR企業を目指す。