STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

FPD/PCB NEWS〜1月28日


三洋電機 LCD特許侵害でシャープを提訴

 三洋電機は、シャープが同社のTFT-LCD関連特許4件を侵害しているとして東京地方裁判所に侵害行為の差し止めと損害賠償の支払いを求める訴訟を提起した。

 対称特許はテレビ用TFT-LCDモジュールが特許第3,005,418号、第3,011,720号、第4,353,660号、携帯電話用モジュールが特許第3,011,720号、第3,723,336号。これらはLCDを広視野角化する技術と表示品質を向上させる技術。

 三洋電機は垂直配向(VA)方式の広視野角化技術を世界に先駆けて開発。上記4件の特許を含め関連特許を国内外の大手TFT-LCDメーカーにライセンスしている。


FPD/PCB NEWS〜1月27日


東レ 中国で光学用PETフィルムの生産能力を増強

 東レは、中国における光学用PETフィルムの生産能力を増強する。50%出資会社「儀化東レポリエステルフィルム有限公司(江蘇省儀征市、略称:YTP)に約55億円を投じて年産1万5000トンの光学用厚物フィルム製膜設備を増設する。稼働開始は2012年9月の予定。

 YTPは7月からFPDの拡散板、プリズムシート、マイクロレンズに使用される光学用厚物フィルムの生産を開始。当初の年産能力は6600トンで、今回の増設により生産能力を年産2万1600トンにまで引き上げる。


TCZ 台湾のFPDメーカーからレーザー結晶化装置を受注

 米Cymerの子会社「TCZ(シンガポール)」は、台湾のFPDメーカーからレーザー結晶化装置「TCZ-900B」を複数台受注した。730×920oマザーガラス対応の第4世代装置で、低温Poly-Si TFT-LCDや有機ELディスプレイ向けとして使用される予定。


FPD/PCB NEWS〜1月26日


シャープ 米国でAUOをLCD特許侵害で提訴

 シャープは、LCD関連特許を侵害しているとして米国国際貿易委員会(ITC)にAU Optronics Corporation(AUO)およびAUOの顧客である液晶テレビメーカー・液晶モニターメーカーを、デラウエア州地方裁判所にAUOを提訴した。

 シャープは、AUOが製造しているTFT-LCDパネル・モジュール、その顧客がAUOのTFT-LCDパネル・モジュールを使用して米国で販売している液晶テレビ・モニターがLCD関連特許を侵害していると主張。ITCでは製品の米国への輸入および米国内での販売差し止めを、デラウエア州地方裁判所ではAUOに損害賠償を求める。

 対象特許は@第6,879,364号:視野特性を改善するために液晶アライメントを制御する液晶表示装置、A第6,937,300号:微細スリットを有する画素電極を持った液晶デバイスの製造方法、B第7,057,689号:広視野角を実現するための位相差補償素子を有する液晶表示素子、C第7,283,192号:広視野角において視野特性を改善する液晶表示素子、D第7,304,626号:液晶のゲート電圧波形を工夫し表示品質を向上させる技術、E第7,532,183号:特にドライブ技術においてより良い画質を得るため応答速度を改善する液晶表示素子及びドライブ方法、F第7,838,881号:液晶表示装置などの表示装置に関して使用するアクティブマトリックス基板、の7件。


カイジョー 中国にワイヤーボンダーなどの販売会社を設立

 カイジョーは、中国上海市にワイヤーボンダー、産業用洗浄装置、関連装置の販売・保守サービス会社「上海楷捷半導体科技有限公司」を設立した。董事長には笹原秀憲氏が就任。1月5日から業務を開始した。


FPD/PCB NEWS〜1月25日



▲200型裸眼3D像の表示例

NICT 200型サイズの裸眼3D技術を開発

 情報通信研究機構(NICT)は、200型サイズの裸眼3D表示技術を開発した。特殊メガネレスでビューワーの動きに応じた自然な3D映像が表示可能で、今回世界最大の200型ディスプレイを試作することに成功した。

  従来の70型から200型へ大画面化するにともない3D像の画質が低下する原因を分析したところ、視差画像間に生じる縞状ノイズが大きく影響することがわかった。このノイズ量は、おもに視差画像間の輝度や色の違いに影響されることを解明。プロジェクタ内部に輝度分布や色バランスを精度よく調整する機能を搭載することにより、ノイズを低減した。


▲3D表示原理

 また、表示スクリーンに特殊な拡散フィルムと集光レンズを使用。表示スクリーンの光制御精度が3D像の解像度や運動視差の滑らかさに影響するため、最適な光制御を実現する拡散フィルムを評価・選定するとともに、集光レンズを設計した。この結果、50以上の多くの視差画像を高密度表示し、滑らかな運動視差を持つハイビジョン画質を3D表示できるようになった。今後、有効視差画像数を約200に増やすことにより3D像の観察領域の幅を拡大し、より多くのビューワーが観賞できるようにする考えだ。


FPD/PCB NEWS〜1月24日


Liquavista Samsung Electronicsの子会社に

 エレクトロウェッティングディスプレイメーカーの蘭Liquavistaは、Samsung Electronicsの完全子会社になったと発表した。前CEOのGuy Demuynck氏は退任し、新CEOには創業者のJohan Feenstra氏が就任した。


FPD/PCB NEWS〜1月21日


2010年12月のTFT-LCD出荷金額は前年比5%増

 DisplaySearchの発表によると、2010年12月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比5%増の73億ドルとなった。

 メーカー別シェアは、LG Displayが前月比4%減、前年同月比11%増の18億1900万ドルでトップ。以下、Samsung Electronicsが前月比5%減、前年同月比5%減の16億7300万ドル、Chimei Innoluxが前月比6%減の11億8500万ドル、AU Optronicsが前月比14%減、前年同月比2%減の10億7800万ドルと続く。


FPD/PCB NEWS〜1月20日


住友金属鉱山と東北大 新たな白色LED用蛍光体を開発

 
  住友金属鉱山と東北大学の垣花眞人教授は、近紫外光や青色光を照射すると青緑〜黄色に光る高輝度なシリケート蛍光体を開発することに成功した。

 開発したのは290〜420nmの近紫外光を照射すると青緑色(480nm)に発光するバリウム-ジルコニウム-シリコン酸化物蛍光体((Ba,Eu)ZrSi3O9)で、405nmの光を照射した際の内部量子効率は67%に達する。このため、近紫外LEDと組み合わせると高効率な白色LEDが実現する。

 研究グループは、青色を黄色に変換する高輝度蛍光体((Sr,Ba,Eu)2SiO4)の開発にも成功。従来の黄色蛍光体(YAG:Ce)に比べ約1.5倍の蛍光強度(励起波長:445nm、発光波長:563nm)を達成した。

 これらの研究に先立ち、垣花研究室は水溶性ケイ素化合物(WSS)を用いた製造プロセスを開発。従来の蛍光体は固体の原料粉末を機械的に混合し加熱焼成して製造していたが、新製法では液体原料を用いるため原子レベルで均一に混合させることができる。また、WSSを用いることにより、数多くの組成の材料合成を一度に行える“並列合成法”が可能となり、蛍光体組成の最適化や新たな蛍光体の探索を効率化できる。

 住友金属鉱山はこれらの蛍光体の耐湿性と光学特性を向上するため、蛍光体表面を緻密な膜で被覆する技術を開発中で、近い将来、白色LED用蛍光体として製品化する予定だ。


島津製作所 表面波プラズマCVD法による有機EL用ガスバリア膜成膜技術を開発

 島津製作所は、表面波プラズマCVD法による有機EL用ガスバリア膜成膜技術を開発したと発表した。

 表面波プラズマは、誘電体板表面を伝搬する電磁波である表面波を利用して生成する大面積の高密度プラズマ。無電極放電なため、基板をプラズマの高エネルギー部から十分に離したGap位置に置くことが可能で、プラズマダメージが少ないという利点がある。

 同社はまず膜の透明性を高めるため、SiNx膜を構成するSi原子とN原子の比率を調整し、光透過率を90%(膜厚2μm)に高めることに成功。さらに、長Gap位置に配置することにより100℃以下の低温成膜でも膜中に水素が入りにくい高密度膜を作製。Gap250mmの場合、膜中水素量は成膜温度350℃並みの16原子%程度まで低減でき、水蒸気透過率10-7g/m2/d台というハイバリア性が得られた。


FPD/PCB NEWS〜1月19日


大日本印刷 世界最薄0.28mm厚の部品内蔵PCBを開発


▲部品内臓PCBの断面写真

 大日本印刷はICチップ、コンデンサー、抵抗器などの受動部品を内蔵した世界で最も薄い0.28mm厚のPCBを開発した。近くサンプル出荷し、今秋から量産する予定。

 同社は2010年1月に0.38mm厚の部品内蔵PCBを開発。今回、基板の材料を工夫するとともに、内蔵部品の厚さを0.15mm以下に限定することにより厚さを0.28mmに薄型化した。また、独自のPCB製造技術であるB2itを用いることにより層間の接続位置を自由に配置できるため、基板内部と表面にある部品を最短で接続してICチップの動作を安定させるとともに、モジュールとしての信頼性を高めた。


FPD/PCB NEWS〜1月18日


JSR 台湾にLCD材料の開発棟を建設


▲完成イメージ

 JSRは台湾におけるLCD用材料の研究開発体制を強化するため、100%子会社のJSRマイクロ台湾(雲林県中部科学工業園区)が開発棟を新設すると発表した。総投資額は約12億円で、12月に完成する予定。

 開発棟は地上2階建て延床面積約3400m2。クリーンルームを備えるとともに、製品評価装置を揃えることにより製品開発を現地で一貫して行い、敷地内に隣接する製造部門にフィードバックする。


FPD/PCB NEWS〜1月13日


TI DLP Picoテクノロジーが携帯電話やiPadなど30以上の製品に採用

 米Texas Instrumentsは、ミニプロジェクタが容易に実現するDLP Picoテクノロジーが計30種以上の製品に採用されたと発表した。

 現在、米国で開催されている「CES 2011」ではAcer、Adayo、Aiptek、BenQ、Brightboxe、Cinepic、Cirago、CoStar、Dell、GE、HP、Hite、iGo、Megapower、LG Electronics、NTTドコモ、Optoma、Samsung Electronics、Viewsonic、WowWeeの計20社がDLP Picoテクノロジー搭載製品を展示。iPhone、iPod、iPadなどと接続するドック型製品はより小型化し、どこでも簡単に大画面が楽しめる一方、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話などは撮影した写真やビデオをその場ですぐに友達や家族と共有できる。


FPD/PCB NEWS〜1月12日


AUO 12月の売上高は前年比16.9%減

 AU Optronics(AUO)は2010年12月の売上高が前月比17%減、前年同月比16.9%減の306億2000万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCD出荷枚数は大型パネルが前月比5.8%減の916万枚、中小型パネルが5.4%減の1706万枚。この結果、2010年通年の売上高は前年比30%増の4671億7300万台湾ドルとなった。


東レ フリップチップ実装用の先貼り型高機能接着剤フィルムを本格販売

 東レはフリップチップ実装用の先貼り型高機能接着剤フィルムを開発、本格販売を開始する。回路基板や半導体ウェハー上にラミネートした後、半導体チップのフリップチップ実装を行う高機能接着剤フィルムで、従来工法に比べ実装面積が極小化できるとともに、電気的接続と接続補強用樹脂の充填が一度にできるため実装工程が簡略化できる。

 従来、フリップチップ実装で用いられるアンダーフィル工法では半導体チップを回路基板に電気的に接続した後、接続補強用液状接着剤(アンダーフィル)をノズルで充填し、熱硬化させることにより信頼性を確保する。しかし、先端半導体パッケージでは薄型化や高機能化の進展により接続バンプの低背化やバンプ数増加によるバンプ間距離の短縮が進み、液状接着剤充填工程の長時間化に加え、充填自体が困難になるといった課題が生じている。また、アンダーフィル工法では液状接着剤が半導体チップサイズよりも広い面積に広がるばかりか、形状も不安定なため、基板の小サイズ化対応に限界がある。

 今回、東レはナノレベルで相溶体の構造制御を行うことにより未硬化状態と硬化状態の双方で要求特性を満たす先貼り型高機能接着剤フィルムを開発。この先貼り型高機能接着剤フィルムは未硬化状態では半導体ウェハーとの一括ダイシングも可能な被切削性、実装工程における二百数十℃の高温下での非発泡や非分解といった耐熱性、バンプや回路基板などの微細な表面構造に完全に追従しボイド(空隙)を生じない流動性を有するとともに、硬化(実装)後は従来アンダーフィルと同等の高い接着信頼性、絶縁信頼性を達成した。


FPD/PCB NEWS〜1月11日


昭和電工 LCD向けの高純度ガス設備を新設

 昭和電工は、東長原事業所(福島県会津若松市)にLCD向けの高純度COF2(フッ化カルボニル)製造設備を建設する。年産能力は400トンで、7月に完成する予定。

 COF2はドライエッチング工程や真空チャンバのクリーニングに使用される次世代ガス。同社は独自技術による合成法や精製技術により製造コストを低減するとともに高純度化に成功、安定供給する体制を整える。


FPD/PCB NEWS〜1月7日


ソニー グラスレス3D有機ELテレビを開発

 ソニーは、グラスレス3D対応の有機ELテレビを開発したと発表した。画面サイズは24.5型で、米ラスベガスで開幕される家電見本市「Consumer Electronics Show(CES)」で公開する。


FPD/PCB NEWS〜1月6日


Corning Gorillaガラスをソニーの液晶テレビ「ブラビア」に供給

 米Corningは、Corning Gorillaガラスがソニーの液晶テレビ<ブラビアシリーズ>の一部モデルに採用されたと発表した。

 GorillaガラスはノートPC、テレビ、携帯電話などのディスプレイデバイス向けカバーガラスで、厚さは0.7mm。今回採用されるのはブラビアの40型以上のモデルで、薄型でありながら耐久性に優れるカバーガラスがブラビアのモノリシックデザインの進化に寄与するとしている。

 同社は液晶テレビ用カバーガラスを今後の成長分野と見込んでおり、PC、携帯デバイス用と合わせ数年間で計10億USドル以上の収益を生み出すと予想している。