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FPD/PCB NEWS〜12月28日


日立ディスプレイズ タブレット携帯端末用IPS TFT-LCDを量産

 日立ディスプレイズは、タブレット型携帯端末用IPSモードTFT-LCDの量産を開始した。

  6月に生産委託契約を結んだChimei Innolux(台湾)との連携強化により供給体制を確立。2011年度は1800万枚以上の出荷を予定している。


FPD/PCB NEWS〜12月27日


パナソニック電工 紙フェノール基板材料を値上げ

 パナソニック電工は、電子回路基板に使用される紙フェノール基板材料(紙基材フェノール樹脂銅張積層板)の価格を値上げする。銅箔をはじめとする原材料の価格が高騰しているためで、2011年1月16日出荷分から価格を10%引き上げる。


FPD/PCB NEWS〜12月24日


11月の大型TFT-LCD出荷枚数は6134万枚で過去最高を更新


▲大型TFT-LCD出荷枚数 出所:Displaybank
 (左は出荷枚数:100万枚、右は前月比での伸び率:%)

 Displaybankの発表によると、11月の大型TFT-LCD(9型以上)出荷枚数は前月比9.9%増の6134万枚となり、単月ベースで過去最高を更新した。

 用途別では、ノートPC用パネルは前月比9.5%増の2180万枚となり、単月ベースで過去最高を記録。モニター用パネルも前月比14.3%増の1829万枚となった。テレビ用パネルも前月比7.5%増の2042万枚と再び増加に転じ過去最高を更新した。

 国・地域別出荷枚数は韓国が前月から2.8ポイント減の51.1%となったものの、過半数を確保しトップをキープした。2位の台湾は前月比2.5ポイント増の37.6%。PC用パネルを中心に価格下落ピッチがやや緩やかとなり稼働率が向上したことにより出荷枚数を伸ばした。

 12月の大型パネル出荷枚数については、年末商戦/中国・春節向け需要が終了することから前月から小幅の減少になると予測している。


FPD/PCB NEWS〜12月21日


日立化成 2層型異方導電フィルムの基本特許網を構築

 日立化成工業は、種類の異なる被着体に形成された回路を接続するのに最適な2層型異方導電フィルム(製品名アニソルム)の基本特許網を構築したと発表した。

 同社は異方導電フィルムを2層化し、それぞれの層の物性を樹脂組成や配合を最適化することにより、異なる被着体の接続部での接続抵抗の増大や接着層の剥離を抑制。接続信頼性を大幅に向上させる技術を開発した。この技術に関連する特許を97年に国内で出願してたが、今年10月に3件の特許が特許庁に認められた。また、中国、韓国、米国、欧州、シンガポールでも特許を取得しており、ワールドワイドで特許網を構築することに成功したとしている。


昭和電工 チオール系UV硬化促進材料を量産

 昭和電工は川崎事業所に塗料や接着剤などに使用されるUV硬化性樹脂やエポキシ樹脂の硬化促進材料「カレンズMTR PE1」の製造設備を建設、2011年半ばから本格供給を開始すると発表した。

 UV硬化性樹脂に多官能チオール「カレンズMTR PE1」を使用すると、紫外線照射量や重合開始剤使用量の低減により硬化物の着色を抑制することができる。例えば、エポキシ樹脂では従来のアミン系硬化剤だけを使用した場合に比べ低温で硬化し、硬化速度を高速化することが可能だという。


FPD/PCB NEWS〜12月20日


AUO 中国での7.5世代TFT-LCD工場建設計画が承認

 AU Optronics(AUO)は、台湾経済部(MOEA)の投資審議委員会が中国における第7.5世代TFT-LCD工場建設計画を承認したと発表した。今後、設備投資に向け各種情報をMOEAに提出する予定。


チッソ オキソ誘導品の価格を値上げ

 チッソは、2011年1月出荷分からオキソ誘導品を値上げすると発表した。原材料であるナフサが高騰しているためで、オクタノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、酢酸ブチル、酢酸イソブチルの価格をkg当たり24〜30円以上値上げする。


FPD/PCB NEWS〜12月15日


オプトレックス 広視野角&ハイコントラストのSTN-LCDをリリース

 オプトレックスは従来比10倍以上のコントラスト500:1以上を実現したSTN-LCD「ODV」を開発、年内に量産すると発表した。

 ODVはそのハイコントラストから屋外における直射日光下での視認性を向上するとともに、夜間における黒の視認性を大幅に改善。視野角も上下左右170度を実現した。車載機器向けとして広島、中国、タイ、チェコの4拠点で量産する。


FPD/PCB NEWS〜12月14日


パナソニック電工 郡山事業所に多層基板材料の評価・解析ラボを開設

 パナソニック電工は、電子材料部門の郡山事業所(福島県郡山市)に多層基板材料の評価・解析を行う「MEGTRON LAB」を開設した。

 ユーザーであるエレクトロニクス機器メーカー、半導体メーカー、電子回路基板メーカーの製品開発をサポートする狙いで、ニーズに合わせた新しい多層基板材料を創出する。MEGTRON LABには五つの評価ゾーンを設置。多層基板材料における機械加工性、耐熱性、計測分析、信頼性、電気計測の評価・解析が可能となっている。


FPD/PCB NEWS〜12月13日

シチズンセイミツ 汎用8桁表示対応のマイコン搭載電子ペーパーディスプレイを開発

 シチズンセイミツは、E Inkのマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイを採用した汎用8桁表示対応マイコン搭載電子ペーパーディスプレイ一体型モジュール「EM-0120」を開発した。スマートカードや小型携帯機器などへの搭載を目的にセイコーエプソンと共同開発したもので、2011年春から量産する。

 対角サイズは1型で、7セグメントの8桁表示ができる。セイコーエプソンの電子ペーパー用ドライバ内蔵16ビットマイクロコントローラー「S1C17F57」を搭載したCOF(Chip On Film)モジュールを一体化した。


産総研 可視光で色が変化し耐久性にも優れる無機フォトクロミック材料を開発
青色光を当てるとピンク色に、緑色光を当てると無色と可逆的に変化

 産業技術総合研究所(産総研)は、青色光と緑色光を交互に照射すると可逆的なフォトクロミズム現象を示す複合金属酸化物材料を開発した。10回以上光照射を繰り返しても色はほとんど変化せず耐久性に優れることから、超高密度光メモリー、書き換え可能なコピー紙、ディスプレイなどへの応用が期待できる。


図1 (a)照射前の反射スペクトル、(b)青色光(405nm)照射後の反射スペクトル、
(c)紫外光(365nm)照射後の反射スペクトル、(d)BaMgSiO4のフォトクロミズム特性


図2 紫外光照射によるフォトクロミズムに対する金属元素添加効果


 研究に当たって、蛍光物質である複合金属酸化物を中心に材料を探索。その結果、還元雰囲気で調製したBaMgSiO4が可視光応答性のフォトクロミック特性を持つことがわかった。周知のようにBaMgSiO4はトリジマイト構造に属し、SiO4四面体が角でつながり3次元のトンネルを形成している。そのSi4+イオンの半分はMg2+イオンに置き換わっており、トンネルの中にBa2+イオンが埋め込まれた構造をしている。今回作製したサンプルの結晶構造をX線回折で調べた結果、すべての回折ピークがトリジマイト構造の回折ピークパターンと一致し、還元雰囲気での調製によってトリジマイト構造が変化していないことがわかった。

 図1にAr雰囲気で調製したBaMgSiO4(BMS)と水素を5%含んだAr雰囲気(還元雰囲気)で調製したBaMgSiO4(BMS-H)の反射スペクトルとフォトクロミズム特性を示す。光照射前は、どちらの試料も可視光領域における反射率の減少はない(図1-a)。しかし、波長405nmの青色光を照射すると、BMS-Hでは523nmの光反射率が減少し、薄いピンクに色づく(図1-b)。また、青色光照射後のBMS-Hに波長532nmの緑色光を照射すると無色に戻り、可逆的なフォトクロミック現象が確認された。さらに、紫外光(波長365nm)を照射した場合、BMSでは523nm付近にわずかな反射率の減少がみられるだけだが、BMS-Hでは523nmを中心とした幅広い可視光領域での反射率が減少した(図1-c)。このときのBMS-Hの色は鮮やかなピンクで、紫外光照射後に緑色光を照射すると無色に戻った。また、興味深いことに青色光を照射し続けても反射スペクトルは変化せず、しかも紫外光照射後に青色光を照射すると鮮やかなピンクから薄いピンクに色が変化した。すなわち、照射する光によって色の濃さが変化する現象が確認できた。

 図2に、BaMgSiO4のフォトクロミック特性を向上させるためさまざまな金属元素を添加した効果を示す。この結果、FeやEuを添加すると523nmの光反射率が著しく減少した。また、10回以上光照射を繰り返しても色はほとんど変化せず、耐久性も高いことがわかった。

 BaMgSiO4の可視光応答フォトクロミズムのメカニズムは還元雰囲気の調製によって現象が観察されることから、材料中の酸素欠陥が関与していると考えられる。すなわち、光照射によって励起された電子が酸素欠陥にトラップされることによって523nmの光を吸収し、BaMgSiO4がピンク色に見えるようになる。逆に緑色光を照射すると、欠陥につかまっていた電子が励起されて元に戻るために脱色すると考えられる。波長によって色の濃度が変化するのは、励起される電子の遷移確率が励起波長に依存するためと推測される。


CPT 11月の売上高は前年同月比0.9%減

 Chunghwa Picture Tubes(CPT)は、11月の売上高が前月比2.6%増、前年同月比0.9%減の57億5000万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCD事業の売上高は前月比4.7%増の52億3100万台湾ドルで、出荷枚数は大型パネルが184万3000枚、中小型パネルが3812万枚。


FPD/PCB NEWS〜12月10日


HannStar 11月の売上高は前年同月比21%減

 HannStar Displayは、11月の売上高が前月比4.5%増、前年同月比21%減の34億7800万台湾ドルになったと発表した。出荷枚数は大型TFT-LCDが前月比18%増の44万6000枚、中小型パネルが9.6%減の2583万1000枚。


TI DLP Cinemaテクノロジー対応スクリーン数が2万8000を突破

 米Texas Instrumentsは、アジアを中心に映画館でDLP Cinemaテクノロジーの普及が本格化し、対応スクリーン数が2万8036に達したと発表した。このうち3D対応スクリーン数は1万8637で、日本にある約500のDLP Cinema対応スクリーン数はほぼすべてが3D対応となっている。


FPD/PCB NEWS〜12月9日


AUO 11月の売上高は前年同月比4%減

 AU Optronics(AUO)は、11月の売上高が前月比5%増、前年同月比4%減の368億7000万台湾ドルになったと発表した。大型TFT-LCDの出荷枚数は前月比6.3%増の972万枚、中小型パネルは1.5%増の1804万枚。


秋田県産業技術総合研究センターと九州大学 ガラスの研磨効率を向上できるCe使用量低減研磨技術を開発

 秋田県産業技術総合研究センター、九州大学の研究グループは、NEDOの「希少金属代替材料開発プロジェクト」の一環としてガラス基板の研磨材などに使われるセリウム(Ce)の使用量を低減する研磨技術を開発した。

 秋田県産業技術総合研究センターは電界スラリー制御研磨システムを開発。交流の高電圧を付与しながら研磨する方法で、従来に比べ約2倍の研磨レート(単位時間当たりの研磨量)を実現した。

 一方、九州大学が開発した高圧環境下研磨技術は研磨する環境の圧力やガス成分を制御して研磨する方法で、研磨レートを従来比2倍にアップ。双方を併用することによりCeの使用量が大幅に低減できるという。

 今後、電界スラリー制御研磨システムはTFT-LCD用大型ガラス基板への適用を目指し、2011年度から研磨メーカーサイドにおける評価へ進み開発を加速。高圧環境下研磨技術は実用装置の開発を進める。


FPD/PCB NEWS〜12月8日


Samsung Electronics 水原に新たな研究所を建設

  Samsung Electronicsは、韓国・水原(Suwon)で新研究所「R5」の建設に着工した。散在している研究機関をR5に集約し、開発を効率化する。

 R5は地下5階地上25階建て延面積29万8943m2で、約1万人が従事する。2013年5月に完成する予定。


FPD/PCB NEWS〜12月7日


大型TFT-LCD価格が上昇基調に

 アイサプライ・ジャパンは、大型TFT-LCDの価格がホリデーシーズン需要を見越し上昇傾向にあると発表した。11月の価格は前月に比べ0.9%上昇した。パネル価格が上昇に転じたのは2010年第1四半期末以来。


FPD/PCB NEWS〜12月6日


産総研 光で溶ける有機材料を開発

 産業技術総合研究所(産総研)は、光を照射すると固体から液体へ融解(相転移)し、さらに元の固体状態に戻すこともできる有機材料を開発した。通常は加熱によってだけ起きる固体から液体への状態変化が光異性化反応で起きることを示したのは世界で初めて。


写真1 有機化合物1(上段)と2(下段)の25℃における
偏光顕 微鏡写真(膜厚は5μm)。紫外光でシス体構造
に変化し液体 になる(黒く観察された部分)。また、熱で
トランス体構造に変化し 固体へ戻る。


図1 開発した2種類の有機化合物の構造式(上)と、それを
用いた 相転移の模式図(下)。紫外光や熱によって固体状態
(左)と液体状態(右)の 間を相転移する。

 再利用可能な可逆的反応性をもつ光応答性材料として光異性化反応を起こすアゾベンゼンに着目した。アゾベンゼンは紫外光を照射するとトランス体からシス体へ構造が変化し、逆にシス体は可視光を照射するか加熱するとトランス体へ戻る。この現象は一般的に溶液中でだけ起き、結晶中ではほとんど起きない。これは、分子が結晶中では周囲の分子にブロックされて自由に動けず構造変化が阻害されるためである。近年、結晶中での光異性化反応が起こる稀な例として光によって形が変わる結晶が報告されているが、固体から液体に可逆的に変化する現象は報告されておらず、そうした現象が原理的に可能かどうかさえ明らかでなかった。

 そこで、まず固体と液体の中間ともいえる液晶状態から液体状態への光による相転移を研究するため、図1に示す2種類の新規有機化合物を合成した。これらの有機化合物は、アゾベンゼンを環状に連結して適度に柔らかい側鎖を付けた構造の化合物で、分子内の複数のアゾベンゼン部位の光異性化にともなって分子全体の形状が大きく変化する。これらの化合物では、液晶状態から液体状態への光による相転移のほか、結晶状態から液体状態への相転移も確認できた。写真1はその偏光顕微鏡写真で、熱でこれらの物質を融解させるには100℃以上の温度が必要だが、室温状態で光を照射した部分だけが融解していることがわかる(融解した部分は結晶特有の複屈折が消失して等方的になるため、偏光顕微鏡写真では黒い暗視野として観察される)。

 また、光反応効率の高い微結晶粉末を薄膜化することにより結晶の融解の光学顕微鏡観測にも成功。この状態変化は、照射する光と温度の条件を制御することにより何度も繰り返して起こすことができる。これらの結果から、適切な分子設計によって結晶中での光異性化反応が可能になり、その反応によって結晶中の分子配列の秩序性が乱され、融解、すなわち液体状態への相転移が起きることが明らかになった。

 今後、産総研は大量合成法を開発するとともに、光で融解する現象を活用した繰り返し使用可能なフォトリソグラフィ材料や光を当てることで容易にはがれる接着技術などへの応用も検討していく。


FPD/PCB NEWS〜12月3日


富士通研究所 平面状の物質なら何にでも電源トランジスタを作製する技術を開発


▲銅基板上に電源トランジスタを作製した様子

▲試作デバイスの断面構造

 富士通研究所はCu、ガラス、プラスチックなど平面状の物質なら何にでも電源トランジスタが作製できる技術を開発した。ZnO系材料を用いて高耐圧の電源トランジスタを作製、トランジスタのチャネル部分をポリマー被膜で保護することにより高耐圧での動作を確認した。

 ZnOを高耐圧の電源トランジスタとして作製するには高耐圧を実現するうえで必要となるチャネル材料の低濃度化が難しく、さらに電界集中の原因となる材料表面に存在する電荷トラップ抑制という問題がある。今回はIGZOを用い、電源トランジスタのチャネル部分をポリマー被膜で保護することによって電源用の100V電圧でのトランジスタ動作に成功した。また、高耐圧トランジスタをパッケージ材料であるCu基板上に直接作製できるため、放熱性の確保も容易となる。同社では2015年頃にIT機器への搭載を目指している。


FPD/PCB NEWS〜12月2日


東芝 駆動信頼性の高いIGZO-TFTを開発

 東芝は、バイアス温度ストレス(BTS:Bias Temperature Stress)に対する信頼性が世界最高レベルのアモルファスIGZO-TFTを開発することに成功した。実際にゲートドライバ回路を内蔵した3型有機ELディスプレイを試作、駆動することを確認した。

 IGZO-TFTの駆動信頼性と膜中の水素の動きに相関関係があることに着目し、IGZO半導体の成膜条件とアニール温度を最適化するとともに、絶縁膜中の水素濃度を制御してガラス基板上にプロセス温度320℃でIGZO-TFTを形成した。作製したTFTの駆動信頼性を評価したところ、BTS試験(ゲート電圧±20V、70℃、2000秒)前後でのしきい値電圧変動量を50mV未満に抑制。キャリアモビリティも13.5cm2/V・sが得られた。今後、プラスチックフィルム基板を用いた軽量・薄型のシートディスプレイの実用化を目指す。


FPD/PCB NEWS〜12月1日


ソニー TFT-LCDの応答速度を高速化する液晶配向技術を開発


▲配向メカニズム

 ソニーは、TFT-LCDの高速応答化を可能にする新しい液晶配向技術“Hybrid FPA(Field-induced photo-reactive alignment)”を開発した。

 Hybrid FPAはVA液晶モードを発展させた高速液晶応答配向技術“FPA”をさらに進化させたもので、片側の基板の配向膜のみにプレチルトを保持させることにより液晶応答速度を向上。なかでも従来難しかった電圧オフ時の液晶応答速度の向上と高コントラストを実現した。今回試作したパネルでは3ms以下の高速応答をマーク。ソニーは早期実用化に向けJSRと配向膜材料の共同開発を推進していく。


NEC 性能ユニフォミティの高いCNTトランジスタを開発


▲プラスチック基板に印刷したCNTトランジスタ

 NECは、インクジェット印刷(IJ)法で作製したカーボンナノチューブ(CNT)トランジスタの特性バラつきを抑制することに成功した。

 半導体性CNTのみを効率的に精製して純度を95%に高めるとともに、CNTを高濃度化したインクを使用。IJ法によって線幅を70μmに微細化した。この結果、キャリアモビリティを5.1cm2/V・sと従来比約10倍に向上させるとともに、ON/OFF電流レシオを約10000:1に高めた。

 さらに、CNTインク塗布後の添加剤除去工程で従来の純水洗浄をIPA(イソプロピルアルコール)蒸気洗浄に変更。この結果、基板からのCNT脱落を抑制して密着性を向上。CNTを素子上に残しながら添加剤を効果的に除去することによりトランジスタ性能のバラつきを従来の34%から13%に高めた。


大日本スクリーン 大型FPD用の新塗布システムを開発

 大日本スクリーン製造は独自の浮上搬送技術を用いた新方式の塗布システム「レビコータ」を開発、FPD用塗布現像装置「SKシリーズ」に搭載すると発表した。

 レビコータは既存のスリット方式塗布システム「リニアコータ」をベースにさらなる大型マザーガラスに対応できるように進化させたもので、ガラス基板を空気で浮上させ移動させながら固定ノズルで塗布液を塗布する浮上搬送技術を採用。リニアコータに比べ生産性を約20%高めるとともに、塗布液を最大20%削減した。また、ステージへのガラス基板の吸着固定が不要なため、基板裏面へのパーティクルの付着を防止できるほか、剥離帯電による静電気の発生も抑制できる。さらに、ステージの分割輸送が可能なため、第10世代(2850×3050mm)以降の装置における輸送の課題も解決できるという。