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FPD/PCB NEWS〜11月30日


島津製作所 有機ELD用透明バリア膜成膜技術を開発

 島津製作所は、有機ELディスプレイの薄膜封止用として高いガスバリア性と透明性を兼ね備えた窒化膜薄膜を100℃以下のプロセス温度で形成する技術を開発した。

 従来の容量結合型プラズマCVD法に代わり、高電子密度、低電子温度である表面波プラズマを用いた表面波プラズマCVD法を使用。無機化合物のみで薄膜封止を実現した。その水蒸気透過率は10-6g/m2/day以下、可視光透過率は90%以上で、透明性有機EL素子や耐熱性の低いプラスチック基板などへの応用が期待できる。


FPD/PCB NEWS〜11月29日


日立電線 LCD用COF事業から撤退

 日立電線は、TAB(Tape Automated Bonding)事業のうちLCD用COF(Chip On Film)の開発・製造・販売から撤退する。開発・製造会社である日立電線フィルムデバイスは存続させ、グループ全体で活用する方向だ。

 今夏以降のTFT-LCDパネルの在庫調整によりCOFの需要が急激に落ち込んでいるほか、価格下落も進んでいるため、採算が確保できないと判断。2011年3月末で生産を終了する。ちなみに、LCD用COFの売上高は09年度で88億円だった。


FPD/PCB NEWS〜11月24日


大日本スクリーン PCB直描装置の新世代モデルをリリース


 大日本スクリーン製造はPCB用直描装置「Mercurex」の新世代モデルとしてハイスループットタイプの「LI-9200」とハイレゾリューションタイプの「LI-9700」を開発、2011年1月から発売すると発表した。

 より幅広い波長特性を持ち、さまざまなフォトレジストに最適な露光を可能にする多灯式光源システムを採用。スループットを最大23%に高めた。また、新たなアルゴリズムによりアライメント精度を高めた。2機種合わせ年間100台の出荷を見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜11月25日


三菱電機 産業機器用9型QHD TFT-LCDを発売


 三菱電機は、水平方向と垂直方向の画素数がフルHDの1/2に当たるQHD(960×540)解像度の9型TFT-LCD「AA090AA01」をリリースする。フルHD映像を扱う放送局用モニターなどに最適で、サンプル価格8万円でサンプル出荷する。

 バックライトには10万時間という長寿命の白色LEDを使用。応答速度は8m秒以下で、残像感の少ないくっきりとした動画表示ができる。


昭和電工とエア・ウォーター エレクトロニクス分野向け特殊材料ガス製造合弁会社を設立

 昭和電工とエア・ウォーターは、エレクトロニクス分野向け特殊材料ガスを製造する合弁会社「昭和電工エア・ウォーター梶vを設立する。

 合弁会社は東京都港区に本社をおき、12月に設立される予定。資本金は1億円で、昭和電工が51%、エア・ウォーターが49%を出資する。昭和電工とエア・ウォーターは合弁会社が生産した特殊材料ガスを引き取り、それぞれの流通経路を活用して個別に販売する。

 また、新会社はCIGS型太陽電池パネルの光吸収層の成膜に必要なセレン化水素の生産設備を昭和電工徳山事業所内(山口県周南市)に設置。年産能力は40トンで、2011年6月に操業を開始する予定。


FPD/PCB NEWS〜11月24日


産総研とベルギーの研究機関 ナノテクで包括的研究協力覚書を締結

 産業技術総合研究所(産総研)とベルギーの研究機関「Inter-university Microelectronics Center(IMEC)」は、ナノテクノロジーやエレクトロニクスなどの分野で協力することで合意し包括的研究協力覚書(MOU)に署名した。

 IMECはベルギー・フランドル地方の自治体、大学、産業界の支援を受けたマイクロエレクトロニクス分野の非営利研究機関。最新の半導体技術、先端的な要素デバイスから機能システムチップ研究の研究拠点として知られ、海外からも企業、大学、研究機関などの研究者が参加している。

 産総研とIMECはこれまで研究者の派遣など研究拠点活動の推進に向けた人材交流や情報交換を重ねてきた。今回のMOUはこれまでの連携をより強固なものにすべく、ナノテクノロジーやエレクトロニクスなどの分野における共同研究、人材交流、合同シンポジウム開催を通じてナノテク研究拠点活動を推進する。今後、両者は具体的な協力・連携活動に関して協議する予定。


FPD/PCB NEWS〜11月22日


10月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比1.7%増の5880万枚


▲大型TFT-LCD出荷推移(左は出荷枚数:100万枚、右は伸び率:%) 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、10月の大型TFT-LCD(9型以上)出荷枚数は前月比1.7%増、前年同月比12.5%増の5880万枚となった。数量ベースでは3か月連続で増加した一方、金額ベースでは前月比6.4%減の58億9000万ドルと減少した。

 地域別シェアは、韓国が前月から1.6ポイント増の53.9%と過去最高を記録。これは、2 番手クラスのパネルメーカーが稼働率を調整し生産枚数を落としたのに加え、一部のパネルメーカーが生産能力を中小型パネルにシフトしたため。

 用途別では、テレビ用パネルの出荷枚数は前月比4.4%減の1900万枚と8か月ぶりに減少した。これは、中国・慶節商戦の終了にともない、中国のテレビメーカーがパネル調達量を抑えたため。一方、モニター用パネルの出荷枚数は前月比6%増の1600万枚と7か月ぶりに増加した。ノートPC用パネルは引き続き好調で、前月比4.6%増の1990万枚に増加した。


FPD/PCB NEWS〜11月19日


SIIとLC-TEC Display 3Dアプリケーション用高速応答液晶の共同開発で合意

 セイコーインスツル(SII)とLC-TEC Display AB(スウェーデン)は、3D映像用高速応答液晶を共同開発することで合意した。

 LC-TECが保有する液晶高速応答技術をベースに、SIIの生産技術と量産設備を活用して製品化を検討。アプリケーションはアクティブ型3Dメガネに採用されるシャッターレンズやパッシブ駆動型3Dメガネを利用するPC画面サイズの偏光変調器などを想定している。


FPD/PCB NEWS〜11月17日


日本製紙ケミカル 東松山事業所に光学フィルム製造用の新コーターを導入

 日本製紙ケミカルは、フィルムコーティング事業の生産拠点である東松山事業所(埼玉県東松山市)に光学フィルム製造用新コーター(塗工機)を導入する。投資額は22億円で、2011年末に完成する予定。

 この結果、同事業所のLCD用光学フィルムのコーターは計4台となり、生産能力が大幅にアップする。


FPD/PCB NEWS〜11月16日


ADEKA さいたま市の樹脂添加剤開発研究所に新研究棟を建設

 ADEKAは、さいたま市に樹脂添加剤開発研究所の新研究棟を建設する。投資額は20億円。

 新研究棟は地上7階建て延床面積約6700m2で、その規模は現在の3.5倍に当たる。2012年5月に完成する予定。


FPD/PCB NEWS〜11月12日


ルミオテック 照明用有機ELをリリース


 照明用有機ELパネル専業メーカーのルミオテックは、2011年1月から有機ELパネル5モデル10タイプの出荷を開始する。照明用有機ELパネルの量産出荷は世界初で、年間6万枚の出荷を目指している。

 リリースするのは正方形2種類(145×145o、97.6×97.6o)、長方形3種類(287×97o、287×74o、287×59.5o)で、それぞれ電球色(色温度3000K)と昼白色(色温度5000K)の色温度をラインアップ。2月にサンプル出荷したプロトタイプに比べ厚さと重さを1/2に薄型軽量化した。コントローラとAC-DCアダプタを除いた145mm角パネルの価格は3万円。

 同社は08年5月に三菱重工業、ローム、凸版印刷などの出資により設立された世界初の照明用有機ELパネル専業メーカーで、山形県米沢市に量産ラインを保有している。


ナガセケムテックス 播磨事業所と福知山事業所に生産棟を新設

 長瀬産業の100%子会社であるナガセケムテックスは、播磨事業所と福知山事業所に生産棟を新設する。

 このうち、播磨事業所にはエポキシ樹脂の生産棟を建設する。投資額は23億円で、2011年秋の完成を予定している。


FPD/PCB NEWS〜11月11日


東京エレクトロンとエプソン 有機ELD製造技術の共同開発契約を締結

 東京エレクトロンとセイコーエプソンは、有機ELディスプレイ製造技術の共同開発契約を締結した。エプソンのインクジェット技術と東京エレクトロンのFPD装置技術を融合し、次世代有機ELD製造技術をトータルパッケージとして提案できるよう共同開発を行う。


HannStar 10月の売上高は前年比33.5%減

 HannStar Displayは、10月の売上高が前月比15.8%減、前年同月比33.5%減の33億2800万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが37万8000枚、中小型パネルが2857万2000枚。


Corning EAGLE XGR Slimガラス基板のラインアップを拡充

 米CorningはTFT-LCD用薄型ガラス基板「EAGLE XG Slim」の製品ラインアップを拡充、第7世代&第8世代にも対応できるようになったと発表した。

 EAGLE XG Slimは0.4mm厚の薄型軽量ガラスで、これまでの最大サイズは第5世代だった。今回のラインアップ拡充により大型液晶テレビの薄型軽量化が容易になる。

 今後もEAGLE XG Slimのラインアップをさらに拡充する予定で、モバイル機器向けとして0.3mm厚ガラス基板を開発中だという。


日本ゼオン 有機EL用塗布型絶縁材料を開発

 日本ゼオンは有機ELディスプレイ向けとして有機絶縁材料「ゼオコート(ZEOCOAT)」を開発、パネルメーカーで量産採用されることが決まったと発表した。

 ゼオコートは各種ウェットコート法によって塗布できる透明絶縁材料で、約150℃で硬化する。耐熱性に優れるほか、電気絶縁性にも優れ、従来品に比べ誘電率は3.0と低い値を示す。さらに、フォトリソグラフィ機能をもたせることによりμmオーダーのパターニングが実現する。今回採用が決まったのは有機ELDの画素分離膜で、1〜2年以内にTFTの保護膜への応用も図る予定。


FPD/PCB NEWS〜11月10日


パナソニック 中小型TFT-LCDを自社生産

 パナソニックは、2011年度から19型/26型TFT-LCDを自社生産する。自社ブランドの液晶テレビ「ビエラ」に搭載するほか、他社へもモジュールを供給する予定。

 現在、TFT-LCD製造子会社では32〜42型パネルを生産。2011年2月に姫路工場(兵庫県姫路市)の生産能力を月産40.5万枚(32型換算)から81万枚に増強するのに合わせ、19型パネルの自社生産を開始する。さらに、茂原工場(千葉県茂原市)では26型パネルを生産する。これにともない、外販比率を2割強から3割超にまで引き上げる。


AUO 10月の売上高は前年比11.3%減

 AU Optronics(AUO)は、10月の売上高が前月比16.3%減、前年同月比11.3%減の351億3100万台湾ドルになったと発表した。TFT-LCDの出荷枚数は大型パネルが前月比3.8%減の915万枚、中小型パネルが11.7%減の1776万枚。


FPD/PCB NEWS〜11月9日


ブリヂストンとDelta Electronics 次世代電子ペーパーを共同開発

 ブリヂストンとDelta Electronics(台湾)は、次世代電子ペーパーデバイスの開発と市場開拓で協力することで合意した。

 ブリヂストンは独自の電子ペーパー技術「QR-LPD(Quick Response Liquid Powder Display)」をベースに次世代電子ペーパーデバイスを開発。Deltaはブリヂストンの電子ペーパーモジュールを用いて次世代電子ペーパーデバイスやアプリケーションを開発し、中国圏で電子ブックリーダー・デジタルサイネージ(電子広告)市場へ参入する。


FPD/PCB NEWS〜11月8日


日立ディスプレイズ 医療モニター用IPS-TFT-LCDの製品ラインアップを拡充


▲29.9型カラーTFT-LCD

 日立ディスプレイズは、医療モニター向けとして独自のIPS−Pro技術を採用した21.3型モノクロTFT-LCDと29.9型カラーTFT-LCDを開発した。

 21.3型モノクロパネルは500万画素と高精細でありながら輝度1200cd/m2、コントラスト1200:1を実現。正面だけでなく、斜めから見た時の黒表示画質を改善した。また、10bitディスプレイドライバと三つのサブピクセルを採用し、マンモグラフィでの読影に要求される繊細な表示を可能にした。

 他方、ワイドQXGA対応の29.9型カラーTFT-LCDはこれまで同時に2台使用していた200万画素モニターを1台の400万画素のモニターで置き換えることができる。また、10bitディスプレイドライバの採用により10億色が表示できる。


オルタステクノロジーと日本精機 車載計器用モノカラー有機ELDを開発


▲7.4型QHDパネル

 オルタステクノロジーと日本精機は、車載計器用のアクティブマトリクス駆動モノカラー有機ELディスプレイを共同開発した。

 開発したのは7.4型QHD(960×540ドット)、4型QQHD(480×272ドット)、2型QVGA(320×240ドット)。アクティブマトリクス駆動によって既存のパッシブマトリクスパネルでは困難だった高輝度、多階調、高精細を実現した。


三菱樹脂 光学用PETフィルムの中国投資計画に台湾の合成樹脂メーカーが資本参加

 三菱樹脂は、中国に設立予定の光学用PETフィルム製造販売会社の投資主体となる高新PETFILM投資に台湾の熱硬化性樹脂メーカーである長興化学工業が資本参加すると発表した。合成樹脂、特殊化学品、電子化学材料を幅広く事業展開する長興化学社の資本参加によって中国市場への進出が円滑に進むと判断した。

 長興化学社は2012年12月末までに高新PETFILMに対して20%を出資。今後、高新PETFILMは光学用PETフィルム製造販売会社を設立。2013年4月に第1系列(2万2500トン/年)、2015年4月に第2系列(2万2500トン/年)を稼働させる予定。


FPD/PCB NEWS〜11月5日


Wintek 10月の売上高は前年比7.1%増

 台湾のパッシブマトリクスFPDメーカー、Wintekは10月の売上高が前年同月比7.1%増の82億4747万台湾ドルになったと発表した。この結果、2010年10月までの年間累計売上高は480億9450万台湾ドルとなった。


FPD/PCB NEWS〜11月4日


9月のFPDテレビ出荷台数は前月比27%増の2001万台


▲世界FPD TV出荷台数(左)と伸び率(右)(台数は1000台、伸び率は前月比) 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、9月のFPDテレビ出荷台数は前月比27%増の2001万台となった。このうち液晶テレビの出荷台数は前月比29%増の1871万台、PDPテレビの出荷台数は10.4%増の184万台で、ともに2桁増を記録した。

 メーカー別では、Samsung Electronicsがシェア18%でトップ。LG Electronics(LGE)がシェア12%、ソニーがシェア11%で続いた。LEDバックライト搭載液晶テレビ(LED TV)出荷比率はシャープがトップで、日本市場ではエコポイントの追い風を受けて54.7%に達した。2位は中小型テレビの比率が高い米Vizioで40%だった。

 第4四半期のFPDテレビ出荷台数はパネル・セットの価格下落とセットメーカーの積極的なプロモーション、中国市場の回復などにより大幅に増加すると予測される。