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FPD/PCB NEWS〜8月31日


08年の世界ディスプレイ市場は前年比9.9%減
09年もTFT-LCDの単価下落でマイナス成長に


▲世界ディスプレイデバイス市場の推移(富士キメラ総研)

 富士キメラ総研の発表によると、08年の世界ディスプレイデバイス市場は数量ベースで横バイの約37億7000万枚、金額ベースでは前年比9.9%減の11兆734億円となった。近年は年率二桁成長を続けてきたが、デバイス単価の下落と需要減少により状況が一変。とくにLCDの減少幅が大きく、前年に比べ約1兆円減少した。

 2008年第4四半期からはじまった生産調整は09年2月下旬から回復基調に入った。主力デバイスであるTFT-LCDラインの稼働率(G6以上)は6月時点で韓国メーカーが80〜90%、台湾大手メーカーが70〜80%にまで上昇。引き続き9月まで高稼働を維持する見通し。中国の家電普及政策、セットメーカー・流通業者におけるリストック、北米需要の底打ちの兆しなどが要因だが、実需の回復は2010年以降になる可能性が高く、09年後半は生産調整が懸念される。

LCD
  TFT-LCD、STN-LCD、TN-LCDを合わせた08年の市場規模は、金額ベースで前年比9.2%減の9兆8000万円となった。08年第3四半期から顕在化したTFT-LCDの在庫調整は不況による在庫圧縮と重なり、パネル単価が劇的に低下した。テレビ用、モニター用パネルは08年末で在庫が解消、ノートPC用パネルは09年3月に在庫が解消。09年1月からは大型TFT-LCDの価格も上昇しつつある。依然としてモニター需要は低迷しているものの、テレビ、ノートPC需要が好調で、09年は数量ベースでは前年比プラスになる見込み。しかし、金額ベースでは前年比26.6%減の7兆2000万円にまで縮小すると予想される。その一方、2010年は価格安定により8兆円台まで回復すると予測される。


▲デバイス別市場推移(富士キメラ総研)

PDP
  08年は金額ベースで前年比7.2%減の6879億円、数量ベースで21.3%増の1480万枚となった。42型以上でフルHD化が進んだため、07年に比べ単価下落が緩和され一桁のマイナスにとどまった。全体に占める32型の比率が増加する一方、40型以上ではフルHD化が加速している。

 日立製作所とパイオニアがモジュール生産から撤退し、09年4月以降、量産メーカーは3社となった。残った3社も新規設備投資を中止あるいは一部先送りするなどネガティブな要素が多く、09年は金額ベースで前年比12.3%減の6032億円、数量ベースで1.4%減の1460万枚と予想される。

有機ELディスプレイ
  08年の市場規模は前年比6.9%増の620億円となった。08年後半からの不況でパネルの出荷も低迷。09年に入ってからも生産ラインの稼働率は回復していない。注目されるテレビ用大型パネルについては、2010〜2011年にソニーが21型テレビを投入する可能性が高い。一方、パッシブマトリクス駆動のフルカラーパネルは09年以降も携帯電話サブディスプレイ、携帯オーディオの需要に牽引される見通し。

電子ペーパー
  08年の市場規模は数量ベースで前年比70%減の282万枚、金額ベースで21%増の154億円となった。数量が減少したのは、07年に採用された携帯電話メインディスプレイ向けが大きく減少したため。一方、金額が増加したのは製品単価の高い電子書籍・電子辞書向けが増加したため。SONY USAやAmazon.comの販売が好調なことから、09年以降は欧米を中心に電子書籍・電子辞書市場が年率60%で成長すると予測される。今後期待されるのが棚札・値札で、すでに実証実験が終わり実用化されており、欧州で導入が進んでいるほか、国内でも導入がはじまった。今後、製品単価の下落とともに市場規模が拡大する見通し。


FPD/PCB NEWS〜8月27日


7月の大型TFT-LCD出荷枚数が過去最高を記録


▲大型TFT-LCDの出荷枚数推移(単位:100万枚)出所:Displaybank


▲大型TFT-LCDの出荷額推移(単位:10億ドル)出所:Displaybank

 Displaybankは、7月の大型TFT-LCD(10型以上)の出荷枚数が4892万枚となり、前月に続き単月ベースで過去最高を記録したと発表した。1月には2374万枚と大幅に落ち込んでいたが、その後、6ヶ月で106%増加した。

 上期のパネル価格上昇により、7月は金額ベースでも前年同月比2.6%減まで改善。なかでもテレビ用パネルは6.5%増と急回復した。なお、金額ベースにおけるテレビ用パネルの占める比率は約56%となっている。

 メーカーシェアをみると、金額ベースではSamsung Electronicsがシェア27%でトップ。LG Displayがシェア25%で2位、AU Optronics(AUO)がシェア16%で3位と順位に変更はなかった。韓国2社の合計シェアは52%で、前年同月の43%を9ポイント上回った。一方、数量ベースではLG Displayがシェア25%で4か月連続で1位をキープ。Samsungがシェア24%で続いた。

 最近、中国市場と北米市場で下期の需要期に備えた引き合いが活発化し、パネルメーカーの部材調達に問題が発生するなどパネルの需給はタイトになっている。とくに、ガラス基板の供給は8月から回復に向かっているものの、静岡県で発生した地震にともなうCorning静岡工場の稼働停止が再び供給面で悪影響を与える可能性があるとしている。


FPD/PCB NEWS〜8月26日


エプソンイメージングデバイス 米国のTFT-LCDカルテルで罰金25億円に同意

 エプソンイメージングデバイスは、小型TFT-LCD取り引きにおける価格カルテルで罰金2600万ドル(約25億円)を支払うことで米国司法省と合意した。関連法令および事実関係を考慮し、米国司法省と合意することが最善と判断した。


篠田プラズマ JR東京駅でプラズマチューブアレイディスプレイの実証実験

 篠田プラズマは、ジェイアール東日本企画と共同でJR東京駅構内でプラズマチューブアレイを用いた超大画面フィルムディスプレイ「SHiPLA(シプラ)」の実証実験を実施する。

 実施期間は9月2日〜4日の3日間で、丸の内地下中央改札口脇・臨時イベントスペースに3×2mサイズの曲面SHiPLAを設置。静止画・動画・WEB 画像などのコンテンツを表示する。


東芝モバイルディスプレイ 寿命10万時間のLEDバックライト搭載TFT-LCDを量産

 東芝モバイルディスプレイは産業機器向けとして長寿命LEDバックライトを搭載したTFT-LCDを開発、5.7型、8.4型、10.4型、12.1型パネルの量産を開始する。

 LEDの放熱性と発光効率に最適なバックライト設計により、常温環境でMTBF10万時間という平均寿命を実現した。この結果、連続使用されることが多い産業機器でも実質的にはメンテナンスフリーで使用できる。


FPD/PCB NEWS〜8月25日


7月のTFT-LCD出荷金額は前年比7%増

 DisplaySearchの発表によると、7月のTFT-LCD出荷金額は前月比11%増、前年同期比7%増の65億8800万ドルとなった。

 アプリケーション別ではテレビ用パネルが前年同期比69%増の1350万枚、モニタ用が26%増の1790万枚、ノートPC用が36%増の1670万枚。

 メーカー別では、Samsung Electronicsが前年同期比5%減の16億7200万ドルを出荷しトップをキープ。以下、LG Displayが33%増の15億2400万ドル、AU Optronicsが9%減の9億6800万ドル、Chi Mei Optoelectronicsが15%増の8億6700万ドル、シャープが31%減の3億8000万ドルと続いている。


エプソン QHD対応高温Poly-Si TFT-LCDを量産

 セイコーエプソンは3LCD方式ホームプロジェクター向けとして0.54型QHD(960×540画素)の高温Poly-Si TFT-LCD(HTPS:High Temperature Poly-Silicon)を開発、量産出荷を開始した。

 D7プロセステクノロジーにより、このサイズでフルHDの1/4に等しいQHD解像度を実現。パネルの開口率も75%を確保した。また、高耐光性液晶材料を採用し、プロジェクタの高輝度化に対応。さらに、倍速V反転駆動の採用によりフリッカーや光漏れを低減した。


FPD/PCB NEWS〜8月24日


キョウデン PCB生産拠点を再編

 キョウデンは、プリント配線基板(PCB)の生産拠点を再編する。連結子会社である昭和KDEの八王子工場を閉鎖。また、キョウデンは八王子工場の設備の一部を連結子会社であるキョウデンファインテックの本社工場(横浜市都筑区)に移設し、生産拠点を集約する。

 生産拠点再編にともない、キョウデンは9月30日付で昭和KDEが保有する昭和キョウデンの発行済み全株式を取得するとともに、八王子工場の製造設備の一部を取得する。


FPD/PCB NEWS〜8月20日


中国での液晶テレビ内製率が大幅に拡大


▲中国液晶テレビ市場規模と現地メーカーシェア(台数単位は千台) 出所:Displaybank

 Displaybankは、中国における液晶テレビの現地生産比率が08年の61.9%から09年には79.9%に達すると発表した。また、09年の液晶テレビ販売台数は前年比76%の2260万台と急増すると予測している。

 現地メーカーのシェア拡大要因は中小都市での市場拡大が挙げられる。中国では大都市は大型流通チャンネルを中心に市場が形成されているが、中小都市では現地メーカーが以前から構築してきた流通・サービス網の影響力が強いため。

 一方、テレビ用TFT-LCDについては中国には大型パネル用ラインが第5世代ライン3本しかないため、第2四半期に大手テレビメーカー5社は毎月200万枚以上のパネルを韓国と台湾から調達した。最近、パネル価格が急上昇しているため、テレビメーカー各社はパネル不足のため早くも10月の国慶節に備えた在庫確保に走っている。


FPD/PCB NEWS〜8月17日


プリンタブルエレクトロニクス市場が大幅に拡大

 富士経済はプリンタブルエレクトロニクス関連市場規模予測を発表した。それによると、調査の対象にしたアプリケーション8品目(有機ELディスプレイ、電子ペーパー、LCD、タッチパネル、有機TFT、LCD用カラーフィルター、色素増感型太陽電池、RFIDタグ)の国内市場は2兆1483億円で、このうち印刷方式で生産された電子デバイスの合計市場規模は前年比22.2%増の1218億円となった。全体に占める割合は5.7%だが、成長が予想される有機ELD、電子ペーパー、色素増感太陽電池などはおもに印刷方式での生産を前提に開発されているため、2013年には17.8%までに比率が向上すると予測している。


▲印刷プロセス用部品材料市場と印刷装置市場予測 出所:富士経済

 印刷プロセス用部材・材料16品目(有機EL材料、カラーフィルター材料、スペーサー、配向膜材料、バックライト用マイクロレンズ、透明導電フィルム、電磁波シールドフィルム、フレキシブル基板材料、導電性インク、導電性高分子材料、有機半導体材料、インクジェット印刷用絶縁性インク、UVナノインプリント用樹脂、スクリーン印刷用エッチングレジスト、回路転写フィルム、エレクトロニクス用印刷版)の08年の市場規模は前年比5.9%減の739億円となった。すでに量産に用いられているのはTFT-LCDのカラーフィルター材料、配向膜材料、バックライト用マイクロレンズ、PCBやメンブレンスイッチ向けの導電性インク(金属ペースト)などである。今後は前記の理由から市場が拡大し、2013年には08年比294%に当たる2173億円に拡大すると予想される。

 一方、印刷装置8品目(インクジェット印刷装置、スクリーン印刷装置、ナノインプリント装置、マイクロコンタクト印刷装置、フレキソ印刷装置、グラビア印刷装置、オフセット印刷装置、レーザー転写装置)の08年市場規模は前年比39%減の361億円。内訳は国内が38.8%減の67億円、海外が39%減の294億円である。エレクトロニクス分野で広く採用されているスクリーン印刷装置やLCDの配向膜で採用されているフレキソ印刷機の構成比率が高いが、2010年以降はインクジェット印刷、マイクロコンタクトプリント、ナノインプリントといった新たな印刷装置が本格的に実用化される。このため、2013年の市場規模は08年比182%の657億円に拡大すると予想される。


FPD/PCB NEWS〜8月14日


三星ダイヤモンド 武井電機工業の株式51%を取得し子会社化

 三星ダイヤモンド工業は、武井電機工業(佐賀県三養基郡みやき町)の発行済み株式の51%を取得し子会社化したと発表した。なお、出資額は明らかにしていない。

 出資により、三星ダイヤモンドの太陽電池用レーザー・メカニカル加工技術と武井電機のレーザー加工パターニング技術を融合し、太陽電池用装置事業を強化する。


FPD/PCB NEWS〜8月13日


LG Display 低温Poly-Si TFT-LCD生産ラインを新設

 LG Displayは、坡州(Haju)にある主力工場に中小型低温Poly-Si TFT-LCD生産ラインを新設する。投資額は5771億ウォン。

 対応基板サイズは730×920oの第4世代で、投入能力は2万枚/月。来年第1四半期からスマートフォン、カーナビゲーションシステム、携帯音楽プレーヤー用中小型パネルを量産する。

 また、有機ELディスプレイ用ラインも増強し、来年上期までにマザーガラス投入能力を8000枚/月に引き上げる。投資額は900億ウォン。


FPD/PCB NEWS〜8月12日


Corning 静岡地震で静岡工場の操業を停止

 LCD用ガラス基板最大手の米Corningは、静岡地震の影響により静岡工場(静岡県掛川市)の操業を停止したと発表した。シャープなど国内のLCDメーカーに対する供給については台湾などからの輸入で代替する方針。


FPD/PCB NEWS〜8月7日


第2四半期のPDP出荷枚数は月100万枚レベルに回復


▲第2四半期のメーカーシェア、サイズシェア、解像度シェア 出所:Displaybank

 Displaybankによると、第2四半期の世界PDP出荷枚数は第1四半期の286万枚から14%増の327万枚となり、1四半期ぶりに月平均100万枚を超えた。

 第2四半期は、50型クラスとフルHDの比率が上昇した。50型クラスは全出荷量の36%を占め過去最高比率を記録。フルHDの比率もほぼ30%に達した。

 数量ベースのメーカーシェアはパナソニックが43%でトップ。Samsung SDIがシェア31%、LG Electronicsがシェア26%と続く。中国Changhong-Orion PDP-Chaihong(COC)が3月にPDPの生産を開始したものの、まだ歩留まりが低く、今年一杯は3社体制が続く見通しだ。


FPD/PCB NEWS〜8月6日


三菱電機 超広視野角の産業用15型TFT-LCDを発売

 三菱電機は、上下左右170度の広視野角を実現した白色LEDバックライト搭載XGA対応15型TFT-LCD2機種を発売する。サンプル価格は輝度350cd/m2のスタンダードモデルが8万円、1100cd/m2の高輝度モデルが10万円。

 スタンダードモデルは屋内向け、高輝度モデルは屋外向けで、白色LEDバックライトの採用により高輝度でも6万時間というロングライフを実現した。また、−20〜+70℃と広い動作温度範囲を保証。外形寸法や信号入力コネクタ位置もCCFLバックライト搭載の従来パネルと統一し、リプレースを容易にした。


FPD/PCB NEWS〜8月5日


TDK 有機ELD事業強化のため双葉電子と資本・業務提携

 TDKは有機ELディスプレイ事業を強化するため、双葉電子工業と資本・業務提携すると発表した。有機ELDを生産する100%子会社「TDKマイクロディバイス」が双葉電子を引き受け先とする第三者割当増資を行う。発行額は8億7150万円で、双葉電子は25%の株式を保有することになる。

 業務提携では、TDKグループの有機ELD開発・量産技術と双葉電子のディスプレイ業界における強みを生かし、新たな有機ELD製品を開発する。


TMD 中国にTFT-LCD合弁会社を設立しa-Si TFT-LCDラインを売却

 東芝モバイルディスプレイ(TMD)は、中国のLCDモジュールメーカーである河源青雅電子科技有限公司、香港の恵高ホールディング有限公司と中小型TFT-LCD会社を合弁で設立すると発表した。

 新会社は「河源雅芝顕視科技有限公司(仮称)」。資本金は1億ドル(約95億円)で、河源青雅が58%、TMDが19.9%、恵高が22.1%を出資する。新会社は、広東省河源市にある河源青雅の工場内にクリーンルームを建設し、国内にあるTMDのa-Si TFT-LCD製造ラインを移設。TMDが技術援助し、2010年上期から中小型a-Si TFT-LCDを生産する。

 TMDはすでに複数のa-Si TFT-LCD製造ラインを停止。専門商社である恵楽商事を通じてa-Si TFT-LCDラインを売却することにした。一方、河源青雅は現在LCDモジュールを製造しているが、液晶セルを外部調達しており、新会社設立によってTFT-LCDの内製化を図る。


FPD/PCB NEWS〜8月4日


村田機械 半導体/FPD用搬送システム事業で新会社を設立

 村田機械は、半導体/FPD工場向け搬送システム事業の新会社「ムラテックオートメーション梶vを設立した。従来から手がけてきたこれらの事業に加え、会社更生手続き中のアシストテクノロジーズジャパンおよびアシストテクノロジーズジャパンホールディングスの同事業を統合する形で、8月7日より業務を開始する。

 資本金は4億5000万円で、村田機械が100%を出資。代表取締役社長には村田大介氏が就任した。従業員約500名でスタートする。

 村田機械の同事業の売上高は09年3月期で約315億円。一方、新会社に統合するアシストテクノロジーズジャパンの売上高は293億円。ムラテックオートメーションは事業統合によるスケールメリットを活かすとともに、技術力の統合により設計手法や開発プロセスの標準化を加速する。