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FPD/PCB NEWS〜12月28日


BASFなど4者 フレキシブルディスプレイ用有機TFTの開発で協業

 独BASF、独tesa scribos、ダルムシュタット工科大学、シュトゥットガルト大学は、フレキシブルディスプレイの実用化に向け有機トランジスタの共同開発プロジェクトを推進する。独連邦教育研究省の助成事業「Forum Organic Electronics」の一環で、BASFは総額350万ユーロのうち190万ユーロを出資する。


FPD/PCB NEWS〜12月24日


パナソニック 尼崎のPDP第3工場が完成し竣工式を開催

 パナソニックは、兵庫県尼崎市に建設していたPDP尼崎第3工場が完成し竣工式を行った。投資額は2100億円。

 月産能力は当初12万枚(42型換算)で、世界最大の150型パネルが生産できる。景気低迷から稼働が当初予定より半年遅れ、11月からパイロット生産を開始。2010年1月に量産を開始する。


第3四半期の有機ELD出荷金額は第2四半期比31%増

 DisplaySearchの発表によると、第3四半期の有機ELディスプレイ出荷金額は第2四半期比31%増の2億5200万ドルとなった。Samsung Mobile Displaysが2170万枚を出荷し、シェア73.1%とトップを独走している。


FPD/PCB NEWS〜12月22日


LG Display 厚さ2.6oの42型TFT-LCDを開発

 LG Displayは、世界最薄となる厚さ2.6oの42型フルHD TFT-LCDを開発した。

 LEDバックライトを画面のサイドに設けるエッジ型を採用して薄型化した。また、重さも4kg以下に軽量化した。


FPD/PCB NEWS〜12月21日


Samsung Electronics 第8世代TFT-LCDラインを増強

 Samsung Electronicsは、4846億ウォンを投じて第8世代TFT-LCD生産ラインを増強する。2010年上期に増強が完了する予定。


FPD/PCB NEWS〜12月18日


三井化学グループ フィルム・シート事業を統合

 三井化学、東セロ、三井化学ファブロは、三井化学のフィルム・シート事業、東セロ、三井化学ファブロを統合することを検討すると発表した。

 2010年10月をメドに東セロと三井化学ファブロを合併し、三井化学の対象事業を新会社に統合する予定。これにより、グループ内に分散しているフィルム・シート事業を集約する。


昭和電工 UDCと白色照明用有機ELのライセンス契約を締結

 昭和電工は、米Universal Display(UDC)と白色照明用有機EL技術に関するライセンス契約を締結した。

 昭和電工は独自の材料技術や素子構造技術とUDCの燐光有機EL技術を組み合わせ、燐光発光材料の塗布性能を向上させるとともに、有機EL素子の長寿命化を図る。そして、2015年までに発光効率150lm/W、輝度半減寿命5万時間を達成し、有機EL照明を事業化するとしている。


FPD/PCB NEWS〜12月17日


日立電線 屈曲性を高めた表面処理付き圧延銅箔を量産

 日立電線は従来のタフピッチ銅を用いた圧延銅箔に比べ屈曲性を5倍以上も高めた表面処理付き圧延銅箔「OFC-HX」を開発、今月から量産を開始する。

 OFC-HXは純度99.96%以上の無酸素銅をベースにした表面処理付き圧延銅箔で、銅箔内部に亀裂の原因となる不純物を極限まで排除。また、FPC材料となる銅張積層板の製造時にかかる熱量で銅の結晶方向が均一に揃うように設計しているため、屈曲運動によって発生する金属疲労が蓄積しにくい。これらの結果、従来のタフピッチ銅を使用した圧延銅箔に比べ5倍以上の屈曲性を実現した。

 一方、表面処理においても粗化均一性を高め、緻密な凹凸の銅箔表面を実現。基材樹脂との密着性を高めた結果、導体配線を微細化するのが容易になる。


FPD/PCB NEWS〜12月16日


LED液晶テレビ市場は2010年に2600万台、2013年に1億2900万台と急拡大


▲世界LED液晶テレビ市場の展望(出所:Displaybank)

 Displaybankは、09年に310万台規模だったLEDバックライト搭載液晶テレビ市場が2010年には2600万台、2013年には全液晶テレビの61.5%を占め1億2900万台に拡大すると発表した。

 従来、液晶テレビ用LEDバックライトは画質に優れる直下型と薄型化に有利なエッジ型に両極化されていたが、09年下期からはエッジ型BLが主流に。2010年もエッジ型が82%と主流の座をキープすると予想される。また、09年に発売されたのはプレミアムイメージのある40〜50型クラスが多かったが、2010年は40型クラスが50%、30型クラスが29%と30型以下でも採用が進む見通し。

 Samsung Electronics、LG Electronics、ソニー、シャープ、Royal Philips Electronicsといった大手テレビメーカーの2010年事業計画によると、大部分がLED液晶テレビの生産目標を液晶テレビの20〜30%、なかには40%に設定するなど積極的な姿勢を示している。しかし、一部のメーカーは主要部品の需給状況により目標台数の修正を余儀なくされるとみられる。


FPD/PCB NEWS〜12月15日


東大 有機ELに必要とされるレベルのガスバリヤ性を数時間で測定できる測定装置を開発

 東京大学大学院理学系研究科の島田敏宏准教授、TI、MORESCOの研究グループは、有機ELに求められるレベルのガスバリヤ性を短時間で測定できる測定装置を開発した。

 既存のガスバリヤ性評価装置は感度・測定時間に難があり、とくに測定に数日〜数か月を要することが問題視されていた。そこで、研究グループは10-6g/m2/dayクラスのガスバリヤ性を数時間で測定できる装置を開発した。

 具体的には、試料を透過してきた水蒸気を液体窒素冷却したトラップに捕集し、水蒸気以外を排気。その後、トラップを超高真空に置かれた質量分析計に接続し、決められた温度シーケンスで水蒸気を脱離させて定量する仕組み。大気圧下の試料空間と超高真空中の質量分析計の間で水蒸気を冷却トラップを介して受け渡すという原理で、質量分析計を用いるため、水蒸気以外の気体にも適用できる。また、試料測定後に全系を排気・加熱ベーキングすることにより迅速にバックグラウンド水分を下げて次の試料を測定することができる。


FPD/PCB NEWS〜12月14日


凸版印刷 塗布型IGZO-TFTを試作し電子ペーパーをドライブすることに成功


 凸版印刷は透明アモルファス酸化物半導体を用いた塗布型TFTを試作し、電気泳動方式のE Ink電子ペーパーを駆動することに成功した。

 試作したのは2型80×60画素パネルで、キャリアモビリティは0.5cm2/V・s以上、ON/OFF電流レシオは105以上とa-Si TFTと同等の特性が得られた。エボニック インダストリーAGと共同開発した塗布型アモルファスInGaZnO(通称IGZO)酸化物半導体材料をスピンコートしてフォトリソでパターニング。その他のレイヤーは一般的なフォトリソ法を用いて作製した。また、プロセス温度も従来より100℃以上低い270℃に低温化した。このため、プラスチックフィルムをサブストレートとして使用でき、フレキシブルディスプレイが実現する。


FPD/PCB NEWS〜12月11日


富士フイルム フジタック第3工場の第2ラインが稼働


 富士フイルムは、LCD用偏光板保護フィルム「フジタック」の中核生産拠点である富士フイルム九州の第3工場第2ラインが稼働を開始したと発表した。

 年産能力は5000万m22。これにより計画していた富士フイルム九州の3工場6ラインすべてが稼働。トータルの年産能力は6億800万m2となった。


FPD/PCB NEWS〜12月10日


凸版印刷と巴川製紙 ディスプレイ用反射防止フィルム合弁会社を設立

 凸版印刷と巴川製紙所は両社のディスプレイ用反射防止フィルム事業の製造部門を統合し、合弁会社を設立することで合意した。

 合弁会社は「潟gッパンTOMOEGAWAオプティカルプロダクツ」で、2010年2月に設立する予定。資本金は4億円で、凸版印刷が80%、巴川製紙所が20%を出資する。東京都台東区に本社を置き、2010年度は180億円の売上げを見込んでいる。

 両社は今年4月に資本提携で合意し、ディスプレイ用反射防止フィルム事業における提携を検討してきた。


丸紅とエルシード 次世代白色LEDで共同開発契約を締結

 丸紅と名城大学発のベンチャー企業であるエルシードは、次世代白色LEDの商品化への資金提供を含めた共同開発契約を締結した。

 エルシードが開発中の次世代白色LEDは特殊ドーピングしたSiC基板上に近紫外LEDを載せたシンプル構造で、1mm角チップでワット級の出力を出せる。現在主流の青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせる擬似白色LEDに比べ、@ドーピング濃度を制御することにより暖白色から純白色まで広範囲な白色をバラツキなく製造できる、A平均演色性評価指数(Ra)が高く太陽光に近い純白色が実現できる、B耐熱性、熱伝導性に優れるSiC基板自体に波長変換機能を持たせるため、蛍光体や樹脂封止が不要となり製品寿命が長い、といったメリットがある。

  エルシードは光取り出し効率を高めるモスアイ構造を高スループットで作製できる製造技術、高反射率電極技術を開発。高品質、低コスト白色LEDの商品化を進めている。


FPD/PCB NEWS〜12月8日


2010年の大型TFT-LCD市場は前年比12%増へ  


▲大型TFT-LCDの需要予測 出所:Displaybank

  Displaybankは、2010年の大型TFT-LCD需要予測を発表した。それによると、モニター用パネルは3%レベルの低い成長率にとどまるが、ミニノートPCの好調によりノートPC用パネルは19%増、テレビ用パネルも新興市場の成長とデジタルテレビの買い替え需要により19%増が見込まれ、全体では枚数ベースで12%増、面積ベースで19%増になる見通し。

 2010年に新ラインの稼動を計画しているメーカーはLG Display、Chi Mei Optoelectronics(CMO)、IPSアルファテクノロジ、BOE Technology Groupの4社で、BOEの第6世代(1500×1850mm)ライン以外はすべて第8世代(2200×2500mmクラス)ラインである。しかし、歩留まりの安定化や立ち上げ速度を考えると、2010年の実質的な供給能力に影響するのは09年に稼働した6社の8ラインとなる。この8本の新ラインにより、2010年の実生産能力は前年比22%増とみられるが、2番手メーカーは利益率確保のため稼働率を調整する可能性が高く、第1四半期中にパネル価格が底打ちし、第3四半期まで需給はタイトな状況が続くと予想される。ただし、北米や欧州における年末商戦の販売状況によっては底打ちする時期が前倒しされる可能性も高い。


AUO スロバキア共和国にTFT-LCDモジュール工場を建設

  AU Optronics(AUO)は、スロバキア共和国トレンチーン市に子会社「AU Optronics(Slovakia)」を設立した。1億9100万ドルを投じてTFT-LCDモジュール工場を建設し、モジュールを製造し販売する。


FPD/PCB NEWS〜12月7日


シャープ LCDパネルの廃棄ガラスを原料に使用した高機能性塗料を開発

 シャープは、LCDパネルの生産工程で排出される廃棄ガラスを原料に使用した高機能性塗料を開発した。同社が製品化しているLED防犯灯のアルミニウム部品に採用する。


▲高機能性塗料の調製フロー

 LCD用ガラスは高強度、低膨張性、耐熱性などの特性を有しているが、軟化温度が高いため、既存の設備では再びガラス原料として再生することが難しい。そこで、ガラスを細かく破砕した粉末を顔料と調合させることにより新たな高機能性塗料を開発した。この塗料にはLCD用ガラスの特性である高強度、耐摩耗性、耐熱性が付与されるため、街路灯など日光や雨風に直接さらされる製品の耐久性を高めることができる。例えばLED防犯灯の塗装工程に使用した場合、塗膜の厚みを約40%削減でき、塗装時間も2/3に短縮される。


FPD/PCB NEWS〜12月4日


国内デジタルサイネージ市場は2010年から拡大

 富士キメラ総研は、国内のデジタルサイネージ市場調査報告書「デジタルサイネージ市場総調査2010」を発表した。それによると、2009年の市場規模は前年比0.5%増の602億7000万円と予測。2010年以降は市況が回復し、2012年に830億円、2015年には1260億円にまで拡大すると予想している。


FPD/PCB NEWS〜12月2日


理化学研究所と高輝度光科学研究センター
室温で三次元的な電荷輸送経路を持つ液晶性有機半導体を開発

 理化学研究所(理研)と高輝度光科学研究センターは、室温で三次元的な電荷輸送経路を持つ液晶性有機半導体を開発した。

 ディスク状の芳香族分子からなる液晶性有機半導体は、有機エレクトロニクスの構成要素として注目されている。通常、ディスク状分子は積層して一次元カラムを形成するため、カラムに沿った方向に大きな電導性を示す。しかし、このディスク状分子が形成するカラムを三次元的なネットワークとして集積化できれば、あらゆる方向に高い電荷輸送特性を持つ液晶性有機半導体が実現する。

 今回、研究グループは大型放射光施設SPring-8の放射光X線を用い、イオン部位を有するトリフェニレン誘導体の液晶状態における集積構造を分析。その結果、この分子が広い温度範囲で双連続キュービック相を形成していることがわかった。この液晶は三次元的なアリの巣状に発達したトリフェニレンのカラムからできており、類似の分子からなる一次元カラムナー相に匹敵する電導性を示す。三次元に発達した電荷輸送経路を有する双連続キュービック相の液晶の存在を初めて明らかにしたもので、液晶性有機半導体の新しいモチーフを提供するとしている。


FPD/PCB NEWS〜12月1日


日立電線 表面処理付き圧延銅箔の量産を開始


  日立電線は、FPC向けとして表面処理付き圧延銅箔の本格量産を開始する。

 同社はこれまで表面処理工程前の圧延銅箔を出荷してきたが、銅箔表面を粗化する表面処理工程の設備を土浦工場に導入し、月産50万m2の量産体制を構築した。