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FPD/PCB NEWS〜9月30日


第2四半期の有機ELD出荷は前年比22%増

 DisplaySearchの発表によると、第2四半期の世界有機ELディスプレイ出荷金額は第1四半期比32%増、前年同期比22%増の1億9200万ドルとなった。今後も引き続き高い成長を続け、08年の6億ドルから2016年には62億ドルに市場が拡大すると予測している。


FPD/PCB NEWS〜9月29日


矢野経済研究所 LED注目アプリケーション市場調査結果を発表


▲超大型ディスプレイ・LED表示機用LEDチップ世界市場規模推移 出所:矢野経済
▲LCDバックライト用LEDチップ世界市場規模推移 出所:矢野経済

 矢野経済研究所は、LEDの注目アプリケーション世界市場動向調査結果を発表した。

 それによると、超大型ディスプレイ・LED表示機は競技場、アミューズメント、商業ビルの外壁といった屋外設置から屋内設置にも波及。08年の超大型ディスプレイ・LED表示機用LEDチップ市場規模は7億8000万億個(前年比104%)に達した。景気回復による潜在需要の取り込みやデジタルサイネージなどのシステム販売増により、2015年には08年比153.8%に当たる12億個に増加すると予測する。

 一方、LCDバックライトは現在、携帯電話で100%、ノートPCで50%以上の比率でLEDが採用されており、08年のLEDチップ世界市場を134億個(前年比127.6%)と推計。今後、ノートPCでLEDバックライト採用率が100%となり、液晶テレビへの採用も進むため、2015年の世界市場は360億個(2008年比268.7%)になると予測している。


FPD/PCB NEWS〜9月25日


東北大学 新規の高屈折率ナノコンポジット薄膜を作製
光照射によるポリマー成分の劣化を低減し光透過性を維持

 東北大学大学院工学研究科の今野幹男教授、長尾大輔准教授らの研究グループは、紫外線などの高エネルギー光を照射してもポリマー成分が分解しにくい高屈折率コンポジット薄膜を作製することに成功した。FPDの反射防止膜や透明キャパシタなどに有効だという。

 反射防止膜などに用いられる高屈折率透明薄膜は現在、屈折率の高い無機ナノ粒子を透明性ポリマーに充填する手法が広く採用されている。粒径が可視光波長よりも小さい高屈折率ナノ粒子を透明性ポリマーに均一に分散させるため、ポリマー本来の透過性を損なうことなく、薄膜の屈折率を大きくすることができる。従来、充填剤としてはTiO2(酸化チタン)が広く用いられているが、特異な光触媒作用がある、つまりTiO2ナノ粒子を分散したポリマー膜は高エネルギー照射によってポリマー成分が分解することが問題になっていた。

 今回、研究グループはナノ粒子の合成技術と表面処理技術を駆使することにより新たな高屈折率コンポジット薄膜を作製した。具体的には、TiO2の代替充填剤としてチタン酸バリウム(BT)ナノ粒子をポリメタクリル酸メチル(PMMA)に分散した。BTはTiO2より大きなバンドギャップを有しており、BTナノ粒子をポリマーと複合化しても光触媒活性の問題がない。さらに、高濃度のナノ粒子をポリマーに均一分散するため、ポリマーとの複合化前にナノ粒子をシランカップリング剤で表面処理しナノ粒子の凝集を抑制した。この表面処理剤はPMMAとの親和性が高く、表面処理によってBTナノ粒子を高充填化できる。


図2 BTナノ粒子を充填したコンポジット膜の透過スペクトル

図1 BTナノ粒子を充填したコンポジット膜の屈折率

 図1は粒径20nmのBTナノ粒子をPMMAに充填したときに得られるコンポジット薄膜の屈折率で、コンポジット薄膜の屈折率はBTナノ粒子の充填率を上げることにより1.77まで増大。コンポジット薄膜の屈折率を実用レベルに引き上げた。図2はコンポジット薄膜の透過スペクトルで、BT粒子を53vol%充填してもコンポジット膜の透過率がほとんど低下せず、ポリマー膜中においてBTナノ粒子が均一分散できることを示唆している。

 さらに、高誘電性材料として知られるBTをPMMAと複合化したため、コンポジット薄膜は誘電特性にも優れる。BT粒子充填率53vol%におけるコンポジット薄膜の誘電率は30程度、誘電損失は0.1以下と低く、透明キャパシタとしての応用も期待されるとしている。


JSR 国内のLCD用材料生産能力を増強

 JSRは、全額出資会社であるJSRマイクロ九州(佐賀県佐賀市)にLCD用材料生産設備を増設し試運転を開始した。

 JSRマイクロ九州は01年から国内第2拠点としてカラーレジストを生産してきたが、韓国・台湾での現地生産化にともない生産を休止していた。今回改めて先端LCD用材料の製造設備を整え、新たに配向膜材料と絶縁材料を生産。来春から日本のユーザーを中心に量産供給を開始する予定。


FPD/PCB NEWS〜9月18日


8月の大型TFT-LCD出荷枚数は7か月連続で前月比増を果たし過去最高を更新


▲大型TFT-LCD出荷枚数推移(単位:100万枚)出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、8月の大型TFT-LCD(10型以上)出荷枚数は5018万枚となり、前月に続き単月ベースで過去最高枚数を記録した。

 アプリケーション別ではノートPC用パネルが好調で、前月比5.8%増の1770万枚を出荷。大型パネルにおける出荷比率を35.2%に高め、2か月連続で出荷減となったモニター用パネルとほぼ同レベルになった。これは、世界的にノートPCによるデスクトップPCの代替が進んでいることに加え、08年からNetbookの需要も急増しているため。

 メーカーシェアは、金額ベースではSamsung Electronicsがシェア27%で1位、LG Displayがシェア24%で2位、AU Optronis(AUO)がシェア17%で3位と前月からの変動はなかった。韓国2社の合計シェアは51%で、前年同月の45%から増加し過半数を超えた。一方、数量ベースではSamsungがシェア25%で5か月ぶりにトップに返り咲き、LG Displayはシェア23%で2位に後退した。


JSR 国内のLCD用材料生産能力を増強

 JSRは、全額出資会社であるJSRマイクロ九州(佐賀県佐賀市)にLCD用材料生産設備を増設し試運転を開始した。

 JSRマイクロ九州は01年から国内第2拠点としてカラーレジストを生産してきたが、韓国・台湾での現地生産化にともない生産を休止していた。今回改めて先端LCD用材料の製造設備を整え、新たに配向膜材料と絶縁材料を生産。来春から日本のユーザーを中心に量産供給を開始する予定。


FPD/PCB NEWS〜9月17日


シャープ 液晶テレビ用光配向技術を全面採用

 シャープは液晶分子の向きを精密に制御できる光配向技術「UV2A技術」を開発、この技術を用いたテレビ用TFT-LCDを堺新工場と亀山第2工場で全面採用する。

 UV2A技術は紫外線によって反応する材料を配向膜として用い、照射方向によって液晶分子の並びを高精度に制御する光配向技術。具体的には、光配向膜材料を塗布し、ドットの半分に斜め方向からUV光を照射して配向させた後、もう半分に逆斜め方向からUV光を照射することによりマルチドメインモードにする。この結果、液晶分子は配向膜に沿って配向し広視野角が得られる。バックライトからの光漏れがなく“沈み込んだ黒”が表示できるため、コントラストが従来比1.6倍の5000:1に向上。また、パネルの開口率も従来比20%以上と高く、応答速度も20%以上アップするという。


FPD/PCB NEWS〜9月16日


日立製作所 木材から分離・抽出したリグニンを原料にした溶剤可溶型エポキシ樹脂を開発


▲試作したPCB

 日立製作所は、木質バイオマスに含まれるリグニンを主原料にした有機溶剤可溶型エポキシ樹脂を開発した。

 開発したエポキシ樹脂は有機溶剤に溶けるため、多様な形態に成形することができる。また、エポキシ樹脂を硬化させる際にリグニンを硬化剤として使用することにより、耐熱性を示すガラス転移温度が200℃以上と高耐熱性エポキシ樹脂硬化物が作製できる。この結果、回路基板、半導体用封止材、受変電設備など高い耐熱性が求められるデバイスの電気絶縁用途に用いることができる。実際にこのエポキシ樹脂を用いてPCBを試作したところ、耐熱性や絶縁性などの特性が石油を原料にする従来のエポキシ樹脂を用いたPCBと同等だった。

 リグニンは木材に約20%含まれ石油代替が期待できる材料で、間伐材など従来未利用だった木材が木質バイオマスとして利用することが期待される。


FPD/PCB NEWS〜9月14日


Corning 第3四半期のTFT-LCD用ガラス基板出荷枚数見通しを上方修正

 米Corningは、第3四半期のTFT-LCD用ガラス基板出荷枚数見通しを当初の第1四半期比5〜10%減から5%未満減に上方修正すると発表した。静岡県沖地震によって稼働を停止していた静岡工場は今月から稼働を再開する。


FPD/PCB NEWS〜9月11日


第2四半期の大型LCD用LEDバックライト出荷個数は2300万個

 DisplaySearchの発表によると、第2四半期の大型TFT-LCD用LEDバックライト(BL)出荷個数は第1四半期比117%増の2300万個となった。

 用途別では、ミニノートPCが第1四半期比88.1%増の790万個、ノートPCが142.4%増の1430万個、モニターが50%増の15万個、テレビが66.7%増の55万個。09年通期のLED-BL出荷個数は1億1450万個に達し、大型TFT-LCD用BLにおける比率を22%に高めると予測している。


電気化学工業 白色LED用サイアロン蛍光体を製品化し蛍光体事業に参入

 電気化学工業は白色LED用サイアロン蛍光体を発売し、蛍光体事業に本格参入する。開発元である物質・材料研究機構(NIMS)からライセンス供与を受けて生産するもので、当面は数十億円/年の出荷を見込んでいる。

 従来の白色LED用シリケート系緑色蛍光体は、輝度を上げるために電流を増やすと温度が上昇し、かえって輝度が低下するとともに発光色も変化するという問題がある。これに対し、サイアロン緑色蛍光体を用いたLEDは温度上昇に対し輝度と色の変化が小さいという優れた特徴がある。このため、液晶テレビを高輝度化・高画質化することができ、放熱設計も容易になる。

 周知のように、一般的な白色LEDは青色LEDによって青色光を発光させるとともに黄色蛍光体を励起して2波長の白色光を得る。これに対し、緑色サイアロン蛍光体を用いるケースでは既存の赤色蛍光体と緑色サイアロン蛍光体を青色LEDで励起しRGB3波長の白色光を得る仕組み。


FPD/PCB NEWS〜9月10日


信越化学 高輝度LED用リフレクター材料と透明保護フィルムを開発

 信越化学工業は高輝度LED用リフレクター材料「SWCシリーズ」と透明高耐熱性保護フィルム材料「LPS-AFシリーズ」を開発、照明用や液晶テレビのバックライト光源用LED向けとしてサンプル出荷を開始する。

 SWCシリーズは耐熱性・耐光性に優れたシリコーン樹脂。光反射率が98%以上と高く、高強度の短波長光に長期間曝されてもLEDの輝度低下がない。また、量産・成形加工性も高く、自由なパッケージ形状の設計が可能となる。

 一方、LPS-AFシリーズは耐熱性・耐光性に優れるシリコーン保護フィルムで、LEDチップ表面に貼ることでLEDを保護する。さらに、ラインアップの一つである蛍光体を混ぜ合わせたフィルムはLEDの発光する青色を均一かつ容易に白色に変換することができ、色むらも抑制することができる。


FPD/PCB NEWS〜9月9日


日立製作所 PDP子会社の工場用地・建屋を昭和シェルソーラーに売却

 日立製作所は、100%子会社である日立プラズマディスプレイ宮崎工場の土地・建屋を昭和シェルソーラーへ譲渡すると正式発表した。これにともない、昭和セルソーラーは同工場をCIS太陽電池工場にリニューアルする。また、両社は宮崎工場の人材活用についても協議する。

 日立はすでにPDPモジュールの生産から撤退。パナソニックからモジュールを調達してPDPセットを販売している。


FPD/PCB NEWS〜9月8日


昭和シェル 日立プラズマのPDP工場用地を取得しCIS太陽電池工場を建設

 昭和シェル石油と100%子会社の昭和シェルソーラーは宮崎県国富市にある日立プラズマディスプレイのPDP工場を取得し、CIS太陽電池工場を建設すると発表した。投資額は約1000億円で、2011年に稼働を開始する予定。

 敷地面積は約40万m2で、年産能力900MWの生産設備を導入する。この結果、既存の第1工場および第2工場と合わせた能力は1GWになる。


ニューロング精密 ロータリースクリーン印刷機をリリース

 ニューロング精密工業は、回転する円筒状孔版で連続印刷するロールtoロール式連続スクリーン印刷機「LS-500NR」をリリースする。

 一般的な平版スクリーンを用いる印刷機に比べ処理速度が高いのが特徴で、無線タグ、FPC、タッチパネル、太陽電池、電子ぺーパー、MEMSなどでの利用を見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜9月4日


大日本印刷 有機EL&無機ELとパネルスピーカー搭載の光る・しゃべるポスターを開発

 大日本印刷は、文字情報を表示する有機ELパネルと絵柄をアニメーション表示する無機ELパネルに加え、パネルスピーカーを搭載した“光る・しゃべるポスター”を開発した。プロサッカーチーム「ベガルタ仙台」の協力のもと、仙台市で光る・しゃべるポスターを用いた実証実験を行う。


▲絵柄をアニメーション表示する様子

 有機ELパネルは、インキ状にしやすい高分子材料をグラビア印刷技術によって塗布。従来の蒸着方式に比べパネルを大型化・ローコスト化できる。パネルサイズは縦32×横192mmで、12Vの駆動電圧で100cd/m2の輝度が得られる。なお、今回のパネルは基板にガラスを使用したが、今後、プラスチックフィルムを用いてフレキシブルパネルにする予定。

 無機ELパネルは白色を発光させるバックライトで、インクジェットプリンターで絵柄をフルカラー印刷したフィルムと貼り合わせ、無機ELの発光によって絵柄にアニメーションのような変化を持たせてアイキャッチ効果を高める。最長2万時間と長寿命で、消費電力も蛍光灯の約60%と省電力なのが特徴だ。

 一方、パネルスピーカーは空気を振動させて音声を伝える振動板をポスターの裏面に貼り合わせたもので、携帯音楽プレーヤーなどから入力された音声信号を振動に変換する装置「エキサイター」を振動板に貼り付けることによってクリアな音声を伝えることができる。振動板は厚さ5mm以下と薄く、自由な形にカットできるためPOPなどへの加工も可能となっている。

 今回の実証実験ではベガルタ仙台のエンブレムを表示。背景の放射状の絵柄やエンブレムの内部が無機ELのセグメント方式発光によってランダムに点灯してアニメーション効果をもたせるとともに、ポスター左上部の有機ELパネルに試合日程やお知らせなどの文字情報を表示する。さらに、応援歌などの音声を同時に流すことで宣伝効果を高める。実施場所はオフィシャルショップカーサベガルタ店頭、阿部蒲鉾店(中央店)など4か所で、4日から12月までを予定。運用は、グループ会社で東北地域で営業・製造を担当するDNP東北が行う。
  
  大日本印刷では実証実験を通じて実用化に向けた技術検証を行い、2010年春にオンデマント印刷サービス「Pos-La(ポスラ)」の新製品として販売を開始する予定だ。


FPD/PCB NEWS〜9月3日


篠田プラズマ JR東京駅でプラズマチューブアレイディスプレイの実証実験を開始

 篠田プラズマは、ジェイアール東日本企画と共同でJR東京駅構内でプラズマチューブアレイを用いた超大画面フィルムディスプレイ「SHiPLA(シプラ)」の実証実験を開始した。

 実施期間は4日までで、丸の内地下中央改札口脇・臨時イベントスペースに3×2mサイズの曲面SHiPLAを設置した。ちなみにモジュールの重さは7.2kg、消費電力は1000W。


FPD/PCB NEWS〜9月1日


シャープ 中国メーカーに第6世代TFT-LCDラインを売却
南京にTFT-LCD開発センターも建設し中国で垂直統合体制を構築

 シャープは、南京市と南京中電熊猫信息産業集団有限公司(CECパンダ)が設立したTFT-LCDメーカー「南京中電熊猫液晶顕示科技有限公司」に第6世代TFT-LCD生産ラインを売却する。TFT-LCD生産技術を提供するとともに、亀山第1工場にある第6世代ラインを売却するもので、新会社は南京市で2011年3月までに工場を立ち上げる予定。

 また、シャープは南京市、中国電子信息産業集団有限公司(CEC)と第8世代ラインの合弁事業について協議を進めていくことで合意。さらに、シャープはパネルから液晶テレビまでを設計・開発する「液晶設計開発センター」を南京市に建設。2010年4月に開設する予定。これらの結果、中国で設計・開発、パネル・モジュール生産、液晶テレビ組立までを行う垂直統合体制を構築する。


京セラ 毎秒1億5000万発が吐出可能なIJヘッドを開発

 京セラは、世界最速の印刷速度を実現したインクジェット(IJ)ヘッド「KJ4シリーズ」を開発した。

 ノズルから最大毎秒6万回(駆動周波数60kHz)の液滴が吐出可能で、2656個ノズル構成の1ヘッドから毎秒約1億5000万個の液滴を吐出することができる。従来のIJヘッドは解像度600×600dpiの場合、駆動周波数30kHzで世界最速の印刷速度150m/分を実現。今回のヘッドは600×360dpiの場合、40kHzで330m/分、600×600dpiの場合、40kHzで200m/分、1200×1200dpiの場合、60kHzで150m/分と世界最速を実現した。

 駆動周波数を高速化するとともに、インクの吐出直進性を向上するためにノズルの形状精度を高めた。また、インク着弾精度を従来比1.5倍に高め、高精度印刷にも対応できるようにした。もちろん、世界最大の有効印字幅(4.25インチ)という従来からの特長も確保。水系インクに加え、UVインク、油系インクに対応させる予定で、紙以外にも布やプラスチックフィルムのような非吸収体などにも対応できるようにする。このため、電子回路の設計やTFT-LCDの製造などにも用途を拡大させていく考えだ。