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FPD/PCB NEWS〜7月31日


三井金属 キャリア付極薄電解銅箔の生産体制を増強

 三井金属は、ICパッケージ回路基板用キャリア付極薄銅箔「MicroThin」の月産能力を45万m2から60万m2体制へ増強した。今後、月産100万m2体制への増強も検討している。

 MicroThinは18μmの支持体銅箔(キャリア銅箔)付き極薄銅箔で、銅箔厚は1〜5μmながらキャリア付きであるため、従来の銅箔と同等の取り扱い性を有している。


三井金属 屈曲特性に優れた極薄電解銅箔を販売

 三井金属は厚さ9μmの電解銅箔「S-HTE (スーパー‐エイチ・ティ・イー)」を開発、国内主力拠点である上尾工場(埼玉県上尾市)で量産体制を整え、サンプル出荷を開始した。

 S-HTEは、ユーザーサイドでのアニールによって屈曲に適した結晶構造に変化するのが特徴。また、薄箔化によってファインエッチング性に加え屈曲性も高めた。


FPD/PCB NEWS〜7月30日


シャープとソニー 堺市に建設中の大型TFT-LCD工場で合弁契約を締結

 シャープとソニーは、大阪府堺市に建設中のテレビ用大型TFT-LCD工場に関する合弁契約を締結した。

 シャープは7月1日付で新工場を会社分割によって100%子会社「シャープディスプレイプロダクト(SDP)」に承継。10月の稼働に向け準備中。第1段階としてSDPは12月29日に第三者割当て増資を行い、ソニーから100億円の出資を受けシャープとソニーの合弁会社になる。以降、ソニーは段階的に出資し、最終的に出資比率を34%に引き上げる。また、両社はTFT-LCD用部材の共同開発も検討する。

 新工場は第10世代マザーガラス投入能力3万6000枚/月でスタート。最終的には投入能力を7万2000枚/月に引き上げる。投資額は約4300億円を見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜7月28日


昭和電工 塗布型燐光高分子有機ELの光取り出し効率を40%に


▲図 新構造の有機EL素子の断面構造

▲照明用の試作デバイス

 昭和電工は、新構造を採用することにより塗布型燐光高分子有機EL素子の光取り出し効率を約40%に高めることに成功した。米SRIインターナショナル、伊藤忠プラスチックスとの共同開発成果で、電力効率も世界最高水準となる30lm/Wに高めた。

 図のように素子内に光反射を調整する誘電体層を挿入。素子内に閉じ込められる光を減少させ、光の取り出し効率を高めた。誘電体層は放熱性にも優れるため、発光層の熱劣化を抑制し素子の長寿命化にも寄与する。

 2010年に照明デバイス向けとしてサンプル販売を開始。2015年までに効率150lm/W、輝度半減寿命5万時間を実現したい考えだ。


FPD/PCB NEWS〜7月24日


6月の大型TFT-LCD出荷枚数が過去最高を更新


▲大型TFT-LCD出荷枚数推移 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、6月の大型TFT-LCD(10型以上)の出荷枚数は前月比24.3%増の4687万枚と、前月に続き過去最高を記録した。1月はここ数年で最低レベルにまで落ち込んだが、5か月で97%も増加した格好だ。

 アプリケーション別では、モニター用パネルが前年同月比プラス成長に転じた。また、テレビ用パネルは前年同月比54%増と好調をキープ。大型パネルに占める比率は数量ベースで27%、金額ベースで55%に達した。

 メーカーシェアは、金額ベースではSamsung Electronicsがシェア27%でトップ。LG Displayがシェア24%で2位、AU Optronics(AUO)がシェア16%で3位。韓国メーカーのシェアは前年同月の44%から52%と過半数を超えた。一方、数量ベースではLG Displayがシェア24%でトップ、Samsungが僅差の2位だった。

 最近は中国と北米でテレビ需要が増加している一方、一部の部材調達に問題が発生したことによりパネル需給にタイト感が強まっている。とくに、ガラス基板の調達に苦心しているメーカーが多く、第5世代(1100×1300mm)ラインと第6世代(1500×1850mm)ラインの稼働率が計画を下回っており、当分はパネルの供給不足が続くとみられる。


FPD/PCB NEWS〜7月23日


大日本印刷 グラビア印刷技術を用いた有機ELパネルを開発

 大日本印刷は、グラビア印刷技術を用いた高分子有機ELパネルを開発した。文字などの可変情報を表示できる電光表示パネルとして2010年の実用化を目指す。

 試作パネルは、300×300oガラス基板(厚さ0.7mmの)上に独自開発したグラビア印刷機と特殊ポリマーインクを用いて、ホール注入層(膜厚約60nm)、ホール輸送層(約20nm)、高分子発光層(約80nm)を形成した。膜厚均一性は±4%以内と高く、輝度ムラもないという。電圧12Vで100cd/m2という輝度が得られる。


FPD/PCB NEWS〜7月22日


6月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比14%減

 DisplaySearchの発表によると、6月のTFT-LCD出荷金額は前年同月比14%減、前月比14%増の59億2300万ドルとなった。

 このうちノートPC用パネルの出荷枚数は前年同月比19%増の1470万枚、モニタ用パネルの出荷枚数は12%増となっている。


FPD/PCB NEWS〜7月21日


LG Chem TFT-LCD用ガラス基板事業に進出

 LG Chem(韓国)は、TFT-LCD用ガラス基板事業に参入する。坡州(Haju)に新工場を建設し、2012年初めから量産する。

 下半期から1期ラインの建設に着手。3期ラインまでの年産能力は計1700万m2以上となる。投資額は1兆2000億ウォン。

 坡州にTFT-LCD工場があるLG Displayを中心に供給する。当面は第8世代ガラス基板を生産。LG Display以外にも台湾のパネルメーカーへも拡販する。


FPD/PCB NEWS〜7月17日


第1四半期にAM有機ELD出荷金額が初めてPMパネルを上回る

 DisplaySearchによると、第1四半期の有機ELディスプレイ出荷金額は08年第1四半期比8%減の1億4300万ドルとなった。

 アクティブマトリクスパネルがNokia、Samsung Electronics、Sony Ericsson Mobile Communicationsなど携帯電話メーカーからの需要増加により、初めてパッシブパネルを上回った。


FPD/PCB NEWS〜7月16日


LG Display 第8世代TFT-LCDラインを増設

 LG Displayは、第8世代TFT-LCD生産ラインを新設する。投資額は3兆2700億ウォン(約2400億円)で、2010年下期に稼働を開始する予定。

 坡州(Haju)にある主力工場に新ラインを導入する。まず投入能力6万枚/月でスタート、2011年中に12万枚/月にまで生産能力を増強する。この結果、3月に立ち上げた既存の第8世代ラインと合わせ最終的な生産能力は2.4倍に拡大する。


FPD/PCB NEWS〜7月15日


東芝モバイルディスプレイ a-Si TFT-LCDラインの生産停止などTFT-LCD事業を再編

 東芝モバイルディスプレは、TFT-LCD事業構造改革の一環として生産体制を再編する。姫路工場(兵庫県姫路市)の機能を石川工場(石川県川北町)へ移転し集約するとともに、関係会社であるティー・エフ・ピー・ディー(TFPD)での生産を停止する。

 姫路工場にあるモジュール生産ラインを来年1月に石川工場へ移転する。これに先立ち、製造技術や品質管理などの間接部門を10月から順次、石川工場などへ移転する。これらにより姫路工場から約310名が石川工場と深谷工場へ異動する。

 また、TFPDの360×465mm基板対応a-Si TFT-LCDラインを閉鎖し、12月末までに生産を停止する。

 今回の再編により、石川工場を中心にアレイ・セル・モジュール一貫工程ラインを構築する考えだ。


日立ディスプレイズ VGA対応高精細TFT-LCDの生産能力を3倍に増強

  日立ディスプレイズは、高精細なVGA対応小型TFT-LCDの生産能力を増強する。低温Poly-Si TFT-LCDラインを増強するとともに、7月末までにa-Si TFT-LCDラインでVGAパネルの生産を開始。年末までに高精細パネルの月産能力を現在の160万枚から500万枚体制(3型パネル換算)に高める。

 低温Poly-Si TFT-LCDラインでは工程短縮やマザーガラス1枚当たりの面取り数の増加、タクトタイム律速工程の製造設備増強により、生産能力を増強する。

 一方、a-Si TFT-LCDラインではこれまで小型VGAパネルを量産するのが困難だったが、製造工程における精度向上や多層配線などの工夫により、小型VGAパネルの量産技術を確立した。


FPD/PCB NEWS〜7月14日


シチズンセイミツ 電子ペーパーがシャープとSamsungの携帯電話に採用


▲Alias2 SCH-u750を横に開いた場合

 シチズンセイミツは、米E INKの「Vizplex Imaging Film」を用いた電子ペーパーモジュールがシャープとSamsung Electronicsの携帯電話に採用されたと発表した。

 シャープの携帯電話は「KDDI SOLAR PHONE SH002」で、世界で初めてソーラーパネルを搭載。太陽光による10分の充電で1分の通話が可能。サブディスプレイには1.1型電子ペーパーを搭載。電源OFF時もソーラーパネルの充電状態や通話可能時間が表示できる。

 他方、Samsung Electronics製の「Alias2 SCH-u750」はメモリー性、フレキシブル性を利用し、世界で初めて電子ペーパーキーパッド(Magic Key Keypad)を搭載。パネルは3型で、厚さを0.43mmに薄型化した。通話時は通常のテンキーだが、写真のようにテキスト入力モードではフルQWERTYキーボードに変化する。


FPD/PCB NEWS〜7月10日


5月のPDP出荷枚数は107万枚に
50型以上の比率が過去最高の40%に上昇


▲サイズ別PDP出荷動向 出所:Displaybank

 Displaybankによると、5月のPDP出荷枚数は107万枚で、このうち50型以上が39%を占めた。その一方、30型クラスが全体の4%に縮小。これは、LG Electronicsのみが生産していた32型PDPがTFT-LCDとの競争に敗れ生産中止に追い込まれたことに加え、パナソニックも37型パネルの生産を減らしたため。

 大型化とともにフルHD(FHD)比率も急上昇し、初めて30%を越えた。すでにパナソニックは46%がフルHDで、韓国メーカーもその比率を高めている。


FPD/PCB NEWS〜7月9日


シャープ 亀山第2工場のTFT-LCD生産能力を増強

 シャープはテレビ用TFT-LCDを増産するため、亀山第2工場のマザーガラス投入枚数を9万枚/月から10万枚/月に引き上げる。

 同社は4月に亀山第2工場をフル稼働。大阪府堺市に建設中の新工場も10月に稼働を前倒しすることを発表。しかし、その後もパネルの引き合いが順調なため、生産効率を改善し、8月から亀山第2工場の生産能力を引き上げることにした。


三菱電機 グラスボンディングタイプの産業用12.1型/15型TFT-LCDをリリース

 三菱電機は保護ガラスを表示面全体に接着したグラスボンディングタイプTFT-LCDの製品ラインアップを拡充、新たに12.1型XGAと15型XGAモジュールを発売する。高輝度かつ明るい環境でも反射や映り込みが少ないため、高い視認性が求められる屋外機器に適している。

 輝度は12.1型が900cd/m2、15型が1500cd/m2。表示面全体に厚さ約3oの保護ガラスを樹脂で接着することで、単に保護ガラスを取り付けた場合に比べ外光反射率を1/10に低減した。


旭硝子 中国のCRTガラスメーカーを中国企業に無償譲渡

 旭硝子の連結子会社である韓国電気硝子は、100%子会社でCRT用ガラスメーカーの「湖南HEG電子玻璃有限公司(中国)」の全株式を湖南電子信息産業集団公司と金果国際投資有限公司に無償で譲渡すると発表した。CRT市場縮小を受けた生産体制再編の一環。2社は湖南HEGの負債2050万ドル分を引き受ける。


FPD/PCB NEWS〜7月8日


第1四半期の大型LCD用偏光板シェアはLG Chemが2期連続でトップ


▲大型TFT-LCD 用偏光板市場展望 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、第1四半期の大型TFT-LCD用偏光板市場シェアはLG Chem(韓国)がシェア30%を獲得し2四半期連続で1位をキープした。2位はシェア24%で日東電工。住友化学がシェア19%で3位、ACE Digitech(韓国)がシェア8%で4位と続き、韓国メーカー2社の合計シェアが約40%に達した。

 このうちテレビ用偏光板市場規模は約10億ドルで、金額ベースで52%、面積ベースで57%を占めた。このカテゴリーでもLG Chemが面積ベースでシェア30%を占めトップ。続いて、日東電工がシェア25%で2位、住友化学がシェア25%で3位。これら3社合計のシェアは80%に達した。

 モニター用偏光板市場も面積ベースでLG Chemがシェア36%を占めトップ。日東電工とACE Digitechがシェア19%で2位を分けた。とくに、ACE DigitechはSamsung Electronicsの60%、HannStar Displayの93%に供給するなどシェアを大幅に拡大した。

 ACE Digitechは年内にテレビ用偏光板の供給を開始する予定で、今後、韓国メーカーのシェアがさらに拡大するとみられる。


FPD/PCB NEWS〜7月7日


半導体エネルギー研究所 ドライバ回路内蔵のIZGO-TFT-LCDを開発

 半導体エネルギー研究所は、ガラス基板上にドライバ回路を一体形成したアモルファスIGZO(In-Ga-ZnO)-TFT-LCDを開発した。IGZOも含め酸化物TFTでドライバ回路をビルトインしたのは世界で初めて。

 試作したのは4型QVGAパネル(320×240画素)で、TFTはコンベンショナルなボトムコンタクト構造を採用。キャリアモビリティを10cm2/V・secに高め、ソースライン、ゲートラインを安定駆動できるようにした。


FPD/PCB NEWS〜7月6日


リコー、ABI、北大 バクテリアセルロースを使った紙の電子ペーパーを開発


▲発色状態

  リコー、アグリバイオインダストリ(ABI)、北海道大学は、バクテリアが合成するセルロース(バクテリアセルロース)から作製した紙に直接電極を形成し、紙に含ませた色素を電気的に発色させる表示デバイスを発色させることに成功した。ガラスやプラスチックフィルムといった支持基板が不要で、紙自体が発消色するため、ローコストでエコロジーなデバイスが実現する。

 セルロースは自然界に豊富に存在する高分子。バクテリアによって合成されるバクテリアセルロースは植物由来の繊維に比べ1/1000という極めて細い繊維ネットワーク構造を有しており、高い保水性、機械的強度、生分解性といった特徴がある。今回、容易に入手できる非食用原料を用いて安価にバクテリアセルロースを合成することに成功。さらに、微細な構造を保ったまま表示デバイスとして機能させるために最適な空隙率と均一な厚さを有するバクテリアセルロース紙の作製手法を発見した。そして、電圧をかけると消色状態から発色状態へ可逆的に変化するエレクトロクロミック色素を溶かした電解液をバクテリアセルロースの紙に浸透させ、その両面に電極を形成して表示デバイスを試作した。実用化にはまだ年月を要するが、紙の電子ペーパーの実現可能性が実証できたとしている。


有機EL照明器具の製造販売会社が誕生
 
  後藤電子社長の後藤芳英氏、山形大学教授の城戸淳二氏らは、有機EL照明器具の製造販売会社「オーガニックライティング梶vを設立した。2010年1月をメドに照明器具のサンプル出荷を開始する予定。

 資本金は1280万円で、後藤氏と城戸氏が23.4%を出資。代表取締役社長には後藤氏が就任した。本社は山形大学工学部内(山形県米沢市)に設置。照明器具のマーケティング、デザイン、器具設計を行い、おもに県内企業から部品を調達し、県内企業で加工・組立を行い販売する。有機EL照明器具専業会社の設立は世界初。


FPD/PCB NEWS〜7月2日


日立 酸化銀マイクロ粒子を用いた鉛フリー低温接合技術を開発


▲SiCとの接合部界面

 日立製作所は、200〜250℃で半導体素子と基板を接合し、かつ接合後には耐熱温度500℃以上を有する鉛フリー接合技術を開発した。酸化銀マイクロ粒子を接合材として使用するとともに、新開発した還元促進剤を添加することにより低温で加熱・還元しAgナノ粒子を生成させて接合するもので、高い耐熱性とローコスト性を合わせ持つ。

 鉛フリーのAgナノ粒子接合法は、Agの融点よりも低い温度で接合可能なため、接合後にAgの特長である高放熱性・高耐熱性が得られ、高温環境に適した接合技術として注目されている。しかし、Agナノ粒子は高価であり、かつ接合時にAgナノ粒子を安定化するために用いられる保護膜を300℃程度の加熱により除去する必要があるため、接合温度の低温化には限界があった。

 そこで、同社は酸化銀マイクロ粒子に還元促進剤を添加し、低温で加熱・還元する際にAgナノ粒子が生成される接合技術を開発した。前記の表面保護膜除去の必要がないため、200〜250℃と低温接合が可能になる。また、加熱後にAgナノ粒子が生成されるため、Agナノ接合の特長である高放熱性・高耐熱性も備える。さらに、接合材の作製や保管が容易なため、接合コストも大幅に低減できる。加えて、AlやSiなど表面に酸化物を形成している材料についても酸化膜を除去せずに接合できることを確認。これまで高温接合が難しかった有機材料の接合にも道を拓くとしている。


FPD/PCB NEWS〜7月1日


理化学研究所 エレクトロスプレーデポジション法で有機EL薄膜パターンを形成





図2 ESD法で形成した有機EL薄膜とその発光特性
(a)オレンジ色のストライプ部分が有機EL薄膜。
(b)発光しているドットのCCDカメラによる画像。グラフはスピンコート法で形成したサンプルとの比較データで、低電圧領域ではESDサンプル(C-4)の方が高い輝度を示している。


図1 ESD法の原理

 理化学研究所は、エレクトロスプレー・デポジション(ESD)法により有機EL薄膜パターンを形成することに成功した。

 静電気力を活用したESD法(図1)は、タンパク質などの生体高分子薄膜形成手法として知られる。従来のESD法はサンプル溶液を細いキャピラリーに収め、基板との間に高電圧を印加し電界集中によって発生する微細な液滴をスプレーし、帯電した霧状の溶液を静電気力により基板上に捕集することで薄膜化する。微細なナノパーティクルやナノファイバーが形成可能で、タンパク質チップなどの製造で有効とされる。しかし、有機半導体材料の薄膜形成法としてはピンホールができやすいという問題があった。

 今回、有機半導体材料の一つであるpoly(2-methoxy-5-(2-ethylhexoxy)-1,4-phenylenevinylene)(MEH-PPV)を蒸発速度の異なる2種類の溶媒に溶解し、ESD法により膜厚120nmでITO電極上に形成した。電子顕微鏡などによる表面状態の観察から、薄膜は溶媒の混合比率やサンプル濃度によってパーティクルモード、ウェットモード、それらの中間のフィルムモードをとることが判明した。パーティクルモードでは従来のナノパーティクルの集積からなる多孔状薄膜となり、ウェットモードでは液体を基板上に塗布して乾燥させた際に発生する不均一な薄膜が形成される。一方、フィルムモードは二つのモードの問題がなく平滑な膜が得られた。その表面平滑性は1nm以下をマーク。さらに、100×340μmのドットをITO基板上に形成し、電気的特性や発光特性を測定したところ、スピンコート法で形成した薄膜と同等以上の性能を示すことが確認できた(図2)。