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FPD/PCB NEWS〜4月30日


三菱電機 曲面形状の15.6型TFT-LCDを開発

 三菱電機は、曲面形状の15.6型TFT-LCDを開発した。縦横アスペクト比3:10の超横型パネル(1600×480画素)で、800×480画素のワイドVGA画面を横に並べて表示できる。

 平面表示と同等な画質が実現できるパネル構造、パネル加工技術、湾曲させても輝度均一性がほとんど変化しないLEDバックライトを採用。480mmから4000mmの曲率半径を自由に設定できるようにした。このモジュールを複数枚横に並べることにより、コックピット風ディスプレイ、全方向型ゲーム機などデザイン性向上が期待できる。写真は曲率半径の異なる5枚を並べたもので、滑らかなカーブを持つ曲面ディスプレイが実現する。製品化は2012年を予定している。


FPD/PCB NEWS〜4月27日


巴川製紙所と凸版印刷 LCD用光学フィルム事業で資本・業務提携

 巴川製紙所と凸版印刷は、LCD用光学フィルム関連事業で業務提携することで合意した。これに関連し、巴川製紙所は第三者割当により発行する株式のうち341万4000株を凸版印刷に割り当てる。


大日本印刷 印刷法でメッシュをパターニングした透明導電フィルムを開発

 大日本印刷は、導電性メタル材料をフィルムにメッシュ状で印刷し、折り曲げや任意のパターン形成も可能な透明導電フィルムを開発した。FPD、タッチパネル、太陽電池、電波吸収体向けとして5月からサンプル出荷し、今秋から本格販売する。

 詳細は明らかにしていないが、1000mm程度の広幅フィルムにRoll to Roll方式によってAgインクを印刷し、メッシュパターンをダイレクト形成する。もちろん、コンベンショナルなITO透明導電フィルムに比べ割れやキズが発生しにくく、折り曲げ加工も可能。また、ミニマム0.1Ω/□までの低抵抗化が可能となっている。


FPD/PCB NEWS〜4月24日


第1四半期のPDP出荷枚数は前年同期比19%減

 Displaybankの発表によると、第1四半期のPDP出荷枚数は前年同期比19%減の286万枚、出荷金額は34%減の10億1400万ドルとなった。いずれも大幅マイナスに終わったのは景気低迷や季節的要因に加え、日立プラズマディスプレイとパイオニアがモジュール事業から撤退したため。

メーカー
1Q'08
2Q'08
3Q'08
4Q'08
1Q'09
日立
152
171
174
163
101
パナソニック
993
1,187
1,554
1,788
1,167
Samsung SDI
1,078
1,133
1,233
996
871
LG Electronics
1,247
967
1,094
680
705
その他
5
3
3
3
3
パイオニア
47
98
107
53
14
合計
3,520
3,558
4,165
3,683
2,861
▲メーカー各社のPDPモジュール出荷推移(単位:千枚) 出所:Displaybank

 日立プラズマとパイオニアは第1四半期にモジュールの生産を停止。今後、日立はパナソニックからモジュールを調達してPDPテレビを生産する一方、パイオニアはテレビ事業から完全撤退する。これにより、第2四半期からはパナソニック、Samsung SDI、LG Electronicsの3社、下期からはChanghong-Orion PDP-Chaihong(中国)を加えた4社がモジュール事業を展開することになる。

 前記のように第1四半期は低迷したものの、第2四半期は一転して回復に向かうと予想される。モジュール価格もTFT-LCDの価格がモニター用パネルを中心に反騰している影響から、安定する見通し。ちなみに、すでに40型クラスではTFT-LCDとPDPの価格が同等となっており、一部ではTFT-LCDの方が安くなっている。


FPD/PCB NEWS〜4月22日


3月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比28.8%増の3840万枚

 Displaybankの発表によると、3月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比28.8%増の3840万枚となった。金額ベースでは30%増の40億ドル。前月比プラスだったおもな要因は中国、北米、欧州で液晶テレビの販売が好調だったため。


▲大型TFT-LCDの出荷実績(出荷枚数ベース、単位:100万枚) 出所:Displaybank

 このうちテレビ用パネルの出荷枚数は1020万枚で、09年に入ってから初めて前年同期比プラス成長を果たした。とくに、中国で32型以下のパネルの需要が増加したことが寄与した。

 メーカーシェアは、金額ベースではSamsung Electronicsがシェア29%で1位、LG Displayがシェア25%で2位。Chi Mei Optoelectronics(CMO)がシェア15%で3位に入った。一方、数量ベースではSamsungが2か月連続で1位、LG Displayがシェア25%で2位、AU Optronicsがシェア15%で3位となっている。

 需要増によってパネルメーカー各社は前月に比べ生産ライン稼働率を10〜30%上げており、引き続きもモニター用とテレビ用パネルの受注が拡大するため、4月の出荷枚数は前月比10%程度増加すると予想される。


TPO 超低消費電力の半透過型低温Poly-Si TFT-LCDを開発

 TPO Displays(台湾)は、超低消費電力の3.47型半透過型低温Poly-Si TFT-LCDを開発したと発表した。

 画素数は640×360画素で、反射モード時の消費電力を1mWに抑えた。2010年第1四半期から量産出荷する予定。


FPD/PCB NEWS〜4月21日


三菱マテリアル 鉛フリーはんだ微細粉ペーストを開発


▲リフロー後のはんだバンプ

 三菱マテリアルは、集積回路のパッケージを高密度化できる狭ピッチバンプ形成用鉛フリーはんだ微細粉ペーストを開発した。

 粉末製造法として、従来のアトマイズ法に代わって独自の化学還元法を適用。粒径5μm以下(平均粒径約3μm)のSn-Cu2元合金粉末を開発した。また、印刷法で微細バンプが形成可能なはんだペーストを開発。100μmピッチ以下の狭ピッチバンプ印刷を可能にした。

 7月からパイロットプラントでSn-Cu2元合金粉末を用いたはんだ微細粉ペーストを生産。引き続き、Sn-Cu3元系合金粉末を用いたはんだ微細粉ペーストを開発する。そして、4年後に年間10億円の売上げを見込んでいる。


FPD/PCB NEWS〜4月20日


帝人 山形大学工学部に高分子ナノ構造制御工学の寄附講座を開設

 帝人と帝人化成は、山形大学工学部にポリマーアロイの権威である井上隆客員教授の指導のもと「高分子ナノ構造制御工学講座」を開設した。

 高分子ナノ構造制御工学講座は、NEDOの協力により充実した実験設備を導入。井上客員教授の指導のもと、帝人化成の研究員が常駐しポリマーアロイの研究開発を行う。また、帝人化成のプラスチックステクニカルセンター(千葉県千葉市)、R&Dセンター(愛媛県松山市)とも連携して研究開発を推進する。


FPD/PCB NEWS〜4月17日


LG Display 第6世代TFT-LCD工場が完成

 LG Displayは、亀尾(Gumi)に建設していた6本目のTFT-LCD工場(P6E)が完成したと発表した。投資額は1.3兆ウォン。

 マザーガラスサイズは1500×1850oで、年末までに投入能力を6万枚/月に高める。おもにモニター用18.5型ワイド/20型ワイド、ノートPC用15.4型ワイド/15.6型ワイドパネルを生産する。


FPD/PCB NEWS〜4月16日


大日本スクリーン FPC用ダイレクトパターニング装置を開発

 大日本スクリーン製造はフレキシブルプリント配線板(FPC)用ダイレクトパターニング装置を開発、2010年に製品化すると発表した。

 新開発したダイレクトパターニング装置は、レジスト機能を持つ液体トナーを使用した電子写真方式により、エッチングレジストパターンを描画データからFPC上に直接印刷。この後、レジストパターンをマスクにしてウェットエッチングする仕組み。その結果、従来のフォトリソプロセスに比べ3倍という処理速度を実現した。詳細は明らかにしていないが、6月に開催される「JPCA Show 2009」で実機を展示する予定。


FPD/PCB NEWS〜4月15日


NICT キューブ型の裸眼3Dディスプレイを開発

 情報通信研究機構(NICT)は、キューブ型の裸眼3Dディスプレイ「gCubik」を開発した。

 図のように、キューブ状のgCubikの6面すべてに裸眼で観察可能な3D映像を表示し、「箱の中に立体映像が存在する」というコンセプトを具現化した。この結果、キューブの3面に3D画像を表示していた従来システムに比べ明るさを3倍、解像度を1.4倍に高めた。また、ディスプレイ部に極力制御基板などを配置しないことにより、1000×1000oクラスの3D画像表示でも手に持てるレベルにまで小型軽量化した。さらに、ディスプレイ部の表面にタッチパネル、内部に姿勢と加速度が計測できるセンサーやスピーカーを搭載。3D映像とのインタラクションができるようにした。


パナソニック社内ベンチャーのAJT 高粘度液が吐出可能なピエゾ式IJヘッドを開発

 パナソニックの社内ベンチャー企業「AJT」は、常温で200mPa・sという高粘度液を安定的に吐出可能なピエゾ方式インクジェット(IJ)ヘッドを開発した。

 従来のピエゾ式IJヘッドで吐出できる液の粘度は20mPa・s程度といわれる。このため、高粘度液を用いる場合は溶剤で希釈するか、ヘッド内にヒーターを設けて液を加熱し粘度を下げる必要があり、例えば接着剤についてはUV硬化型など一部しか使用できなかった。

 そこで、ピエゾ素子の力を効率的に伝えるヘッド構造を新たに開発。非加熱時で200mPa・s、70℃加熱で常温2000mPa・sという高粘度液を吐出できるようにした。このため、熱硬化型接着剤、フラックス、オイル、液晶、ナノ粒子分散液なども吐出できる。また、ヘッドサイズを6(W)×23(D)×18(H)mmに小型化するとともに、駆動電圧を24V以下に抑制した。このIJヘッドとヘッドコントローラーはマイクロジェットを通じて販売する。


FPD/PCB NEWS〜4月14日


LCD用偏光板市場は今後横バイで推移


▲偏光板の需要展望(出所:Displaybank)

 Displaybankは、LCD用偏光板市場規模を発表した。それによると、08年の市場規模は前年比18%増の63億2100万ドルとプラス成長を維持したが、今後は単価下落によって市場規模は横ばいで推移するとしている。

 08年は当初予想に比べ偏光板市場が低迷。こうしたなか、Samsung ElectronicsとLG Displayがパネル出荷枚数を増やした結果、そのグループ企業の偏光板メーカーも好調だった。具体的には、大型TFT-LCD用偏光板では出荷枚数ベースでLG Chem(韓国)がシェア30%で1位に浮上。これは、大口ユーザーであるLG Displayが08年第4四半期に大型パネル出荷枚数でトップに立ったため。また、Samsung Electronicsにモニター用偏光板を供給しているACE Digitech(韓国)もシェア5%を確保するなど好調だった。

 図は偏光板の生産能力と需要を比較・分析したもので、一般的に需給バランスが120% 以下になると供給がタイトになり、09〜2010年は全般的に供給過剰が続く見通し。地域別では09年は韓国のシェアが45%、2012年には50%になると予測している。


NEC液晶テクノロジー 反射特性を高めた3.5型半透過型TFT-LCDを発売

 NEC液晶テクノロジーはハンディターミナル、PDA、PND(パーソナルナビゲーションデバイス)向けとして反射特性を高めた3.5型QVGA対応半透過型TFT-LCD「NL2432HC22-45A」を製品化する。サンプル価格は8000円で、年間30万枚の出荷を見込んでいる。

 独自のSR-NLT(Super-Reflective Natural Light TFT)技術を採用し、反射率を16%、反射モード時のコントラストを20:1に高めた。また、反射光を広範囲に拡散させることによって視野角も上下左右70度にアップさせた。


富士フイルム 銀塩写真技術を適用した透明導電性フィルムを開発

 富士フイルムは、銀塩写真技術を応用した新たな透明導電性フィルム「エクスクリア」を開発した。サンプル出荷を経て今秋の製品化を計画している。

 PETフィルム上に塗布した銀塩をデジタル露光技術によってAg配線にパターニングすることにより、0.2Ω/□クラスの超低抵抗から数千Ω/□の高抵抗まで広範囲な抵抗値を実現。高い屈曲性も確保した。可視光透過率も80%以上を実現。ロール状で供給可能なため、導電性や透明性以外の機能を付与することも可能となっている。


FPD/PCB NEWS〜4月9日


三菱電機 白色LED採用の産業機器用9型TFT-LCDを発売

 三菱電機は、白色LEDバックライトを搭載した産業機器用9型ワイドVGA TFT-LCD4機種を発売する。

 通常モジュールに加え、アナログ抵抗膜方式のタッチパネルを組み込んだモジュール製品もライナップ。白色LEDバックライトの搭載により、業界トップレベルの6万時間というロングライフを実現した。また、既存のCCFL(冷陰極管)搭載パネルに比べ厚さを約3割薄型化。独自の色変換技術Natural Color Matrixの採用により色鮮やかで深みのある美しい画像が表示できる。もちろん、外形寸法、信号入力コネクタの位置はCCFL搭載パネルとの互換性を確保した。


FPD/PCB NEWS〜4月8日


シャープ 堺市に建設中のTFT-LCDを10月に稼働

 シャープは、大阪府堺市に建設中の「21世紀型コンビナート」内のTFT-LCD工場を10月から稼働すると発表した。

 2880×3130mmマザーガラスの投入能力は当初3万6000枚/月で、将来的には7万2000枚/月にまで増強する。投資額は約3800億円。テレビ用40型、50型、60型クラスのパネルを量産する。

 

三菱樹脂 FPD/有機薄膜太陽電池用ハイガスバリアフィルムをリリース

 三菱樹脂は、FPDや有機薄膜太陽電池向けのハイガスバリアフィルム「VIEW-BARRIER」を発売する。

 同社は昨夏から透明フィルムとしては世界最高水準となる10-4g/m2・dayレベルの水蒸気バリア性を持つ「X-BARRIER」を製品化。今回のVIEW-BARRIERはX-BARRIERのガスバリア性能に加え、パネル表面部材として求められる反射防止性、UVカット機能、防眩性、導電性、低収縮性、加工適性などニーズに応じてカスタマイズできるようにした。


FPD/PCB NEWS〜4月7日


大日本印刷 無機ELと有機ELを組み合わせた光るポスターを開発

 大日本印刷は、バックライト用の白色無機ELパネルとテキスト情報表示用の有機ELパネルを組み合わせた“光るポスター”を開発した。プロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」の協力を得て、7日から11月中旬まで仙台市青葉区内の楽天イーグルス展示スペースで公開する。

 比較的低コストで大型化が可能な高輝度無機ELと可変情報を表示できる有機ELを組み合わせたもので、高輝度照明用の無機ELはセグメント方式でカラー印刷した画像の背後から照射。一方、有機ELパネルはお知らせなどの文字情報を単色光で表示する。もちろん、曲面への設置も可能で、アイキャッチ効果も抜群だ。

 今回展示する光るポスターはB2サイズ(幅728mm×縦515mm)で、東北楽天のホームスタジアム「クリネックススタジアム宮城」、チームのロゴマーク、多数の風船や照明などをカラー印刷。これらが無機ELのセグメント方式発光によってランダムに点灯し、アニメーションのような効果を発揮する。さらに、ポスターの上部2かカ所に設置した細長の有機ELパネルに試合日程やお知らせなどの文字情報をスクロール表示する。

 同社は今回の展示を通じて製品化を検証し、2010年4月の販売開始を目指す。


FPD/PCB NEWS〜4月6日


東北デバイス 照明用有機EL面光源を本格外販

 東北デバイスは、照明用白色有機EL面光源の外販を本格化する。

 同社は05年3月から照光用白色有機ELを特定企業様向けに出荷してきたが、生産ラインの量産性とコストダウンにメドがついたため、不特定多数のユーザーにも供給することにした。オーダー数は少量から大量まで任意だという。


FPD/PCB NEWS〜4月3日


Dow Rohm and Haasの買収を完了

 米Dow Chemicalは、米Rohm and Haasの買収が完了したと発表した。Rohm and Haasの事業はDowの先端材料事業と統合されてDow Advanced Materials事業部門となる。


FPD/PCB NEWS〜4月1日


日立 日立プラズマ宮崎工場の譲渡で昭和シェル石油と協議

 日立製作所は、PDP生産拠点である日立プラズマディスプレイ宮崎工場の土地・建屋・人財を昭和シェル石油に譲渡する方向で検討を開始した。

 日立は昨年9月、薄型テレビ事業の競争力を強化するため、PDPの開発・生産体制を変更し、パネルをパナソニックから調達することを決定。これにともない、日立プラズマ宮崎工場の有効活用方法を検討してきた。

 一方、昭和シェル石油は子会社の昭和シェルソーラーが独自のCIS太陽電池製造技術を確立。2011年の稼働を目指し量産工場の建設を計画していた。


東芝 パナソニックからTMDの株式を取得し100%子会社化

 東芝は、TFT-LCD合弁会社「東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)」の全株式をパナソニックから買い取ると正式発表した。譲渡日は4月28日の予定で、100%子会社にともない、社名を「東芝モバイルディスプレイ梶vに改称する。

 TMDは引き続き中小型TFT-LCDを量産。また、量産延期報道があった有機ELディスプレイも近い将来、成長の柱として事業化する方針。