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FPD/PCB NEWS〜12月24日


LG Display 反射・透過切り換え可能なノートPC用14.1型TFT-LCDを開発

 LG Displayは、反射モードおよび透過モードに切り替え可能なノートPC用14.1型TFT-LCDを開発した。

 独自開発したバックライトデータシグナルスイッチング技術を搭載。反射板の使用を選択することにより、明所での反射モードから屋内や夜間での透過モードにまで切り換えられるようにした。パネルの消費電力を屋外使用で最大75%削減可能で、コントラストも反射モードで9:1以上を確保した。


FPD/PCB NEWS〜12月22日


08年のNetbook出荷台数は1462万台、09年には2632万台に

▲ノートPCの出荷台数とNetbookのシェア 出所:Displaybank

 Displaybankは、08年のNetbook(ミニノートPC)出荷台数は1462万台に達し、09年には前年比80%以上の2632万台となるという予測を発表した。

 07年第4四半期からASUSTekが出荷を開始して以来、急速に普及してきたNetbook。08年はAcerとASUSTekの出荷台数が全体の70%以上に達し、09年も両社が67%以上のシェアを占めると予想される。Eee PCブランドで市場を開拓したASUSTekは今年第2四半期までは台数ベースで1位を維持してきたが、Acerが「Aspire one」を発売したことにより、第3四半期には2位に後退した。09年は引き続きAcerがシェア37.3%でトップ、ASUSTekがシェア33.2%で続くと予想される。

 Displaybankでは07年から2012年まで年平均成長率140%で急成長するとみている。


FPD/PCB NEWS〜12月19日


11月の大型TFT-LCD出荷枚数は前年同月比21.7%減の2940万枚
韓国メーカーの売上シェアが58%に急増

▲大型TFT-LCDの出荷動向(単位:100万枚) 出所:Displaybank

 Displaybankの発表によると、11月の大型TFT-LCD出荷枚数は前月比20.5%減、前年同月比21.7%減の2940万枚となった。これは、07年4月以降では最低に当たる。

 パネルメーカーの合計売上高も前月比28%減、前年同月比51%減の38億ドルとなった。韓国メーカーは売上シェアを前年同月の44%から58%にアップ。台湾メーカーのシェアは44%から28%と大幅に縮小した。

 メーカー別の売上シェアは、テレビ用大型パネルの出荷比率が高いSamsung Electronicsがシェア32.5%で1位。LG Displayがシェア25.4%、AU Optronics(AUO)がシェア12%で続く。一方、数量ベースではLG Displayがシェア25.8%でトップ。Samsungがシェア24.1%で2位、AUOがシェア15.3%で3位だった。


シャープと日立ディスプレイズ DS用TFT-LCDで独占禁止法命令

 シャープと日立ディスプレイズは、任天堂の「ニンテンドーDS Lite」に用いられるTFT-LCDの取り引きで公正取引委員会から独占禁止法にもとづく排除措置命令と課徴金納付命令を受けたと発表した。両社とも審判請求を含め今後の対応を検討する。


FPD/PCB NEWS〜12月18日


エプソン データプロジェクター用0.74型/0.8型高温Poly-Si TFT-LCDを量産

 セイコーエプソンは、3LCD方式データプロジェクター向けとしてC2FINE技術を採用した0.74型ワイドXGA/0.8型XGA高温Poly-Si TFT-LCD(HTPS:High Temperature Poly- Silicon)を開発、量産を開始した。

 どちらもD7プロセステクノロジーにより開口率を0.74型で72%、0.8型で79%に高めた。この結果、プロジェクターの高輝度化が容易になり、0.74型パネルで4000lm前後、0.8型で5000lm前後という高い照度が得られる。また、無機配向のC2FINE技術を採用。さらに、ノーマリーブラックモードを採用し漆黒の黒表示を実現するなどプロジェクターの高コントラスト化・高画質化を容易にした。


FPD/PCB NEWS〜12月17日


メイコー J.MACCのFPD検査装置関連事業の買収額は1億6900万円

 メイコーは、10月15日付で取得したJ.MACCのFPD用画質検査装置、プローブ製品、ピンプローブ治具、特殊PCB事業の買収金額が1億6900万円に決定したと発表した。


FPD/PCB NEWS〜12月16日


AUO 8.5世代TFT-LCDラインで46型パネルを試作

 AU Optronics(AUO)は、台湾・台中サイエンスパーク内にある第8.5世代TFT-LCDラインでテレビ用46型パネルを試作することに成功した。09年第3四半期から量産する予定。対応マザーガラスサイズは2200×2500mmで、52型/55型が6面取り、46型が8面取りできる。


日立 IGZO-TFTの動作電圧を1.5Vに低減

 日立製作所は、InGaZnO4(IGZO)酸化物半導体を用いたTFTの動作電圧を1.5Vに低減させることに成功した。従来は3〜数十Vだったが、チャネル層の厚さを従来の1/10に当たる6nmに薄膜化しスイッチ動作性能を高めた。このため、電池や無線での駆動が可能になる。

 IGZO膜を薄膜化することにより、トランジスタのOFF時に流れるリーク電流を低減するとともに、より小さなゲート電圧でON/OFF切り替えを実現した。スイッチの動作性能を示すサブスレッショルド係数は25℃で63mV/dec(電流量を1桁上昇させるのに必要な電圧)。これは理論限界値である59.2mV/decに迫るもので、もちろん酸化物TFTでは世界最小に当たる。電源電圧1.5Vでのドレイン電流のON/OFFレシオは108以上とa-Si TFTや低温Poly-Si TFTをも上回る。


FPD/PCB NEWS〜12月12日


シャープ テレビ大型TFT-LCDの生産を亀山第2工場に集約
中小型パネルは亀山第1工場を中心に生産

 シャープは、TFT-LCDの生産体制を再編する。テレビ用大型TFT-LCDの生産を第8世代マザーガラス対応の亀山第2工場に集約。2010年3月までに稼働する堺新工場(第10世代マザーガラス対応)が完成するまでテレビ用大型TFT-LCD生産拠点にする。

 一方、中小型パネルは三重(第1、第2、第3)工場と天理工場で生産しているが、これらの一部生産を亀山第1工場(第6世代マザーガラス対応)に移管する。また、三重工場、天理工場とも順次、生産品目やパネルサイズを変更。減価償却を終えた三重第1工場と天理工場の一部の生産ラインは閉鎖する。


カネカ 世界最高水準の高熱伝導グラファイトシートを開発

 カネカは、世界最高水準の熱伝導率を誇るグラファイトシートを開発した。携帯電話をはじめとするモバイル機器の熱拡散材料として拡販する。

 開発したグラファイトシートは炭素原子からなり、結晶性が高いのが特徴。このため、熱伝導率は1200W/mKとCuの約3倍、Alの約5倍をマーク。また、厚さが50μm以下と薄く、比重も約2g/cm3とCuの1/4以下であるため、モバイル機器に適する。もちろん、フレキシブル性があり、打ち抜き加工や折り曲げも容易。さらに、耐熱性も400℃以上と高く、電子機器で問題となる吸水率もほぼ0%を誇る。そのほか、携帯電話で重要となる1GHz以上の周波数領域で50dB以上の反射効果を示すため、電磁波を遮蔽する優れた電磁シールド性能も合わせ持つ。

 すでに一部ユーザーでの採用が決定。グラファイトシートに絶縁フィルムや粘着材などを複合化した形態で販売する予定で、5年後に売上高100億円を目指す。


FPD/PCB NEWS〜12月11日


第3四半期の有機ELD出荷額は前年同期比60%増の1億4100万ドル

順位
メーカー
数量シェア
1

RiTdisplay

36%

2
Samsung SDI
26%
3
TDK
17%
4
東北パイオニア

12%

5
Univision Technology
4.4%
その他

4.6%

合計

合計

100%

▲第3四半期のメーカーシェア(出所:DisplaySearch)

 DisplaySearchによると、第3四半期の有機ELディスプレイ出荷金額は第2四半期比11%減、前年同期比60%増の1億4100万ドルとなった。

 アクティブパネルの出荷枚数は第2四半期比微増の170万枚。Chi Mei ELが過去最高の出荷枚数を記録した一方、トップのSamsung SDIは第2四半期比マイナス成長に終わった。

 パッシブパネルの出荷枚数は第2四半期比22%減だったが、減少分の大半はモノクロパネルで、カラーパネルは好調を維持した。

 数量ベースのメーカーシェアは1位がシェア36%のRiTdisplay。Samsung SDIは数量ベースではシェア26%の2位だが、金額ベースでは1位をキープした。数量ベースの3位はTDK(17%)、4位は東北パイオニア(12%)、5位はUnivision Technology(4.4%)。


SII 子会社のエスアイアイ・マイクロテクノを吸収合併


  セイコーインスツル(SII)は、100%子会社であるエスアイアイ・マイクロテクノを09年2月1日付で吸収合併する。中小型LCDや半導体などの電子デバイス事業の強化および効率化を図るためで、これにともないSIIマイクロテクノを解散する。


FPD/PCB NEWS〜12月10日


HPとFDC Roll to Roll方式でアクティブ駆動フレキシブル電子ペーパーを開発

  米Hewlett-Packard(HP)と米Arizona州立大学のFlexible Display Center(FDC)は、Roll to Roll方式で作製したE Ink方式アクティブマトリクス駆動電子ペーパーを共同開発した。

 帝人デュポンフィルムのPENフィルム「Teonex」上にRoll to Roll方式でa-Si TFTアレイを作製。その後、E Inkの「Vizplex」をラミネートした。TFTアレイ作製時におけるアライメントについては、HPが開発した自動位置合わせ技術(SAIL:Self-aligned Imprinted Lithography)を用いた。


旭化成 エレクトロケミカル関連事業を分社化

 旭化成は、09年4月1日付でエレクトロケミカル関連事業を分社化し、100%子会社「旭化成イーマテリアルズ梶vに集約すると発表した。

 現在、エレクトロケミカル事業は旭化成の新事業本部、100%子会社の旭化成ケミカルズ、旭化成エレクトロニクスでそれぞれ担当しているが、各社の事業を旭化成イーマテリアルズに集約する。


FPD/PCB NEWS〜12月8日


TRADIM CFとTFT基板をRoll to Rollで貼り合わせたTFT-LCDを開発

▲開発したプロセスのイメージ

 NEDO技術開発機構と次世代モバイル用表示材料技術研究組合(TRADIM)は、「超フレキシブルディスプレイ部材技術開発プロジェクト」の成果としてフレキシブルカラーフィルター(CF)とTFT基板をRoll to Roll方式で貼り合わせたTFT-LCDを試作することに成功した。

 TRADIMはこれまでCF、バックライト部材、偏光/位相差フィルム部材、TFT基板のロール状部材を作製。今回、CFとTFT基板を連続的にパネル化する技術を開発したもの。高温プロセスが不要なパネル化材料やフィルムを用いるとともにCFフィルムなどが変形しにくいプロセスを適用することにより、10μm以下の精度でCF(厚さ0.1mm)とTFT基板(厚さ0.25mm)を貼り合わせた。そして、3.5型パネルを試作しカラー動作させることを確認した。


FPD/PCB NEWS〜12月4日


SII 仏Nemopticとメモリー性液晶のライセンス契約を締結

 セイコーインスツル(SII)と仏Nemopticは、Nemopticのメモリー性液晶技術“BiNem(バイネム)”に関するライセンス契約を締結した。両社は07年4月、Nemopticの基本技術に基づきSIIが製造受託する契約を結んでいたが、今回の契約によりSIIがメモリー性液晶を開発・製造・販売することが可能になる。さらに、SIIは独自製品の開発も推進する。

 BiNemはBistable Nematic(双安定性ネマティック)に由来して名づけられたメモリー性液晶技術。従来のメモリー性液晶に比べコントラストが高く、さらに視野角も180度と広いのが特徴。このため、小売店での電子棚札や電子ブックなどへの応用が期待されている。SIIは1.5μmの液晶セルギャップ均一制御技術や特殊な液晶配向膜形成技術を開発し、量産化を果たした。

 SIIは09年3月から月産10万枚体制で量産を開始。さらなる生産能力増強も計画している。


FPD/PCB NEWS〜12月2日


国内デジタルサイネージ市場は08年で649億円

 富士キメラ総研の「デジタルサイネージ市場総調査2008」によると、08年の国内デジタルサイネージ市場は前年比649億円で、2010年には779億円に達する見通し。

 報告書では、街頭ディスプレイをデジタルデータで配信管理しインフォメーション、広告、販売促進に利用するものをデジタルサイネージと定義。当初は金融機関や交通機関など頻繁に情報告知を行うインフォメーション用途が中心だったが、ディスプレイ・システムの低価格化や薄型化が進み、表示コンテンツの制作や配信が容易になるにともない、販促や宣伝活動用としての利用が増加している。とくに、デジタルサイネージ広告市場ではこれまでのメインだったビルボードによる屋外広告ビジネスから、TFT-LCDやPDPを用いたインストア広告ビジネスが増加している。


東レ LCD用塗布型位相差板材料を開発

 東レは、塗布・加熱のみで形成可能なLCD用塗布型位相差板材料を開発した。

 現在、位相差板はフィルムの1軸延伸や2軸延伸、またはディスコティック液晶の配向を利用した視野角拡大フィルムが主流だが、パネルサイズの大型化にともなう不均一な応力ムラの発生や、中小型LCDにおけるフィルム厚みなどから、位相差板機能をパネル内部に取り込むインセル方式が注目されている。インセル方式の位相差板形成方法には重合性液晶を用いる方法があるが、重合性液晶を塗布する前の配向膜塗布、配向処理、露光工程など6工程以上が必要となる。

 これに対し、東レは高分子の立体構造・電子構造を分子レベルで設計し、平面性の高い分子構造を持たせた直鎖状高分子を合成。その自己配向性を利用することにより、塗布・加熱だけで形成可能な塗布型位相差板材料を開発した。このため、従来の重合性液晶を用いる方式に比べ製造工程が1/3に削減できる。

 この材料は塗布膜の鉛直方向に比べ平面方向に大きな屈折率を有しており、数μmの膜厚で垂直配向型LCD(VA方式)の視野角を拡大することができる。また、230℃前後の熱処理を経ても位相差機能が変化しない。さらに、配向膜形成工程で用いられるNMP(N-メチル-2-ピロリドン)やγ-BL(γブチロラクトン)といった高極性溶剤に対する十分な耐溶剤性も備える。

 今後、LCDメーカーに対し提案するとともに、自社製カラーフィルターへの採用も検討している。