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FPD/PCB NEWS〜7月26日
 

YKK AP ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電の実証実験を開始


▲Akiba ZERO BOX
 YKK APは、千代田区およびAkiba.TVと締結した「建材一体型太陽光発電による再生可能エネルギー性能の実証実験に係る連携に関する協定書」に基づき、秋葉原駅前広場に既存ビルのミニチュアとして製作した実証実験ハウス「Akiba ZERO BOX」を設置し、ペロブスカイト太陽電池を用いた「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の日射量や発電量のデータ収集を行う実証実験を開始したと発表した。

 トレーラーハウスを既存ビルのミニチュアとして製作したAkiba ZERO BOXを秋葉原駅前広場に設置。ハウスの屋根はビルの屋上に見立ててシリコン系太陽光パネル、窓部には透過性のあるガラスタイプのペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電を実装。期間中、千代田区の情報を発信するインフォメーションセンターの役割も担うハウスの維持・運営に必要な電力を自給するとともに、総発電量の検証を行う。実施期間は7月25日から10月20日まで。

FPD/PCB NEWS〜7月25日
 

OKIサーキットテクノロジー 上越事業所に最先端半導体対応の超高多層プリント配線板製造ラインを新設


▲高精細エッチングライン
 OKIサーキットテクノロジーは、最先端半導体用製造・検査装置向けの超高多層PCB回路形成ラインを上越事業所(新潟県上越市)に新設し、本格稼働を開始したと発表した。新ラインではビアピッチ0.23mmに対応可能な高精度・高精細回路形成を実現するとともに、従来比約1.4倍の生産能力と多品種少量生産対応力を強化した。

 今回の設備投資では、上越事業所内の製造エリアを3,300m2増床(従来比約1.2倍)し、極薄材料対応表面処理ラインを新設するとともに、ダイレクトイメージ装置を増設した。また、AOI自動検査装置を移設して回路形成プロセスの動線を最適化し、生産品質を向上させるとともに、生産能力を従来比約1.4倍に高めた。さらに、0.03mmの極薄材料から8mmの厚板材料までの自動搬送・ダイレクトイメージ装置の増強により、高精度回路形成と高精細エッチングラインによる線幅精度向上を実現した。合わせて、高精度穴明け装置の増設により極小径穴加工(φ0.10以下)の能力を高め、110層を超える超高多層、高精細基板の提供が可能となった。

FPD/PCB NEWS〜7月19日
 

SCREENと阪大 吹田キャンパス内に「SCREEN未来協働研究所」を開設

 SCREENホールディングスと大阪大学大学院工学研究科は、半導体分野・新規研究開発分野における中長期的な研究開発を強化し事業成長に貢献するイノベーションを共創するため、7月1日、大阪大学吹田キャンパス内に「SCREEN未来協働研究所」を開設した。

 協働研究所は、両者がこれまで進めてきた共同研究をより深化させ中長期にわたって連携・展開することで、シミュレーションと実験の融合による先端プロセス開発を推進。また、新規研究開発テーマにおいても大阪大学が進める研究とSCREENの事業戦略を結びつけることで、新たな技術の創出と社会実装を目指す。さらに、協働研究所を通じた人材育成を進め、専門性の高い若手人材を育てることで産学連携のさらなる強化を図る。

FPD/PCB NEWS〜7月18日
 

東大と信州大 超原子価ハロゲン化合物の超脱離能を用いた精密反応設計によりm-ベンザインを常温常圧で化学合成

 東京大学大学院薬学系研究科(兼 信州大学先鋭材料研究所)の内山真伸教授、宮本和範准教授(現・慶應義塾大学薬学部教授)、小山田健太大学院生(研究当時)らによる研究グループは、超原子価ハロゲン化合物の超脱離能を用いた精密反応設計によりm-ベンザインを世界で初めて常温常圧で化学合成することに成功した。

 ベンゼン環内に拡がる反転σ結合の存在を含むm-ベンザインの物理化学的性質ならびに合成化学的特性を初めて明らかにした。ベンザインの合成化学の最後のピースを補完した本研究成果は、反転σ結合をはじめとする準安定結合や面内芳香族性の本質的理解に貢献するとともに、医薬品や機能性材料の合成に役立つことが期待される。

FPD/PCB NEWS〜7月10日
 

アオイ電子とシャープ シャープ三重工場に半導体先端パネルパッケージ生産ラインを構築


▲シャープ三重事業所の第1工場
 アオイ電子、シャープ、シャープディスプレイテクノロジーは、シャープの液晶パネル工場建物・施設を活用したアオイ電子による半導体後工程生産ライン構築を推進することで合意し、基本合意書を締結したと発表した。

 生産ラインは、シャープ三重事業所の第1工場(延床面積約6万m2)に設置。アオイ電子は2024年中に半導体先端パネルパッケージ生産ラインの構築に着工し、2026年中の本格稼働を目指す。パネル生産能力は2万枚/月。

 アオイ電子は既存工場を活用することで生産ラインの早期構築・稼働を図り、チップレット集積パッケージ、チップ埋め込み型パワーパッケージ、5G/6G/ADAS用高周波パッケージをタイムリーに提供する予定。

FPD/PCB NEWS〜7月9日
 

積水化学 大阪本社でペロブスカイト太陽電池に蓄電池ユニットを接続し電力供給システムを運用

 積水化学工業は、大阪本社(堂島関電ビル)に実装したフィルム型ペロブスカイト太陽電池付き建材パネルに積水化学製蓄電池ユニットとニチコン製パワーコンディショナを追加実装し、館内で再生可能エネルギーとして利用する運用を開始した。

 積水化学が入居する堂島関電ビルは大規模リニューアル工事中で、2025年5月に完成する予定。一部フロアで部分的にリニューアル工事が完了したため、昨年設置したペロブスカイト太陽電池に蓄電池ユニットとパワーコンディショナを追加実装し、11階コワーキングスペースへの接続を完了した。

 発電した電力を蓄電池ユニットに貯留、館内のコワーキングスペースのコンセントなどで利用する電力供給システムとして稼働。万が一の停電時には非常用電源としても活用可能となっている。

FPD/PCB NEWS〜7月8日
 

東工大と東北大 完全水和と大量の酸素空孔により新六方ペロブスカイト関連酸化物を創製

 東京工業大学理学院化学系の八島正知教授、松崎航平大学院生(研究当時)、齊藤馨大学院生は、中低温で世界最高クラスのプロトン(H+、水素イオン)伝導度を示す新物質Ba5Er2Al2SnO13を創製・発見した。また、東北大学金属材料研究所の南部雄亮准教授、池田陽一助教と共同で中性子回折データを測定し、結晶構造を明らかにした。さらに、第一原理分子動力学シミュレーションを行い、高いプロトン伝導度の原因を解明した。

 今回の研究では、六方ペロブスカイト関連酸化物の新物質群Ba5R2Al2SnO13(R = Gd,Dy, Ho, Y, Er, Tm, Yb)を創製・発見。なかでも、Ba5Er2Al2SnO13は世界最高クラスのプロトン伝導度、高い安定性と完全水和を示した。結晶構造解析やシミュレーションの結果、酸素空孔が大量に存在するBaO層で完全水和が起こるためプロトン濃度が高いこと、[ErO6-ZrO6-ErO6]八面体層においてプロトンが高速移動することが高いプロトン伝導度の原因であることがわかった。

FPD/PCB NEWS〜7月5日
 

東大 微細藻類によってマイクロマシンを駆動する方法を開発


▲クラミドモナスで駆動するマイクロマシン
 東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授、小田悠加特任助教、清水直人大学院生(研究当時)らを中心とする研究グループは、小さな構造体を微生物によって動かす手法を開発した。

 微生物の中でも推進力の大きなクラミドモナスの鞭毛の運動性を阻害することのないトラップ構造を考案。さまざまな微細構造へ組み込むことが可能になった。マイクロロボットの駆動や微生物の運動理解のツールへの応用が期待される。

FPD/PCB NEWS〜7月4日
 

出光興産、東大、阪大、産総研 常温常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で世界最高性能を達成

 出光興産、東京大学、大阪大学、産業技術総合研究所(産総研)は共同研究で、空気中に多量に存在する窒素と水から常温常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で世界最高性能を達成した。

 常温・常圧下の窒素・水・電気でアンモニアを連続的に製造できることをラボスケールで実証した。100年以上の歴史を持つ現在の製造方法(ハーバー・ボッシュ法)に替わり、アンモニア製造工程におけるカーボンフリーの実現に弾みをつける技術となる。

 今回の研究開発では、東京大学大学院工学系研究科の西林仁昭教授らが開発したモリブデン触媒を応用。このモリブデン触媒に適した電解合成技術により、電解合成に使用する電極の単位面積当たりのアンモニア生成速度が従来技術に比べ20倍向上し、世界最高性能を達成した。

FPD/PCB NEWS〜6月27日
 

住友ゴムと九大 「高分子バイオマテリアル研究に関する寄附研究部門」を開設

 住友ゴム工業と九州大学は、6月1日付で「高分子バイオマテリアル研究に関する寄附研究部門」を開設した。

 研究部門の設置のおもな目的は、特定の細胞の接着性を制御するためのより高性能な特殊高分子の設計・合成に加え細胞・タンパク質・高分子間の相互作用を解明するための最先端のナノバイオ面解析(ナノサイズのセンサーにより細胞が接着した表面の分子相互作用を解析すること)により、医療や生体解析などの分野で用いられる高分子を用いた人工組織や医療材料などの高分子バイオマテリアル学を創成するための研究を進めることにある。この研究により有機・高分子合成、バイオ界面分析、細胞工学の3つの分野を統合した研究開発が可能になる。

FPD/PCB NEWS〜6月25日
 

SCREENファインテックソリューションズ 有機ELDのブラックPDL形成用塗布現像装置をリリース

 SCREENファインテックソリューションズは、有機ELディスプレイ基板形成工程向け塗布現像装置として第6世代基板用の「SK-B1500G」と第8世代基板用の「SK-B2200G」をリリースすると発表した。

 両装置は有機EL基板上のバンク形成用としてより反射防止効果を高めるブラックPDL向け。従来機種の「Eシリーズ」の基本スペックを継承しつつ、ブラックPDL専用に開発された初めての装置で、新開発した専用スリット式塗布装置「レビコータ」をはじめ、専用の塗布ノズル洗浄機構や現像処理装置の搭載により、良品率の向上・安定化に寄与するという。

FPD/PCB NEWS〜6月20日
 

三井・ダウポリケミカル 千葉工場でISCC PLUS認証を取得

 三井・ダウポリケミカルは、千葉工場(千葉県市原市)で持続可能な製品の国際的な認証制度であるISCC PLUS認証を取得したと発表した。

 ISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)はバイオマス等の持続可能性原料についてサプライチェーンにおいて適切に管理されていることを担保する認証制度で、世界で販売されるバイオマスや再生由来等の原料や製品を対象としている。今回、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体の認証取得により、今後、バイオマスや再生由来等の原料をマスバランス方式によって割り当てたISCC PLUS認証製品の製造・販売をすることが可能となった。

FPD/PCB NEWS〜6月14日
 

富士フイルム 韓国平澤市の先端半導体材料工場が竣工

 富士フイルムは、韓国平澤(ピョンテック)市に建設していた先端半導体材料工場が竣工したと発表した。

 新工場は半導体材料の韓国現地法人「FUJIFILM Electronic Materials Korea」が建設。イメージセンサー用カラーフィルター材料「COLOR MOSAIC」を生産する。本格稼働は12月末の予定。

FPD/PCB NEWS〜6月12日
 

大日本印刷 黒崎工場内で有機ELD製造用メタルマスク生産ラインを稼働


▲メタルマスク(左がG8、右が従来のG6)
 大日本印刷は、福岡県北九州市の黒崎工場内に新設した有機ELディスプレイ製造用メタルマスクの生産ラインを稼働したと発表した。新ラインでは第8世代サイズのガラス基板に対応した大型メタルマスクを生産する。

 黒崎工場の本格稼働により、メタルマスクの生産能力は従来の2倍にアップする予定。

FPD/PCB NEWS〜6月6日
 

東京理科大 固体電子移動過程を可視化できる結晶性DWナノチューブを創製

 東京理科大学理学部第一部応用化学科の湯浅順平教授、同大学大学院理学研究科化学専攻の緒方大二博士、小出祥太氏、岸寛之氏の研究グループは、2種類の配位子を有する環状のZn錯体を用いて頑丈で柔軟な二重壁構造を有する新規結晶性ナノチューブを合成することに成功した。

 このナノチューブのチャネル内部にテトラチアフルバレン(TTF)やフェロセン(Fc)などの電子ドナー分子を包摂し、固体の電子酸化反応前後での結晶構造変化を明らかにすることにより、固体中の電子移動を直接観測した。

FPD/PCB NEWS〜6月4日
 

東北大と筑波大 従来困難だった5nm以下の金属酸化物微粒子を精密合成する技術を開発

 東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの横哲准教授と西堀麻衣子教授、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の阿尻雅文教授、筑波大学数理物質系/エネルギー物質科学研究センターの西堀英治教授らの共同研究グループは、流通式超臨界水熱合成法における反応制御・高度化を研究し、反応時間を変える簡便な操作により1?10nmの金属酸化物ナノ粒子を精密に合成する技術を開発した。

 さらに、放射光X線回折データを精密に解析したところ、超微細CeO2ナノ粒子は粒子の融合によって高速成長することが明らかに。また、放射光軟X線分光を駆使し、2nm程度のCeO2は酸素欠損をともなわず構造歪が誘起する特異な電子状態をとることを発見した。

FPD/PCB NEWS〜6月3日
 

SCREEN PE パッケージ基板向け直接描画装置を発売

 SCREEN PEソリューションズはパッケージ基板用直接描画装置「Ledia Qs」を開発、6月から販売を開始すると発表した。

 Ledia Qsはブロード波長型露光装置として業界最高解像力を誇る露光ヘッドをベースに、昨年発表した「Ledia 8F」で開発した技術を融合することにより、高い描画品質と安定した描画位置精度を両立した。