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第35回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第22回半導体・センサパッケージング技術展/第22回電子部品・材料EXPO/第22回プリント配線板EXPO/第11回微細加工EXPO/第13回LED・半導体レーザー技術展 (2021年1月20〜22日)


第35回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第22回半導体・センサパッケージング技術展/第22回電子部品・材料EXPO/第22回プリント配線板EXPO/第11回微細加工EXPO/第13回LED・半導体レーザー技術展
来場者は激減したが、フレキシブルデバイス向けでいくつかのトピックスが

1月20〜22日、東京ビッグサイトで開かれた「第35回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第22回半導体・センサパッケージング技術展/第22回電子部品・材料EXPO/第22回プリント配線板EXPO/第11回微細加工EXPO/第13回LED・半導体レーザー技術展」。緊急事態宣言発出の影響で来場者は大幅減となり、直前にキャンセルした出展社もかなり目立つなど、通常開催とは程遠い環境で開催されたのが実情。そんななかエレクトロニクス関連のトピックスをレポートする。


保管が容易なCu2Oペーストを印刷して低抵抗配線を


写真1 左がON時、右がOFF時


図1 加飾フィルム「Garalit」を用いた車載用システムの構造

 まずユニークな新提案を連発し存在感を際立たせていたのが、スクリーン印刷機メーカーのマイクロ・テック。まずは中沼アートスクリーンが開発した加飾フィルム「Garalit」を紹介。Garalitを用いたアプリケーションとして車載用ディスプレイシステムを展示した。

 その構造は図1の通りで、高輝度LEDを文字やアイコンなどの固定図柄を表示するスポット光源に、複数のペーストを重ね印刷したGaralitを木目調の可視光透過制御フィルムとして使用したもので、スイッチオフだと、写真1-左のように木目調の意匠と上部に配置した有機ELディスプレイの表示画像がそのまま認識される。一方、スイッチオンにすると、高輝度LEDの点灯によりGaralit表面にあらかじめ印刷された図形が表示される仕組み。Garalit上の各レイヤーとタッチパネルの引き出し電極をスクリーン印刷法で形成した。


写真2 Cu2Oペーストの印刷サンプル

写真3 フレキシブル電極基板
 マイクロ・テックは、プリンタブルエレクトロニクス用途として日本化学工業の亜酸化銅(Cu2O)ペーストも紹介。容易に想像できるように、ペースト状態ですでに酸化しているため、保存やハンドリングがきわめて容易で、ペーストとしてワークに印刷した後、Xeフラッシュランプなどで2000℃×数msecと高温かつ高速で焼成するとCuグレイン同士が融着して多結晶膜になる仕組み。もちろん、超高速処理なので下地へのダメージはほぼなく、ガラスはもちろんのこと、PETフィルム、ポリイミドフィルム、紙にも対応できる。気になる比抵抗は10μΩ・cm程度。元来、このCu2Oペーストは藤壺付着防止のために船の底部にコーティングされる用途で使われており、スケールメリットもあるため、コンベンショナルなμmサイズAgペーストよりも安価だという。

アルミ箔をファインパターニングしてポストITOに

 フレキシブルデバイス向けでは東洋アルミがトピックスを提供、アルミ箔をファインパターニングしたフレキシブル電極基板をポストITO透明電極として提案した。PETフィルムやポリイミドフィルムといったフレキシブルサブストレートに接着したアルミ箔をフォトエッチング法によってファインパターニングしたもので、表面抵抗は0.05〜1Ω/□とITO膜の数十分の一。RFID向けとしてすでに実用化されており、幅1100oでのRoll to Rollで製造可能。パネル展示では、このAl透明電極を電極に用いた緑色有機EL照明デバイスを紹介。この分野で実用可能性が確認されていることをアピールしていた。

ネル薄型化技術を応用して局面ディスプレイを


写真4 ガラス製湾曲TFT-LCDモニター


図2 パネル厚と曲率半径の関係

 加工メーカーながらも湾曲ディスプレイという新たなプロダクトを紹介したのがNSC。同社はウェットエッチング加工で知られる加工メーカーで、ディスプレイ分野では完成したディスプレイモジュールをHFによってウェットエッチング処理して薄型化。第6世代(1500×1850o)までの大型基板加工での量産実績がある。

 今回はこの薄型高強度ケミカル加工技術を応用しガラス製湾曲パネルを開発したもの。図2はパネル厚と曲率半径の関係で、パネル厚150μmなら曲率半径100oが得られる。マックス50μmクラスまでの薄型化が可能で、この場合、曲率半径50oが実現する。前記のように、ディスプレイモジュールの単純な薄型加工では量産実績があり、枚葉式のスプレーエッチングシステムで両面60μmエッチングする場合、処理時間は100分程度。

 なお、ブースでは湾曲TFT-LCDモニターを展示したが、パネル展示では湾曲有機ELディスプレイも紹介。ディスプレイ全般にわたって応用できることを示した。ちなみに、製品の事業化形態は未定で、ライセンス供与も含めさまざまな形態が考えられるとしている。

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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