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第47回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第19回半導体・センサパッケージング技術展/第19回電子部品・材料EXPO/第19回プリント配線板EXPO/第8回微細加工EXPO(2018年1月17〜19日)


第47回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第19回半導体・センサパッケージング技術展/第19回電子部品・材料EXPO/第19回プリント配線板EXPO/第8回微細加工EXPO
味の素ファインテクノが水蒸気バリア用フィルムをPR

1月17〜19日、東京ビッグサイトで開かれた「第47回インターネプコンジャパン/第35回エレクトロテストジャパン/第19回半導体・センサパッケージング技術展/第19回電子部品・材料EXPO/第19回プリント配線板EXPO/第8回微細加工EXPO」。独断と偏見でおもなトピックスをピックアップする。


写真1 モノカラー有機ELパネルのデモ
テスト環境
新製品
リファレンス
85℃85%RH
560h
17h
60℃90%RH
3700h
30h

表1 水蒸気がエッジから5oの深さに侵入するまでの時間

 まずフレキシブルデバイス向けインフラでは、味の素ファインテクノが水蒸気バリア用透明接着・粘着フィルムをアピールした。例えば有機ELデバイスや有機薄膜太陽電池向けではデバイスを作製した背面サブストレートにこのフィルムをラミネートし、最後にもう一方のサブストレートで封止する。フィルム厚は熱硬化タイプで5〜50μm、UV硬化タイプで10〜50μm。その水蒸気バリア性だが、水蒸気がエッジから5oの深さに侵入するまでの時間を評価したところ、表1のようにリファレンスに比べ30〜100倍と高いガスバリア性が得られた。もちろん、可視光透過率は98%以上と透明性も高く、R=30o環境で10万回繰り返し曲げてもデバイス特性が変化しないなどフレキシブル性にも優れる。ブースでは九州先端科学技術研究所と共同で試作した100o角モノカラー有機ELパネルを曲げ伸ばし状態で展示。これらフレキシブルデバイスに最適なことをアピールしていた。

 なお、有機薄膜太陽電池、量子ドットディスプレイ、電子ペーパーなどではこのフィルムだけで要求される水蒸気ガスバリア性が確保できるが、これらに比べ桁違いの水蒸気バリア性が求められる有機ELデバイスではまず素子をCVDバリア膜でガスバリアした後、このフィルムをラミネートするといった封止形態になる。

超低反射フィルムで車載モニターの視認性を向上


写真3 ロータリースクリーン印刷したCuペーストサンプル

写真2 反射防止フィルムの比較(左がNEW、右がReference)

 ディスプレイ向けインフラでは、AGCも新たに開発した超低反射フィルムをアピールした。コンベンショナルなポリカーボネートフィルムに独自の反射防止機能を付与したもので、その反射率は0.099%と驚異的な数値を実現。外光が入射する車載モニターに搭載すればフロントガラスへの映り込み防止によって視認性が大幅に向上するだけでなく、明室コントラストがアップ、さらにリアルブラックの質感が得られるという。

 写真2のように、ブースでは車載モニターでリファレンスフィルムとの比較デモを敢行。その視認性の違いをアピールしていた。

スクリーン印刷専用低温焼成Cuペーストが登場

 導電ペーストでは、日油がスクリーン印刷用Cuペーストを開発したことをアナウンスした。粒子サイズ5μm程度と通常サイズながら大気雰囲気で低温焼成できるのが特徴で、120℃焼成で30μΩ・cm、180℃焼成で20μΩ・cmと比較的良好な比抵抗が得られる。もちろん、Agペーストに比べ耐湿性も高く、配線として使用した場合、マイグレーションの心配がほとんどない。

 今回目を引いたのは多様なサブストレートに対応できることで、PETフィルム、セラミックス基板、紙、布と多種多様な印刷サンプルを披露。さらに、印刷工法もコンベンショナルなフラットスクリーン印刷だけでなく、ロータリースクリーン印刷、そしてシリンダープレススクリーン印刷にまで対応、これらでパターン作製したサンプルを披露するなどスクリーン印刷という範疇なら汎用性が極めて高いことを示した。

極薄膜のハードコートでフォトマスクの防汚性&パターン解像性を改善


写真4 撥水性の比較デモ

 フォトマスク関連では、フォトマスクメーカーのシステムアドバンスが独自のハードコートマスクを展示した。フォトマスク表面に独自開発したシリコーン樹脂を極薄膜で塗布して保護膜を設けたもので、防汚性が大幅に向上する。写真4は水を垂らして撥水性を比較したもので、ハードコート処理すると撥水性が大幅に向上することがわかる。しかし、最大の特徴は膜厚を10nmに極薄膜化したことで、この結果、コンタクト露光時の光リークが大幅に減少し、露光解像度&パターン再現性が大幅にアップする。通常のフォトマスクと同様、最大800×800oサイズまで供給できるという。

 

 

 


REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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