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PV Japan 2012(12月5〜7日)


PV Japan 2012 有機薄膜太陽電池は低分子タイプの発表が相次ぐ

 12月5〜7日、幕張メッセで開かれた「PV Japan 2012」。ここでは有機薄膜太陽電池にフォーカスし、山形大学と産業技術総合研究所(産総研)のデモをレポートする。


写真2 タンデム型低分子有機薄膜太陽電池(産総研)


写真3 フレキシブル有機薄膜太陽電池(産総研)


写真1 100o角有機薄膜太陽電池(山形大学)

 山形大学有機エレクトロニクス研究センターが紹介したのは、低分子型のバルクヘテロ接合有機薄膜太陽電池。ITOアノード/MoO3ホールバッファ層/p-nバルクヘテロ接合半導体層/BCP電子バッファ層/Alカソードという構造で、p型は独自合成したDIB-SQ、n型は市販のC70を用いて共蒸着した。その光電変換効率は6%程度と有機薄膜太陽電池では世界トップクラスで、コンベンショナルなCuPc:C60共蒸着タイプに比べ2倍に当たるという。

半導体層を印刷したフレキシブルデバイスも

 一方、産総研は出光興産、キヤノントッキと共同開発したタンデム型の低分子有機薄膜太陽電池を披露した。ITOアノード/ホールバッファ層/p-i-n半導体層/インターレイヤー/p-i-n半導体層/電子バッファ層/Alカソードという構造で、p型はトップセルが出光オリジナルのフタロシアニン系材料、ボトムセルが出光オリジナルのマル秘材料を使用。n型はコンベンショナルなC70を用いた。ただ、トップセル、ボトムセルともに吸収波長は400〜700nmとほぼ同じだけに、タンデム化の効果はほとんどなく、光電変換効率も5%強にとどまるとのこと。

 産総研はオフセット印刷法でバルクヘテロ接合半導体層を形成したフレキシブルデバイスも展示。こちらはオフセット印刷で用いるシリコンブランケットメーカーの金陽社と共同開発したもので、p型材料とn型材料を混合した有機半導体塗布液を印刷してバルクヘテロ接合にした。


REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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