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InterOpto'08(9月10日〜9月12日)


InterOpto'08 シチズンが電子ペーパーを大々的にデモ

 9月10〜12日、幕張メッセで「InterOpto'08」が開かれた。FPD関連ではシチズングループがメモリー性液晶ディスプレイとマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイという2種類の電子ペーパーを公開。搭載アプリケーションも披露するなど、電子ペーパーが普及しはじめた雰囲気を強く感じさせた。

▲電子棚札用ディスプレイ
▲無線式時計用ディスプレイ
▲メモリー性液晶搭載腕時計

 メモリー性液晶はコンベンショナルなコレステリック液晶ではなく強誘電性液晶を用いた。2極性の安定状態をとる強誘電性液晶の性質を利用。メモリー性を有するため、電源OFF時でも表示を保持できるのが特徴だ。すでに06年から22×13oの小型ディスプレイ(90dpi)をシチズン時計の腕時計「PMV65-2231」のデジタル表示部に採用。半透過型のパッシブパネルで、反射率は25%、コントラストは12:1となっている。

  今回、What's NEWとして披露したのが電子棚札用中型パネル。プロトタイプは50×40oの100dpi解像度で、反射型構造にすることによりさらなる低消費電力を図った。300×300oマザーガラスを用いて来春から量産する予定だ。ちなみに、どちらも液晶で偏光板を用いているため、バックグラウンドはグレーで、ホワイトバックにはほど遠く視認性はいまひとつだった。

電子ペーパーを大型インフォメーション用途にも

  冒頭のように、シチズングループは米E Inkのマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイを用いたアプリケーションも展示。同社オリジナルの128出力の電源回路&コントローラ内蔵ドライバICを用いた携帯電話用パネルを量産中で、フロント面の着せ替え部に2.7型パネルが採用されている日立製作所の携帯電話「W61H」と、サブディスプレイに1.1型パネルが採用されているカシオ計算機の携帯電話「W62CA」を展示。従来LCDや有機ELディスプレイよりもローパワーな点が評価されている点を強調していた。

  また、シチズンTICのオリジナルプロダクトとして438×285oの大型パネルを採用した無線式時計用ディスプレイも公開。単三リチウム電池4本で4年もつというローパワーがセールスポイントで、時刻、曜日、温度などを表示。コントラストは8:1〜10:1とさほど高くないものの、反射率が40〜42%と高いため、視認性は抜群に見えた。

  ちなみに、メモリー性液晶とマイクロカプセル型電気泳動ディスプレイの棲み分けについては「前者はパッシブフルドットパネル、後者はセグメントパネル」と位置づけている。

 

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。