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第40回ネプコンジャパン-エレクトロニクス開発・実装展- (2026年1月21〜23日)


第40回ネプコンジャパン-エレクトロニクス開発・実装展-
ペロブスカイト太陽電池向けのニュープロセスの提案が活発に

1月21〜23日、東京ビッグサイトで開かれた「第40回ネプコンジャパン-エレクトロニクス開発・実装展-」。今回目立ったのは次世代太陽電池としてオーソライズされた感のあるペロブスカイト太陽電池をターゲットにしたデモで、新たな製造プロセス技術が複数提案された。独断と偏見でおもなトピックスをピックアップする。

ペロブスカイト太陽電池のITO透明導電膜を印刷+リフトオフでパターニング


図1 印刷-リフトオフ法のプロセスフロー

 まずペロブスカイト太陽電池のITOアノードなどの新たなパターニング法「印刷-リフトオフ法」を提案したのがartience。図1のように、基板上に水溶性インキをグラビア印刷した後、ITOやメタルなどの導電膜をスパッタリング成膜。そして、水洗処理によって水溶性インキ上に成膜された導電部分だけをリフトオフによって除去する仕組み。加工テストではL&S=65μm/5mmパターンをショート欠陥レスでパターニングすることに成功。もちろん、ガラスだけでなく、各種プラスチックフィルムをRoll to Rollで連続処理することも可能で、ブースでは写真1のようにAl膜をパターニングした幅広フレキシブルロールを展示。300mm幅までの広幅化に対応できることを示した。


写真1 Al膜をパターニングしたフレキシブルロール
 容易に想像できるように最大の特徴はトータルコストで、コンベンショナルなレーザーエッチング法やフォトエッチング法に比べ大幅にローコスト化できることを強調。具体的には、説明員から「ポテンシャルからはフォトエッチング法の1/5程度で加工できるのでは」との発言も。気になるビジネススタイルについては、基本的に水溶性インキを印刷した印刷基板を供給する方向だが、ニーズ次第では水溶性インキを供給することもあるとのこと。なお、ペロブスカイト太陽電池以外ではCuを用いたFPCのパターニングにも有効だという。

ACF&FPCレスでペロブスカイト太陽電池セルと配線接続


図2 ペロブスカイト太陽電池への導電性熱圧着リボン電極の使用例

 化研テックはペロブスカイト太陽電池の透明導電膜と配線の接続ツールとして導電性熱圧着リボン電極を開発、コンベンショナルな異方性導電フィルム(ACF)とFPCを使用しないニュープロセスを提案した。

 このリボン電極は圧延銅箔基材層にAgペースト層を積層したもので、リールタイプと短冊タイプを用意。図2のように、ペロブスカイト太陽電池セルの透明導電膜上に圧着し、セルの外側で配線接続する仕組み。100〜120℃×60〜120秒と低温かつ短時間で熱圧着することができ、PETフィルムのような低耐熱基板にも適用できる。前記のように、ACFを用いる場合と違い、FPCを使用する必要がなく、コスト的には圧倒的に有利といえる。原理上はTFT-LCDのようなディスプレイにも応用可能だが、ファインピッチが困難なため、当面の用途はペロブスカイト太陽電池に限られるようだ。

韓国メーカーがペロブスカイト太陽電池製造用IJプリンターを披露


写真2 ペロブスカイト太陽電池製造用デスクトップIJ装置
 韓国メーカーのGosan Techは370×470mmサイズのガラス基板製とフィルム基板製ペロブスカイト太陽電池を展示、すでにサンプル供給レベルに入っていることを明らかにした。ただ、現時点での試作能力は月産数百枚で、近い将来、何らかの形でデバイスを量産する方向。

 その一方、同社はペロブスカイト太陽電池製造用インクジェット(IJ)プリンターを製品化。ホール輸送材料、電子輸送材料、ペロブスカイト材料に加え、封止用樹脂を塗布する装置で、写真2のようにデスクトップタイプのIJプリンター「Pulse Pro 50」を出展。さらに2Gサイズ対応セミ量産装置「Wave Pro 500」、そして5Gサイズ対応量産装置「Beat Pro 1300」もすでに製品化していることを誇示していた。

韓国の材料メーカーもペロブスカイト太陽電池用材料をアピール

 他方、韓国の材料メーカーUniJetはペロブスカイト太陽電池用マテリアルをアピール。具体的には、PbO系ペロブスカイト材料、電子輸送材料SnO2、SAM(Self Assembled Monolayer)、封止用ポリマーインクをラインアップ。いずれもIJ塗布をリコメンドしており、試作したタンデムデバイスでは光電変換効率22.2%が得られた。


写真3 熱転写型CNTフィルムを使用することで導電性に変化するトナーイメージ
印刷トナーにCNTシートを転写して導電性を付与

 汎用デバイス向けマテリアルでは、マルアイの熱転写CNT透明導電ナノシートにオリジナリティを感じた。PETフィルム上に離型層をはさんでCNT(カーボンナノチューブ)透明導電膜を印刷したシートで、例えばトナータイプなら図3のように基材にトナーを印刷した後、このシートを熱圧着するとCNT導電層が上部に付着。この結果、絶縁性だったトナー部が導電性に変化する仕組み。つまり、印刷+熱転写という簡易プロセスで電極パターンが形成できる。もちろん、シート自体フレキシブル性があるため、容器などの曲面形状物に対する転写特性も備える。写真3は印刷したトナーにこのシートをラミネートして導電性を付与するデモ風景で、導電性が容易に得られる様子がイメージできた。


図3 トナータイプ熱転写CNTフィルムを用いた転写プロセス例












REMARK
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2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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