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CEATEC 2021 ONLINE (2021年10月19〜22日)


CEATEC 2021 ONLINE フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化に現実味

10月19〜22日、オンライン形式で開催されている「CEATEC 2021 ONLINE」。ここでは、公式ホームページ上での記述をベースにトピックスを取り上げる。



写真1 120V型8Kディスプレイ
シャープが120V型8KディスプレイをPR

 シャープは、超高精細ディスプレイとして業界最大級の120V型8Kディスプレイをアピールした。ショールーム、ショーウインドー、パブリックビューイングディスプレイ、オフィスといった業務用モデルで、直下型LEDバックライトを2048個精密配置することによりコントラストを極限にまで向上。表示色も10億色を確保した。すでに業務用モデルとして販売中で、フルHDや4K画像も8K相当にアップコンバート表示できる。

東芝はフィルム型ペロブスカイト太陽電池をアピール

 東芝は、次世代太陽電池としてフィルム型ペロブスカイト太陽電池をアピールした。容易に想像できるように薄型軽量のため、曲面や低荷重屋根などこれまで設置するのが困難だった用途・シーンにも太陽電池を普及させる狙いで、光電変換効率は多結晶シリコン型太陽電池に迫る15.1%を実現。その実用化もカウントダウン状態となってきた。


写真2 1ステップメニスカス塗布法を用いて作製したフィルム型ペロブスカイト太陽電池


図1 メニスカス塗布のイメージ



















 最大のセールスポイントは、ペロブスカイト層を独自開発したメニスカス塗布技術によって成膜する点。塗布イメージは図1の通りで、インクの表面張力を利用して大面積基板にユニフォミティよく成膜することができる。

 また、従来はPbIインクを塗布・乾燥した後、MAIインクを塗布・乾燥する2段階プロセスでMAPbI3膜を成膜していたが、今回、1段階プロセスを開発することに成功した。詳細は明らかにしていないが、あらかじめ混合したMAPbI3インクを結晶成長を制御しながらメニスカス塗布する。この技術は塗布速度の高速化が可能で、5cm角のセルでは量産時に必要と想定されるスペックを満たす6m/分の塗布速度を達成。従来困難だった生産プロセスの高速化とエネルギー変換効率の向上が両立できるようになった。

住友ベークライトからエレクトロクロミック調光シートが実用化

 マテリアル関連では、住友ベークライトがエレクトロクロミック(EC)型電子ぺーパーに用いるエレクトロクロミック調光シートをピーアールした。

 ECとは材料の電気化学的な酸化還元反応によって膜の色が可逆的に変わる現象のことで、電場による書き込み・消去が可能で、高いメモリー性を有する。従来、EC材料は無機系、有機系ともインクという形で供給されていたが、同社はEC層をシート化した調光シートを提供する格好。調光速度(書き換え速度)が5〜10秒と速く、透明性が高いのが特徴で、透過率や色彩も制御可能だ。スマートグラスやサングラスなどのアイウェア製品、自動車の電子ミラー、採光制御製品への応用が期待できるとしている。

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

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