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FPD/PCB NEWS〜10月31日
 

BASF 独ルートヴィッヒスハーフェンに電子材料グレードアンモニア水プラントを建設

 独BASFは半導体製造におけるウェハー洗浄、エッチング、その他の精密プロセスを支援するため、ルートヴィッヒスハーフェンに最新鋭の電子材料グレードアンモニア水(NH4OH EG)プラントを建設すると発表した。

 新プラントで生産されるNH4OH EGは、先進的なノードのチップテクノロジーに不可欠なもので、自動車産業やAIをはじめとする欧州の主要産業にとって重要な次世代半導体を実現するという。

FPD/PCB NEWS〜10月29日
 
 

YKK AP ガラス型ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電の内窓を系統連系し実装検証

 YKK APは、入居する「谷町YFビル(大阪市)」でガラス型ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電(BIPV:Building Integrated Photovoltaics)の内窓を系統連系した実装検証を開始したと発表した。

 実用化・事業化に一段階近づく実装検証として、谷町YFビルの6・7階の執務エリアに設置されていた既存の内窓を取り外し、新たにBIPV内窓を設置する工事を行い、系統連系まで実施する。

FPD/PCB NEWS〜10月28日
 

早大と桐蔭横浜大 近赤外光も利用可能なアップコンバージョン型ペロブスカイト太陽電池を開発

 早稲田大学理工学術院の石井あゆみ准教授、桐蔭横浜大学医用工学部の宮坂力特任教授らの研究グループは、微弱な近赤外光を吸収できる有機色素を希土類系ナノ粒子に固定化し、その光をアップコンバージョンにより可視光へ変換する技術を開発した。

 さらに、このナノ粒子をペロブスカイト太陽電池に組み込むことで、従来の鉛系ペロブスカイト素子では利用できなかった近赤外光を電気に変換することに成功した。

FPD/PCB NEWS〜10月27日
 

NEDOと北陸先端科学技術大学院大 産学連携に関する覚書を締結

 NEDOと国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は、相互協力の覚書を締結した。産学連携を見据えた研究者と企業などとのマッチング支援や、スタートアップ支援人材の育成などに連携して取り組む予定。

FPD/PCB NEWS〜10月23日
 

早大 機械学習を用いて有機分子の結晶構造予測における探索空間を絞り込む手法を開発

 早稲田大学データ科学センターの谷口卓也准教授、同大学大学院先進理工学研究科一貫制博士課程3年の深澤亮らの研究グループは、機械学習を使って有機分子の結晶構造予測の成功率を向上させることに成功した。

 機械学習を用いて有望な結晶構造の候補を効率的に絞り込み、ニューラルネットワークポテンシャルで高速に構造を最適化する結晶構造予測ワークフロー「SPaDe-CSP」を開発。20種類の有機結晶に適用した結果、有機分子の結晶構造を80%という高い成功率で予測することに成功した。この成功率は従来型のランダムな探索手法に比べ2倍に相当する。

FPD/PCB NEWS〜10月21日
 

リガク 台湾にグループ会社を設立し技術拠点を本格稼働


 リガク・ホールディングスは台湾に新たなグループ会社Rigaku Technology Taiwan(RTTW)を設立、同社内に設けた技術拠点Rigaku Technology Center Taiwan(RTC-TW)が本格稼働したと発表した。

 RTTW内に開設したRTC-TWは研究開発・顧客支援・共同開発を推進する技術拠点で、生産環境を再現したクリーンルーム、デモンストレーション、トレーニング、共同開発のためのスペースを備え、現地チームによる迅速かつ高度な技術サポートを提供する。

FPD/PCB NEWS〜10月20日
 

積水化学、NTTデータ、日軽エンジニアリング
フィルム型ペロブスカイト太陽電池の壁面設置に向けた改良工法を開発

 積水化学工業、積水ソーラーフィルム、NTTデータ、日軽エンジニアリングは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置するための改良工法の開発を開始した。

 積水化学とNTTデータは2023年よりNTT品川TWINS DATA棟外壁で行ってきた設置実証で得られた知見や課題をもとに、軽量性、製造方法の観点から実用化を見据え、アルミ押出形材を用いた固定金物を採用した工法を開発。さらに、壁面の施工時に発生しやすいフィルム特有のしわやよれを容易に調整する工法も検討し、意匠性も確保する。

FPD/PCB NEWS〜10月17日
 

京大 光で分解可能な高分子を開発

 京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻の黒田啓太博士後期課程学生、大内誠教授の研究グループは、配列制御ラジカル共重合と重合後修飾反応によってケトンのカルボニル基が周期的に導入された高分子の合成手法を開発した。得られた高分子(ポリマー)は熱的に安定でありながらUV光で分解する。

 研究グループは、「ノリッシュ反応」と呼ばれる光化学反応を引き起こすケトン骨格を高分子に周期的に組み込み、光照射によって主鎖を分解できる光分解性高分子の開発を目指した。そこで、ケト-エノール互変異性によるケトン骨格を導入し、トリメチルシロキシ基とメトキシ基を有するブタジエンモノマー(SBD)とペンタフルオロフェニルアクリレート(PFA)の交互共重合と重合後修飾反応によって、アクリルアミド・ケトン・メチルビニルエーテル単位が周期的に並んだ交互三元共重合体を得ることに成功した。ガラス転移温度が室温以下の場合、得られた高分子はUV光を照射すると固体(バルク)状態で効率的に分解が進行したという。

FPD/PCB NEWS〜10月14日
 

東北大、自然科学研究機構、東京理科大学
銀ナノクラスターにおける「1原子の違い」で室温発光効率が77倍向上することを発見

 東北大学多元物質科学研究所の根岸雄一教授、Biswas Sourav助教、自然科学研究機構 計算科学研究センター/総合研究大学院大学の江原正博教授、東京理科大学理学部第一部の湯浅順平教授らの研究グループは、アニオン鋳型合成法を用いて原子数78と79の2種類の高核数Ag NC(Ag78およびAg79)の合成することに成功した。両者はほぼ同一の骨格を持つにもかかわらず、外殻に銀原子が一つ多いAg79は、Ag78に比べ室温での発光量子収率が77倍に向上したという。

 発光効率の劇的な向上は、対称性の低下による放射遷移の強化とリガンド環境の変化による構造揺らぎの抑制という二つの効果が同時に作用した結果であることが、実験と理論計算の両面から示された。今回の成果は、「わずか1原子の違いが発光特性を大きく変える」という新たな知見を提示するといえる。

FPD/PCB NEWS〜10月9日
 

セイコーエプソン 工業応用分野の量産用途に適した強溶剤対応インクジェットヘッドを発売


 セイコーエプソンは、工業応用分野の量産用途に適した強溶剤対応のインクジェットプリントヘッド「S3200-S1」をリリースすると発表した。強溶剤対応、広幅、高解像度が特長で、とくにペロブスカイト太陽電池など先端分野におけるインクジェット技術の活用を加速する。

 S3200-S1はNMP、DMSO、DMF、DMIなど多様な強溶剤に対応、ペロブスカイト太陽電池を構成する複数の機能層の成膜に適する。また、従来の強溶剤対応ヘッド「S800-S1」(1.33インチ)に対し、4.73インチに幅広化。ヘッド搭載数削減により、装置構成の簡易化が可能となる。さらに、印刷解像度も600dpiを確保した。

 なお、韓国Gosan TechはS800-S1を用いたインクジェットプロセスを導入しペロブスカイト太陽電池の量産化検証を進めており、今後、S3200-S1を導入することで量産装置化を加速する。

FPD/PCB NEWS〜10月8日
 

富士フイルム 先端パッケージング向けCMPスラリーを新発売

 富士フイルムは、複数の半導体チップを一つのパッケージに実装する先端パッケージング向け研磨剤「CMPスラリー」の販売を開始したと発表した。AI半導体の性能向上の鍵を握る先端パッケージング技術「ハイブリッドボンディング」で接合面を平坦化する不可欠な研磨剤として大手半導体メーカーに採用されたという。

 前工程向け銅配線用CMPスラリーを先端パッケージング向けに進化させた新製品で、銅と酸化膜が混在するハイブリッドボンディングの接合面を高い精度で平坦化するため、添加剤・防食剤・砥粒などの処方を最適化した。今後、再配線層やマイクロバンプなどさまざまな先端パッケージング材料向けに製品展開する。

FPD/PCB NEWS〜10月7日
 

レゾナック プラスチックのケミカルリサイクルによる低炭素アンモニア事業を拡大

 レゾナックは、川崎事業所(神奈川県川崎市)で使用済みプラスチック由来の水素のみを原料にしてアンモニアの低炭素化を図ると発表した。2030年4月からの設備稼働開始を計画している。

 現在、川崎事業所では@使用済みプラスチックをガス化ケミカルリサイクルによって得られる水素、A都市ガスを改質することによって得られる水素を原料にアンモニアを製造。今回、@の使用済みプラ由来の水素のみを原料にしてアンモニアを製造することで、国内生産アンモニアの低炭素化を目指す。

FPD/PCB NEWS〜10月4日
 

テクセンドフォトマスク 東京証券取引所プライム市場へ新規上場

 テクセンドフォトマスクは、東京証券取引所プライム市場への新規上場が承認されたと発表した。上場日は10月16日の予定。

 同社はその前身である凸版印刷(現TOPPANホールディングス)が1961年にフォトマスク事業を開始して以来、分社化を経て現在に至るまで、日本から欧米、アジアへと製造拠点を拡大し、半導体産業の成長を支え続けてきた。

FPD/PCB NEWS〜10月2日
 

都立大、阪大、東北大、高エネ研 単純な酸化処理で電気抵抗率が1/20万に激減する酸化物材料を発見

 東京都立大学、東北大学、大阪大学、高エネルギー加速器研究機構の研究グループは、独自の手法によって2次元的な層状構造を取るクロム酸化物Sr3Cr2O7-δの高品質薄膜を合成することに成功した。

 この薄膜は、合成直後は電気をほとんど流さない状態だが、空気中で加熱すると酸素が結晶に取り込まれ、電気抵抗率が1/20万に減少。この変化の大きさは、従来の3次元的な構造を持つ同様のCr酸化物に比べ600倍以上に当たる。

FPD/PCB NEWS〜10月1日
 

タムラ製作所と東北大 「タムラ製作所×東北大学先端パワーエレクトロニクス共創研究所」を設置

 タムラ製作所と東北大学は、東北大学産学連携先端材料研究開発センター(MaSC)内に「タムラ製作所×東北大学先端パワーエレクトロニクス共創研究所」を設置したと発表した。

 共創研究所では、個別の共同研究の枠を超え、東北大学の資源を最大限に活用して次世代パワーエレクトロニクスのコア技術創出を目指す。具体的には、@将来の社会実装を目指した素材・材料・デバイス・モジュールのマーケティングおよび要素技術開発の戦略設定、A研究開発テーマの探索およびその推進、B若手研究者の共同研究への参画実施、社会人博士を含めた高度研究開発人材の育成、をテーマにしている。