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FPD/PCB NEWS〜1月31日
 

デクセリアルズ 栃木県鹿沼市の鹿沼事業所拡張工事に着工

 デクセリアルズは栃木県鹿沼市の鹿沼事業所第2工場を拡張するため、2024年2月以降に栃木県企業局から土地の引渡しを受けた後、工事を開始すると発表した。

 取得予定用地は第2工場の隣接地7万1,000m2。3月に着工、2026年度中に稼働し、異方性導電膜(ACF)の生産を開始する予定。

FPD/PCB NEWS〜1月30日
 

東大 極性/反極性の半導体単結晶薄膜を作り分けられる分子技術を開発

 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の井上悟助教、長谷川達生教授らは、非対称な棒状分子がすべて同一方向に並んだ極性単結晶薄膜を塗布形成できる有機半導体を開発した。

 π電子骨格末端の置換基に意匠を凝らし、互いの極性を打ち消し合う効果を著しく抑えた新たな分子を開発。さらに、分子内のアルキル鎖長を系統的に変えたところ、極性/反極性の積層がアルキル鎖の炭素数の偶奇により交互に出現する顕著な現象を見出した。

FPD/PCB NEWS〜1月29日
 

大日本印刷とUBE 素材分析の合弁会社で協業

 大日本印刷(DNP)とUBEは素材分析における新たな価値創出を目指し、2024年4月より合弁会社で協業すると発表した。DNPはUBEのグループ会社で有機、無機、高分子化合物の分析を行うUBE科学分析センター(USAL)の発行株式66.625%の株式取得を通じて、UBEと共同でUSALを運営する。UBEは33.375%の株式を引き続き保有することで、USALは両社の合弁会社となる予定。

 両社は合弁会社としてUSALを運営することを機に、UBEの素材技術やDNPの持つ加工技術などを活かした相乗効果の創出に向けた協業も検討する。

FPD/PCB NEWS〜1月26日
 

富士フイルム 熊本拠点で半導体製造用CMPスラリー生産設備を本格稼働

 富士フイルムは、熊本拠点で半導体製造用CMPスラリーの生産設備を本格稼働させたと発表した。電子材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(FFEM)が、富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリア(熊本県菊池郡菊陽町、FFMT九州)に約20億円を投資して新設した。CMPスラリーの国内生産は、同社としては初めて。
 

カネカと長谷工 カネカの有機EL照明を用いた賃貸マンションプロジェクトで入眠や疲労低減効果を検証

 カネカと長谷工コーポレーションは、カネカの有機EL照明を用いた賃貸マンションプロジェクト「サステナブランシェ本行徳(千葉県市川市)」で入眠や疲労低減効果についての検証を開始すると発表した。カネカOLED照明のマンションへの採用は国内で初めて。

 長谷工コーポレーションは、サステナブランシェ本行徳においてウェルビーイングの観点から睡眠の質向上やリラックス効果の可能性について「快眠のための家」や「バーチャル森林浴」などの実験住戸を設置し検証を行っている。このたび、住戸内の「照明の環境」もウェルビーイングの重要な要素と捉え、実験住戸のリビング、キッチン、寝室などにリラックス効果が期待されるカネカOLED照明を設置し、睡眠中の脳波やメラトニン分泌量を測定することで睡眠に与える影響や疲労低減効果を検証する。

FPD/PCB NEWS〜1月25日
 

東レ ステンレス鋼に匹敵する高強度プラスチックフィルムを開発

 東レは、ステンレス鋼に匹敵する高強度を有するプラスチックフィルムを開発したと発表した。高分子材料の特長である軽量性、絶縁性、柔軟性を維持しながら、引張強度が最大1200MPaと金属材料に匹敵する高強度を実現した。

 独自の押出・二軸延伸技術により、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の分子鎖を二次元方向へ高度に配向させたナノ構造を実現。工業用プラスチックフィルムとして一般的に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと比較し引張強度が2倍以上で、プラスチックフィルムとして最高の強度を有するアラミドフィルムと同等である。UHMWPE原料の特性上、耐寒性にも優れていることから超電導・宇宙環境等の極低温環境でも使用でき、高強度を活かして部材の軽量化・省スペース化に貢献する。

 また、上記のナノ構造により面内方向の熱伝導特性に優れており、PETフィルムに比べ面内熱伝導率が10倍以上の最大18W/m/Kと、高分子フィルムとして最高レベルの高面内熱伝導性を実現。フレキシブルデバイスなど小型化、軽量性、絶縁性、柔軟性が求められる用途での放熱材料としても使用できる。

FPD/PCB NEWS〜1月24日
 

レゾナック 中国メーカー4社を半導体パッケージ基板・高密度電子回路基板用感光性フィルムの特許権侵害で提起

 レゾナックは、中国の感光性フィルム製造販売会社である4社を共同被告として特許権侵害訴訟を深セン市中級人民法院に提起したと発表した。

 レゾナックが所有する半導体パッケージ基板および高密度電子回路基板の配線形成等に使用される感光性フィルムに関する中国特許に基づき、当該被告4社が製造販売する感光性フィルムの中国における販売差止めと損害賠償を求める。

FPD/PCB NEWS〜1月22日
 

中央大と国立情報学研 CNTの眼が捉えたシルエットで検査物内部の材質と外観を推定

 中央大学理工学部電気電子情報通信工学科の李恒助教、河野行雄教授、木下祐哉大学院生(理工学研究科電気電子情報通信工学専攻・博士前期課程2年)、国立情報学研究所(NII)コンテンツ科学研究系の佐藤いまり教授、Zhenyu Zhou研究員(研究当時)らを中心とする研究チームは、中央大学グループの「多機能な光-電磁波撮像デバイス・システム」とNIIグループのコンピュータビジョンの手法で画像データから三次元立体的に構造を復元する技術を有機的に組み合わせることにより、非破壊で検査物の内部材質と内部構造を確実に推定する検査技術を開発した。

 カーボンナノチューブ(CNT)をセンサーに用いた中央大学グループ独自の材質同定型デバイス・システムに対し、対象物の影(シルエット)の重ね合わせから外観を推定するNIIグループの構造復元手法を導入し、新たな非破壊検査技術を創出した。これら要素技術は、工業・日用品の製造流通において忠実な再現度の品質管理の実現につながると考えられる。

FPD/PCB NEWS〜1月19日
 

政投銀とエプソン 金属3Dプリンターを活用した製造業の革新を目指し米3DEO社に出資

 日本政策投資銀行(DBJ)とセイコーエプソンは、米3DEO社へ出資したと発表した。

 3DEO社は独自開発した生産プロセス技術「Intelligent Layering」を用いて小・中ロット領域での金属部品の設計・製造の一貫サービスを有するスタートアップで、とくに航空・宇宙、医療・ヘルスケア、半導体の分野でのシェア獲得を目指している。

 今回の投資は、「産業の技術革新と再編成」を経営上の重要課題としているDBJと、「長期ビジョンEpson 25 Renewed」において環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創しものづくりを革新することを掲げる「マニュファクチャリングイノベーション」を推進するエプソンが3DEOの北米、日本での事業進出を資本面から支援するもので、日本の製造業の革新、競争力強化に寄与することから、DBJの「特定投資業務」の一環である「DBJスタートアップ・イノベーションファンド」を活用して投資した。

FPD/PCB NEWS〜1月17日
 

ウシオ電機 4方向に連結可能なキューブ型UV-LED照射器を発売

 ウシオ電機は、各種製造プロセスにおける接着・硬化・剥離用途向けに4方向に連結可能なキューブ型面照射UV-LED照射器「UniCube Mシリーズ」を発売すると発表した。

 UniCube Mシリーズは、□96mmの照射器(1Cube)を標準品にして、ユーザーニーズに合わせて前後左右4方向に連結させるセミカスタムオーダー方式の面照射UV-LED照射器。これにより、ワークに合わせて様々な形状でCubeを配置できるとともに、Cube単位での交換ができるため、不具合時の早期復旧やメンテナンスが容易に。また、独自の光学・機構設計技術によりCube連結部分の照度の落ち込みを低減したほか、連結サイズや形状に関わらず高照度・面均一度を実現した。

FPD/PCB NEWS〜1月16日
 

NIMS 熱拡散を定量計測できる電子顕微鏡法を開発

 物質材料研究機構(NIMS)は、電子線をパルス化した特殊な走査透過電子顕微鏡と独自の精密温度測定技術により熱の伝搬経路や動きを観察できるナノスケール熱輸送観察法を開発した。

 研究チームは、透過電子顕微鏡でナノサイズに絞った電子線をパルス状にして試料に照射し、断続的に変化する温度を極小サイズの熱電対で測定する観察法を開発。熱源をパルス化することで試料中を伝わる熱に時間的な変化を与えられるため、伝わる熱の速さや大きさを解析することが可能になった。とくに、試料上でナノサイズの熱源の位置をナノスケールの精度で変えられるため、熱源の場所を変えながら熱が伝わる時間(位相差)や大きさ(振幅)を画像として記録できる。この画像を元に、材料中のナノスケール領域の熱伝導性を測定できるだけでなく、熱の伝わり方をアニメーションとして直接観察することもできる。

FPD/PCB NEWS〜1月15日
 

富士フイルム 熊本拠点に先端半導体材料生産設備を導入

 富士フイルムは電子材料事業を拡大するため、熊本拠点に約60億円の設備投資を行うと発表した。

 富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズが熊本県の生産子会社「富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング」九州エリアにイメージセンサー用カラーフィルター材料の生産設備を導入する。稼働は2025年春を予定している。

FPD/PCB NEWS〜1月12日
 

デロイトトーマツグループ 熊本市にグループ横断の「熊本半導体ビジネス室」を開設

 デロイト トーマツグループは2024年3月、半導体企業の集積が進む熊本県に「熊本半導体ビジネス室」を開設すると発表した。熊本市中央区に拠点を置き、九州・熊本の経済と地域社会の持続的発展に貢献していく。

 熊本半導体ビジネス室はデロイトトーマツのグループ横断の組織で、運営にあたってはデロイトトーマツリスクアドバイザリー合同会社、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が連携する。熊本半導体ビジネス室が最前線で業務の中核を担いながら、案件毎にグループ内のコンサルタントやアナリスト、エンジニア、データサイエンティスト、サイバーセキュリティの専門家などと連携するモデルを構築する。

FPD/PCB NEWS〜1月10日
 

東大 溶媒内超音波処理によるサブナノ厚の2次元半導体単層を選択的に単離する手法を解明

 東京大学大学院総合文化研究科の桐谷乃輔准教授(研究開始当時:大阪公立大学)と中本竜弥特別研究学生(研究当時)は、溶媒内超音波処理によるサブナノ厚の2次元半導体単層を選択的に単離する手法を開発した。

 今回の研究では、わずか1分という短時間の溶媒内処理により基板上に転写された単層を選択的に孤立させることに成功。この手法を用いることで、従来では困難だった多数の電極を有した単層デバイスの作製が可能になるなど、2D半導体関連研究をさらに活性化することが期待される。

FPD/PCB NEWS〜1月5日
 

京大と東北大 マルチフェロイック特性を示すペロブスカイト塩化物を発見

 京都大学大学院工学研究科の朱童特定助教、高津浩准教授、セドリック・タッセル准教授、陰山洋教授はノースウェスタン大学、東北大学、大阪大学、高エネルギーアクセラレータ研究機構との共同研究によりマルチフェロイック特性を示すペロブスカイト塩化物を発見した。

 従来の酸化物では電場や磁場で制御されていたが、塩化物を用いることで温度制御に初めて成功した。塩化物の柔軟性に加え、より低い電荷の金属を用いることができるなど材料開発の幅を拡げ、実用的なデバイスの開発を促進することが期待される。