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第5回酸化亜鉛フォーラム(1月28日)


第5回酸化亜鉛フォーラム ポストITOとしてGZOをTFT-LCDの透明電極に

 1月28日、都内で高知工科大学主催による「第5回酸化亜鉛フォーラム」が開かれた。ポストITOの有力候補とされるZnOに関しては、同大学の山本哲也教授からNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の希少金属代替材料開発/透明電極向けインジウム代替材料開発プロジェクトの研究成果が報告された。同氏の講演をクローズアップする。

 平成20〜23年度にわたって行われているNEDOの希少金属代替材料開発プロジェクトの狙いは、TFT-LCDの透明電極に用いられるInの使用原単位を04年比で50%削減する製造プロセス技術を開発することにあり、このうちのテーマのひとつである「透明電極向けインジウム代替材料開発プロジェクト」ではZnOをTFT-LCDの透明電極に用いる研究が進められている。

 ZnO系でもGaをドープしたZnO:Ga(通称GZO)はITOに近い導電性を有しており、その光学特性はITOをも凌駕する。具体的には、紫から青色の短波長領域における透過率は87%程度で、アモルファスITOに比べ7%、多結晶ITOに比べ3%高い。このため、ITOがやや黄色っぽいのに対し、無色透明なニュートラル色調が特徴となっている。また、長波長側におけるレスポンスレンジも高く、400〜1500nmではITOの71%に対し80%程度に達する。これは、赤外光が半分を占める太陽光を利用する太陽電池に適していることを意味する。

 一方、シート抵抗値は膜厚150nmの場合、DCマグネトロンスパッタリング成膜で54Ω/□、反応性プラズマ蒸着成膜(いずれも基板温度150℃)で19Ω/□とITOに近い値が得られている。  


写真1 3型QVGA TFT-LCD(講演会場で撮影)

  本題のTFT-LCDへの応用に関しては、まず前面カラーフィルター基板に設ける共通電極への適用にトライ。膜厚は150nmで、高知カシオの320×400o対応量産ラインでマグネトロンスパッタ成膜した。そして、TNモードの3型QVGAパネルを試作することに成功。写真1のようにITO共通電極パネルと同等の表示特性が得られた。また、ZnOの弱点である耐湿性に関してもGaドープ条件などを最適化したところ、60℃、95%RH環境でも導電性の低下を15%に抑制。この条件で1000時間連続駆動しても表示特性が劣化しなかった。

 ネックストステップとして計画しているのがTFTアレイ上の画素電極で、こちらはパターニングする必要があるため、三菱ガス化学と共同で新たな有機酸塩系エッチャントを開発。L&S=4μm/4μmというファインパターニングに成功し、残渣も発生しなかった。このため、今後、共通電極、画素電極ともGZOを用いたパネルを作製する考えだ。

REMARK
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2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。