STELLA通信は潟Xテラ・コーポレーションが運営しています。

CEATEC 2020 ONLINE (2020年10月20〜23日)


CEATEC 2020 ONLINE withコロナに対応した新型ディスプレイのデモが活発化

10月20〜23日、史上初めてオンライン形式で開催された「CEATEC 2020 ONLINE」。ここでは、公式ホームページ上での記述をベースにディスプレイ関連のトピックスを取り上げる。ちなみに、公式ホームページ(https://www.ceatec.com/ja/)は12月31日まで閲覧が可能となっている。


 まず苦言だが、ホームページがわかりにくく、どこにどのような出展があるのか把握するのに時間がかかる。さらに、初日の開幕直後にアクセスが集中してつながらなくなるなど、進行も決してスムーズとはいえず。もちろん、オンライン開催だけに、その盛り上がりは通常開催とは比較にならない。セールスポイントにしていたチャットでのやりとりも十分に機能しているようにはみえなかった。

withコロナに向け透明ディスプレイパーティションを提案


写真1 透明ディスプレイパーティション
 シャープは、withコロナ時代に対応するタイムリープロダクトとして透明ディスプレイパーティションをアピールした。その名の通り、透明TFT-LCDをパーティションにしたもので、コロナ感染対策とインフォメーション表示という二つの機能を兼ねる。デモムービーでは窓口、受付、店舗、学校などへの利用を提案。透明ディスプレイに立体感のある映像を浮かび上がらせるデモを行うなど、その新たなアドバンテージを強調していた。

 ちなみに、透明TFT-LCDの詳細は明らかにしていないが、チャットでの質問に対しては「過去に出展したシースルーディスプレイは偏光板やカラーフィルターがあるため透過率が10%以下に過ぎず、そのためディスプレイ奥の領域を明るくする環境構築が必要だった。今回、透過と散乱を面内で制御する透明ディスプレイを開発。高い透明性を実現することにより、ライティング不要なパーティションへの応用を可能にした」とのこと。

三菱電機は空中映像を操作する非接触ディスプレイをPR


写真2 非接触型空中タッチ操作ディスプレイ
図1 非接触型空中タッチ操作ディスプレイの構造
 一方、三菱電機もwithコロナ時代を念頭に、タッチパネルの衛生性・安全性を画期的に高めた非接触型空中タッチ操作ディスプレイを提案した。

 システム構造は図1の通りで、ビームスプリッターと再帰性反射シートを用いて空中に映像を表示。高解像度の空中映像であるため、文字をくっきりと読み取ることができる。さらに、指先の空間位置を検出する測距センサーにより、非接触で高精度なタッチ操作を実現。このため、衛生性に優れるだけでなく、指紋が残らず、横から覗いても映像が見えないため、銀行のATMやマンションのエントランスなど高いセキュリティが求められるシーンにも適する。

有機ELDに匹敵するハイコントラストTFT-LCDを車載システムに

 アルプスアルパインは、車載向けシステムとして"デジタルキャビン"というコンセプトを提案した。

 デジタルキャビンはHMI(Human Machine Interface)、センサー、コネクティビティのコア技術からなる各種入出力デバイスを独自の統合ECUであるHPRA(High Performance Reference Architecture)を用いてソフトウェア処理することにより、後部座席まで含めた乗員ぞれぞれの五感に訴えかけ、豊かで上質な快適移動空間を創出する次世代自動車向けシステム。Eミラーによる死角を低減した周辺表示やドアトリム一体型の次世代入出力デバイス、天井大画面ディスプレイや乗員個別に音を響かせるゾーンサウンドなど最新技術を導入している。


写真3 デュアルセルLCD
 このうち、独自開発したデュアルセルLCDは100万:1クラスと有機ELディスプレイに匹敵するハイコントラスト比が得られる。具体的には、黒の締まりを出してコントラストを高めるため、テレビ用パネルなどに導入されているローカルディミングバックライト技術を導入。ただし、通常のローカルディミングでは分割LED数が多くないため、明るいオブジェクト画像ではその周囲が明るくなり浮いてしまうHalo現象が発生する。これを抑制するため、LED数を極限まで増やしたミニLED構造を採用することにした。

 LCDモジュールはLEDバックライト、ディミング用液晶セル、イメージ用液晶セルという構成。つまり、ディミング用液晶セルも液晶材料によって透過率を制御して階調を表現する。これら二つの液晶セルを独自アルゴリズムによってそれぞれの信号を制御する。また、さらなる高級感を出すため、ガラス基板の額縁部分を黒で印刷して液晶セルとの境界がわからないようボーダーレス化した。

 写真3は12.1型パネルを比較配置したもので、左のデュアルセルは右の通常セルに比べ黒の締まりが高くハイコントラストなのがわかる。

REMARK
1)Stella通信はFPD&PCB関連ニュースの無償提供コーナーです(ステラ・コーポレーションがFPDやPCBそのものを製品化しているわけではありません)。
2)この記事はステラ・コーポレーション 電子メディア部が取材して記事化したものです。

1 Shot AOI
わずか10秒でAOI処理可能なAOI装置