会社概要 製品情報 展示会 サポート/ダウンロード お問い合わせ サイトマップ

 Special Serialization■図解!! PDPの構造と製造プロセス
第6回 バス電極形成プロセス

 従来、バス電極形成法としては薄膜成膜+フォトエッチング法、感光性ペースト法、感光性テープ法、スクリーン印刷法の4工法が採用されてきた。とくにフォトリソを用いた前記3工法は量産技術が確立されており、残された課題はやはりローコスト化になる。このため、07年からは一部のPDPメーカーでグラビアオフセット印刷法が採用されはじめた。

 
感光性ペースト法

 現在のメイン工法。感光性ペーストは東レ(パナソニックへ独占供給)、デュポン、ノリタケカンパニーリミテド、太陽インキ製造などが供給。

感光性テープ法

 日立プラズマディスプレイとパイオニアが量産採用していたが、両社のモジュール事業からの撤退により現在は量産採用されていない。

グラビアオフセット印刷法

※印刷後に乾燥・焼成

 07年からSamsung SDIが量産採用。従来の感光性ペースト法に比べ劇的なコストダウンが望めるだけに、今後主流になる可能性も。

フォトエッチング法(Cr/Cu/Cr)

 富士通が20型クラスPDPの量産当初から採用してきた関係で日立プラズマディスプレイが量産採用してきたが、同社のモジュール事業からの撤退により現在は量産採用されていない。

フォトエッチング法(Cu-Cr分離合金)

 Cr-Cu合金ターゲットは日立金属が開発。日立プラズマディスプレイが量産採用していたが、同社のモジュール事業撤退により現在は量産採用されていない。

スクリーン印刷法

 ※上図のように黒色化(グレー)したAgペーストを1回で印刷する以外に、黒色ペーストとAgペーストを積層印刷するケースもある。 量産採用しているのはOrion PDPとCOC Display Devices(中国)。

スクリーン印刷法(改良版)


感光性フィルム粘着法

 @焼成温度の低い粘着性部分が300℃程度でバーンアウトされる→トナーパターンが下へ落ちる
 A焼成温度が400℃以上になると粘着性が消滅した部分もバーン  アウトされ、トナーパターンだけが残る。

リフトオフ法

レーザードライエッチング法


インクジェットプリンティング法


 おもに提案しているのはセイコーエプソンやアルバック。ナノAgインクが高価なことや厚膜化が面倒なことから、現時点では量産採用には至っていない。

凹版(または凸版)オフセット印刷法


※印刷後に乾燥・焼成


 バス電極形成法はPDPメーカーによってさまざまだ。薄膜エッチング法でもCr/Cu/Crを用いる場合やCr/Alを用いるケースもある一方、感光性厚膜法でも感光性ペーストのほか、感光性テープを用いるPDPメーカーもある。少数派だが、スクリーン印刷でダイレクト形成するPDPメーカーもある。このように、形成法はPDPメーカーの好みによって多様化しているが、それぞれコストをはじめとする課題は少なくない。

 こうしたなか、次期プロセスの本命はやはり“必要な部分に必要な材料を形成するアディティブ法”。一口にアディティブ法といっても、印刷技術を応用したものや、フォト技術をベースにしたものまでさまざまな工法が考えられるが、ここにきてグラビア凹版を用いるグラビアオフセット印刷法が量産採用されたのがトピックスとなっている。

■工法の比較

形成法
xy精度
膜厚精度
比抵抗
フルHD対応
大型化
実績
コスト
工程数/タクト
装置コスト
直接材料コスト
間接部材コスト
歩留り
トータル
スクリーン印刷法
×
スクリーン印刷法(改良版)
×
平版オフセット印刷法
×
グラビアオフセット印刷法
IJ法
×
×
フォトエッチング法
(Cr/Cu/Cr)
×
×
×
×
フォトエッチング法
(Cr/Cu-Cr分離合金)
レーザードライエッチング法
感光性ペースト法
感光性テープ法
×
感光性フィルム粘着法
×
リフトオフ法
×
×
×

過去の連載はこちら