|
Special Serialization■図解!! PDPの構造と製造プロセス
第3回 マトリクス構造セルPDPのプロセスフロー
マトリクス構造セルはストライプ構造セルのウィークポイントを解消するために考案された。セルをマトリクス状にパターニングして垂直解像度を高めるとともに、蛍光体塗布面積を増やして高輝度化・高効率化する狙いがある。ただし、セルを完全にクローズド化してしまうため、両面基板貼り合わせ後に排気しにくいという弱点があり、その対策として下図のように前面基板の透明誘電体層に段差を設けて排気孔を確保するケースが多い。ちなみに、一般的に垂直方向のリブと水平方向のリブは幅が大きく異なるため、焼成後の収縮によって前者が後者よりも低くなる。つまり、高さの違いによって排気パスがある程度確保できるため、新たに排気パスを設けないパネルもある。
プロセスフローは下図の通りだが、ドライバICやFPC(Flexible Printed Circuit)などの実装工程を割愛した。 |
前面基板 |
背面基板 |
|
ガラス基板洗浄
|
|
アドレス電極形成(パターニング) |
|
白色誘電体層形成(ベタパターン) |
|
|
|
|
|
シール層形成
|
|
|
|
パネル組立 |
|
|
|
段違い構造セルPDPのプロセスフロー
段違い構造セルPDPの製造フローは下図の通り。水平方向のリブと垂直方向のリブの高さが異なることによってできるスリット部から排気するため、同じクローズドセルでもワッフル構造セルのように排気用孔を設ける必要がない。ただし、段違い構造セルは水平方向リブと垂直方向リブの高さの差、つまりスリットディメンジョンを最適化しないとクローストークが発生する危険がある。このパネル構造を採用しているのはパナソニックである。 |
前面基板 |
背面基板 |
|
ガラス基板洗浄
|
|
アドレス電極形成(パターニング) |
|
白色誘電体層形成(ベタパターン) |
|
|
|
|
|
|
排気パスの確保方法 |
|
スクリーン印刷法 |
自己整合法 |
上図の方法は、サンドブラスト法や感光性ペースト法などでバリアリブを形成した後、垂直方向のリブだけを高くして排気パスを確保する仕組み。ローコストなスクリーン印刷法を用いるのが一般的である。 |
上図の方法は幅が異なる縦方向のリブと水平方向のリブの焼成収縮差を利用して排気パスを設ける。水平方向のリブは焼成時の熱収縮で高さが垂直方向のリブよりも低くなる。このため、自然と排気パスができ、新たな工程を追加せずにセルをクローズド化し排気パスが確保できる。 |
パネル組立 |
|
|
|