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 Special Serialization■図解!! PDPの構造と製造プロセス
第15回 スクライブ・ブレークプロセス

 ここにきてスタンダードになっている多面取りプロセスでマザーガラスからパネルサイズに分断するスクライブ・ブレーク工程は超硬カッターまたはダイヤモンドホイールカッターを用いるメカニカル切断方式と、レーザービームでスクライブするレーザー切断方式に大別される。

 前者はカッターをワークに押し当てて平行移動させる仕組みで、高浸透刃先を使えばその後のメカニカルブレークなしでフルボディカットできるケースもある。スクライブ後、切断面に面取り・研磨を行う際は前面基板と背面基板を貼り合わせて封着した後というパネルベースで行うのが一般的である。

 一方、後者はダイヤモンドホイールを軽く押し当ててトリガーを与えた後、CO2レーザービームを照射し、時間差で純水ミストをスクライブラインに照射して急冷し、発生した熱歪みを利用してスクライブする。ガラスカレットが一切発生しないため、切断後の面取り・研磨は基本的に不要である。また、切断にともなう水平方向のクラックも発生しないため、ガラスの強度が低下する心配がない。ただし、メカニカルスクライブに比べヘッド走行速度を低速化する必要があるなど、1.8o厚というPDPガラス基板ではスループット面で問題を抱えている。このため、原理的にはフルボディカットも可能だが、実際にはメカニカルブレーク工程を入れるのが一般的である。なお、前面マザーガラスにはMgO膜、背面マザーガラスには蛍光体層が形成されているため、水を使いたくない場合はHeガスなどのドライ冷媒を使用する必要がある。 


メカニカル切断

レーザー切断



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